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メラトニンは睡眠障害に有効か?!【概日リズム睡眠障害】

メラトニンの様々な病気への作用や、老化防止効果に関しては多くの報告があります。

米国においては、メラトニンはFDAによる規制を受けないので、健康補助食品としてお店で購入できます。

つまり、医薬品として正式に認可されておらず、もっとしっかり効果や副作用の検討をしてほしいとの声もみられます。

では、実際メラトニンは睡眠障害に有効なのでしょうか。

メラトニンとは

メラトニンとは松果体で産生されるホルモンで、その分泌パターンには日内変動がみられます。

内因性計時機構の制御を受けており、その血中濃度は夜間にピークに達し、光を浴びることで分泌が抑制されます。

それゆえメラトニンは”darkness hormone”と呼ばれます。

1980年代にメラトニンがげっ歯類の内因性生物リズムを同調する作用が報告されたことから研究が進み、高齢者の不眠に対しての治療効果や、メラトニンは概日リズム睡眠障害に対する治療応用が期待されるようになりました。

高齢者の不眠に対するメラトニン治療

高齢者の不眠に対するメラトニンの効果に関しては、2㎎のメラトニン投与により睡眠潜時(就床時間から睡眠開始までの時間)が短縮したという報告があります。

また、就寝後の総睡眠時間の延長、入眠後の覚醒時間の減少などの睡眠効率が上昇したとの報告もあります。

 

メラトニンが効果が期待できる可能性のある疾患

メラトニン概日リズム睡眠障害に対する効果に関しても報告があります。

睡眠位相後退症候群の方に2㎎のメラトニン投与により、平均115分程度の入眠時刻の前進がみられたとのことです。

睡眠位相後退症候群や時間帯域変化症候群、交代勤務睡眠症候群、非24時間型睡眠覚醒症候群などの概日リズム睡眠障害への効果が期待できます。

メラトニン内服での注意点

1970年代の報告になりますが、経口で1日1,100~1,600mgのメラトニンをうつ病患者に投与した場合に、気分障害、睡眠障害、体重減少などのうつ症状の増悪及び、精神症状の出現の報告があり、大量使用には注意が必要で、使用する場合は0.5~6㎎程度にとどめておいた方がよさそうです。

まとめ

概日リズム睡眠障害や高齢者の不眠に対して、0.5~5㎎のメラトニンが有効であるという報告が見られており、有効性が期待できます。

しかし、大量投与によるうつ症状、精神症状の悪化の可能性があり、使用する際は少量使用が望ましいようです。