ダルメート®/フルラゼパム塩酸塩を処方された方へ
一般名
フルラゼパム塩酸塩 flurazepam hydrochloride
製品名
ダルメート
剤型
カプセル 10㎎、15㎎
適応
①不眠症
②麻酔前投薬
用法・用量
1回10~30㎎を就寝前または手術前に服用します。
禁忌
急性狭隅角緑内障、重症筋無力症
ノービア®、カレトラ®、ヴィキラックス®/リトナビル(HIV、HCV等の治療薬)を投与中の方は、併用により本剤の血中濃度が上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制の可能性があり注意が必要です。
半減期
約47~100時間
ダルメート®/フルラゼパムの特徴
ダルメート®/フルラゼパムは1975年に発売された、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に分類されます。
内服後、約1時間で最高血中濃度に達します。
血中半減期は約47~100時間で長時間作用型に分類されます。
半減期が長いため、持ち越し効果による翌日の眠気が出現する可能性や、日中の精神運動機能への影響は強いお薬です。
その反面、内服を急に中断しても、反跳性不眠や退薬症状が出にくいため、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、各種の不眠症に有効です。
また、連用による耐性も生じにくいといわれています。
催眠作用、抗不安作用は強く、筋弛緩作用は比較弱いと言われています。
REM睡眠を抑制しにくいといわれています。
睡眠薬のREM睡眠とnon-REM睡眠への影響
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は一般的にはREM睡眠と深い睡眠を抑え、中程度の睡眠を増加させます。
REM睡眠を抑えることで夢や悪夢が減りますが、減薬していくときに夢が多くなったりすることがあります。
非ベンゾジアゼピン系のマイスリー®、アモバン®、ルネスタ®及び、ベンゾジアゼピン系でもリスミー®やダルメート®はREM睡眠や深い睡眠への影響が少なく、自然な睡眠を取り戻しやすいといわれています。
ダルメート®/フルラゼパムの薬理作用
GABAニューロンの作用を特異的に増強して、作用を発現すると考えられています。
ダルメート®/フルラゼパムの副作用
ふらふら感、残眠感、倦怠感、頭痛・頭重感、めまいなどの報告があります。
まとめ
ダルメート®/フルラゼパムは内服後1時間前後で入眠ができ、持続効果が長く、REM睡眠への影響が少なく自然な眠りを取り戻しやすい、長時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
睡眠効果が強く、持続的な効果を期待できますが、翌日まで鎮静作用が続く持ち越し作用に注意する必要があります。