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【睡眠薬】マイスリー®/ゾルピデム酒石酸塩とはどんな薬?

マイスリー®/ゾルピデムを処方された方へ

一般名

ゾルピデム酒石酸塩 zolpidem tartrate

製品名

マイスリー

剤型

錠剤 5mg、10mg

後発品

ゾルピデム酒石酸塩(錠剤、OD錠、内用液)

適応

不眠症(統合失調症・躁うつ病の不眠症は除く)

用法・用量

1回5~10㎎を就寝直前に内服します。高齢者には1回5㎎から開始します。最大10㎎まで使用できます。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

重篤な肝障害のある方は、代謝機能の低下により血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれる可能性があり、注意が必要です。

半減期

約2時間

マイスリー®/ゾルピデムの特徴、効果

マイスリー®/ゾルピデムは1988年にフランスで上市されたイミダゾピリジン類に分類される非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

日本では2000年9月に製造承認され、同年12月に発売されました。

ベンゾジアゼピン受容体

ベンゾジアゼピン受容体にはω1、ω2、ω3の3つのサブタイプがあり、中枢に分布するGABAAのサブタイプの機能と臨床効果の関連が指摘されています。

ω1受容体は脳全体に分布しますが、特に小脳、嗅球、淡蒼球などに高密度で分布し、催眠鎮静作用に関連しています。

ω2受容体は脊髄、海馬、線条体などに多く分布し筋弛緩作用に強く関連しています。

マイスリー®/ゾルピデムの特徴、薬理作用

マイスリー®/ゾルピデムはω1選択性を示す超短時間作用型(半減期1.7~2.4時間)の睡眠薬ですが、短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬で生じる反跳性不眠や反跳性不安も、推奨投与期間の4週間以内であれば生じることが少なく、代謝物が薬理活性を有さないために反復投与でも蓄積効果は見られません。

長時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠薬では残遺効果や筋弛緩作用があるため、特に高齢者ではふらつきや転倒などの副作用が問題となりますが、マイスリー®/ゾルピデムでは筋弛緩作用が弱く安全性に優れ、高齢者の不眠にも使いやすいでしょう。

また、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬では睡眠段階2を増加させ、睡眠段階3、4の深睡眠を減少させてREM睡眠潜時の延長とREM睡眠の減少をもたらすのに対して、マイスリー/ゾルピデムでは睡眠段階2を増加させず、深睡眠を増加させる傾向にあり、REM睡眠に影響しないため、入眠障害だけでなく熟眠障害や、中途覚醒に対しても優れた効果を持っています。

マイスリー®/ゾルピデムの副作用

ふらふら感(4.0%)、眠気(3.4%)、倦怠感(2.8%)、頭痛・頭重感(2.8%)、残眠感(2.6%)、悪心(2.1%)、健忘などの報告がみられます。

まとめ

マイスリー®/ゾルピデムは寝つきを改善する効果が強く、朝に薬効が残りにくく、熟眠障害や中途覚醒への効果も期待できる、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

筋弛緩作用が少なく、依存や耐性に関しても短期間使用であれば、危険性も少なく、高齢者の不眠にも使用しやすい薬剤です。

【睡眠薬】アモバン®/ゾピクロンとはどんな薬?

アモバン®/ゾピクロンを処方された方へ

一般名

ゾピクロン zopiclone

製品名

アモバン

剤型

錠剤 7.5mg、10mg

後発品

アモバンテス、ゾピクロン、ドパリール

適応

①不眠症

②麻酔前投薬

用法・用量

1回7.5~10㎎を就寝前または手術前に内服します。最大10㎎まで使用できます。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合も原則投与しないことを原則とされていますが、特に必要とする場合には慎重に投与します。

半減期

約4時間

アモバン®/ゾピクロンの特徴、効果

アモバン®/ゾピクロンは1989年に発売された、超短時間作用型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬になります。

内服後、約1時間で最高血中濃度に達します。

消失半減期は約4時間です。

超短時間作用型ですので、機会性不眠、一過性の睡眠・覚醒スケジュール障害、身体疾患による不眠、熟眠感の乏しい不眠症などに有効です。

機会性不眠

機会性不眠とは:不安、恐怖、情緒的ショックやストレスに伴う情動の興奮、不慣れな環境によって起こる不眠や、時差、交代勤務による睡眠・覚醒リズムの障害のことです)

アモバン®/ゾピクロンを使用してなお中途覚醒、早朝覚醒がみられる場合は中間作用型や長時間作用型へ切り替えるか、併用することもあります。

アモバン®/ゾピクロンの薬理作用

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ですが、薬物作用はベンゾジアゼピン系薬剤と同じです。

ベンゾジアゼピンレセプターに結合し、GABAレセプターに影響を及ぼすことでGABA系の抑制機能を増強し薬理作用を発現します。

抗不安作用、抗痙攣作用、筋弛緩作用を有します。

アモバン®/ゾピクロンの副作用

ふらふら感、眠気、倦怠感、頭痛・頭重感、めまい、健忘などがまれにみられます。

また、他の睡眠薬には少ないのですが、口中の苦味、変な味がするような感覚が出現することがあります。

苦みの出現頻度としては約8%との報告があります。

まとめ

アモバンン®/ゾピクロンは寝つきを改善する効果が強く、朝に薬効が残りにくく、目覚めやすい非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

睡眠効果が強く、特に入眠時の睡眠効果を期待できますが、口の苦みが出現することがあるのと、依存に注意が必要であること、急に中断した際の反跳性不眠に注意する必要があります。