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【安定剤】ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムとはどんな薬?【抗不安薬】

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムを処方された方へ

一般名

アルプラゾラム alprazolam

製品名

ソラナックス、コンスタン

剤型

錠剤 0.4mg、0.8mg

後発品

アルプラゾラム

適応

心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候・不安・緊張・抑うつ、睡眠障害

用法・用量

成人では1日1.2㎎を3回に分けて内服します。

1日最高2.4㎎までで使用します。

高齢者では1回0.4㎎から開始し、最高1日1.2㎎までで使用します。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

半減期

6~20時間

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムの特徴

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムはベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類される、いわゆる安定剤です。

最高血中濃度は2時間後であり、作用発現速度は中等度です。

薬物代謝酵素はCYP3A4が関与しています。

血中半減期は6~20時間であり、作用時間は中間型に分類されます。

抗不安作用の力としては強い方の抗力価に分類されます。

アルプラゾラムは他のベンゾジアゼピン系と比べ、抗うつ作用の報告があります。

パニック障害での不安発作や予期不安への有効性が確立されています。

薬理作用として、馴化鎮静作用、抗痙攣作用は強力です。

筋弛緩作用は中等度です。

社会恐怖の動悸、口渇、振戦等の自律神経症状に対しての効果が期待できます。

全般性不安障害に対しては、高力価短時間作用型であるがゆえに、依存を生じやすくなることと、服薬間に起きる反跳性不安のリスクもあり、第一選択とはなりにくいでしょう。

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムの作用機序

抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜のベンゾジアゼピン受容体に作動薬として高い親和性で結合し、GABA親和性が増大し、GABA結合量の増加、Clイオンチャンネルの開口を促進します。

通常細胞膜の内側はマイナスに、外側はプラスに荷電しています。

この状態で細胞内に陽イオンが流入すると脱分極が生じ活動電位が発生することで神経は興奮します。

一方で、GABAがGABAA受容体に結合することでClイオンが細胞膜の内側に流入すると過分極になり、細胞膜は興奮しにくくなります。

この機序によってGABAニューロンの作用を特異的に増強して、作用を発現すると考えられています。

視床下部・扁桃核を含む大脳辺縁系に対する、抑制作用が主な作用機序となります。

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムの有効率

パニック障害での不安発作や予期不安への有効性、社会恐怖の動悸、口渇、振戦等の自律神経症状に対しての有効性が見られます。

心身症および自律神経失調症に伴う不安・緊張・睡眠障害は80%以上、抑うつ症状には77%の有効率を示しています。

適応症別では、胃十二指腸潰瘍、自律神経失調症で70%、過敏性大腸炎では57%の有効率を示しています。

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムの副作用

眠気が約10%、めまい、ふらつき、脱力・倦怠感は約6%、口渇、悪心、嘔吐は約1%ほどの報告があります。

まとめ

ソラナックス®、コンスタン®/アルプラゾラムはベンゾジアゼピン系抗不安薬で効果が強く、不安症状によく効きます。

しかし、その反面長期使用での依存に注意が必要であることと、短時間作用型であるため、お薬が切れる感じの反跳性の不安の出現に注意する必要があります。