電車やバスなどの公共交通機関、歯医者や美容室や映画館などで息苦しさや動悸、冷や汗などの軽いパニック症状が出ている方は、カフェイン(コーヒーや紅茶、エナジードリンクなど)をやめるだけで症状が軽減する人が多いです。不安感と不眠が見られる方に、カフェイン摂取が多い方がしばしば見られます。夜中に過呼吸が起きて目覚めるようなら早めに精神科、心療内科の受診をお勧めします。
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パニック障害の原因、症状、治療、経過のまとめ
パニック障害の原因、症状、治療、経過のまとめ
パニック障害を含む不安障害は、最も高率にみられる精神疾患です。
不安障害は遺伝的因子と経験的因子の絶妙な相互作用によって引き起こされるといわれています。
病的な不安状態になりやすさに、外傷的な生活上の出来事やストレスが重なり引き起こされるとされています。
不安の歴史
西暦1800年代の終わりにフロイトが不安神経症(anxiety neurosis)という用語を提唱しました。
フロイトは生物学的基盤に、リビドーの阻害に関連して高まった不安状態として、神経衰弱、心気症、不安神経症等が出現すると説明しました。
不安と恐怖の関係
不安(anxiety)は警告を促すサインであり、目の前に迫った危険を知らせ、人が脅威に対処するための対策を講じられるようにします。
恐怖(fear)は同様の警告のサインですが、、不安とは区別が必要です。
恐怖は既に知っている、外界に存在する、はっきりと限定された脅威に対する反応です。
例えば、山道を歩いていて、突然目の前にクマが現れたら「恐怖」を感じます。
しかし、暗い山道を歩いている時の漠然と出てくる感情は「不安」なのです。
その不安は適切かどうか
不安は外界や内界の脅威への警告ですので、自分の生命を守るのに必要です。
身体の損傷、痛み、絶望、起こりうる不幸な出来事、社会的・身体的欲求不満、信頼する・愛する相手からの分離、成功や地位への脅威などに注意を喚起します。
不安は人に、恐怖に備えることや不利な結果にならないように必要な手段をとることを促します。
例えば、試験に落ちないように勉強したり、通勤電車に間に合うように走ったりすることなど、不安は人に警告して、傷つくのを防ぐのです。
不安の症状
下痢、めまい、息苦しさ、しびれ、浮動感、血圧上昇、動悸、散瞳、歩き回り落ち着かないような不穏状態、失神、頻脈、振戦、胃部不快感、頻尿などがみられます。
不安障害の疫学
不安障害は精神疾患の中で最もよく見られるものです。
年間有病率は約18%と言われています。
女性は男性よりも不安障害になりやすく、女性の生涯有病率は30.5%、男性の生涯有病率は19.2%と言われています。
病的不安の原因
生じている病的な不安の原因を、発育中の出来事と結び付けて考えることが改善する手掛かりになります。
不安はさまざまな発達的段階における多彩な葛藤に関係していることが多いからです。
不安障害では生物学的要因が見いだされることがあります。
不安障害に関連する主な神経伝達物質としてはセロトニン、ノルエピネフリン、GABA(γアミノ酪酸)などがあります。
生物学的変化が、心理学的葛藤の結果を反映しているのか、生理学的変化が心理学的葛藤に先行しているのかについては、それぞれの人によってどちらの場合もありえます。
ただし、不安障害の方は、結果的には生物学的基盤と、生物学的変化の両方がほぼみられます。
パニック障害
パニック障害は、自然発生的に突発的に予期できないパニック発作を特徴とします。
パニック発作の頻度は1日数回から1年に2.3回と、人によって様々です。
パニック障害はしばしば広場恐怖を伴います。
広場恐怖とは
広場恐怖とは、飛行機や新幹線、高速道路での車内、映画館など公の場所、特にパニック発作が起こった際にそこからすぐに出られないような場所にいることに対する恐怖です。
パニック障害の疫学
パニック障害の生涯有病率は1.5~5%です。
女性は男性よりも2~3倍多いとされています。
人種間の差は小さいと言われています。
パニック障害を引き起こす社会的要因としましては、離婚、別離が報告されています。
発症平均年齢は約25歳と言われていますが、あらゆる年齢で発症する可能性はあります。
パニック障害の原因
生物学的要因
パニック発作は脳の構造や、機能の生物学的異常によって発生するという解釈があります。
自律神経系において、交感神経系の緊張の亢進、刺激への順応の遅さ、過剰な反応性などの報告があります。
しかし、神経内分泌学的研究も一致した結果をだせてはいません。
セロトニン系機能障害はパニック障害においては関連は明らかになっています。
基底側扁桃核、中脳、視床下部における局所的な抑制系GABA作動性伝達の減衰が不安に似た生理学的反応を呈することが確認されています。
また、パニック障害の方は、脳幹の青斑核の発火が起きやすいとの報告もあります。
遺伝要因
特定の染色体の位置や遺伝様式などがはっきりと同定されてはいませんが、遺伝的要素はあるとする報告があります。
パニック障害のある親から生まれた子は、パニック障害の発生率が4~8倍になるとの報告があります。
パニック障害の症状
動悸、心悸亢進、発汗、ふるえ、息苦しさ、窒息感、胸痛や胸部不快感、嘔気、気が遠くなる感じ、現実でない感覚・自分が自分でない感覚、コントロールできない気が狂いそうになる恐怖、死への恐怖、感覚麻痺やうずくような異常な感覚、冷感、熱感
パニック障害の経過と予後
パニック障害は通常、青年期後期、成人早期に発症しますが、小児期や青年期早期あるいは中年期に発症することもあります。
パニック障害の発症に心理社会的ストレス因子の増加が関係しているとする報告もありますが、ほとんどの症例では自然発生的に生じ、ストレス因子が確認できないことが多いのです。
パニック障害は一般には慢性的に経過しますが、その経過は人によって様々です。
治療により、30~40%の方では長期間無症状になるまで改善するという報告もあります。
また、約50%の方は、症状が軽度になり生活の支障にならなくなるという経過、約10~20%の方で著名な症状が持続したという報告もあります。
カフェインやニコチンを摂取しすぎると症状は増悪します。
パニック障害の方の約40~80%のでうつ病が重なり、症状が複雑化するといわれています。
アルコールや他の物質依存は予後を悪化させます。
発症前の社会生活への適応が良く、症状が存在する期間が短い方は予後が良いとされています。
パニック障害の治療
パニック障害は治療により、ほとんどの方で劇的に改善します。
最も有効な治療は薬物療法と認知行動療法です。
パニック障害は症状が持続する期間が短い方が予後が良くなるため、早めに受診し、治療することが大切です。
【適応障害、うつ病】いつ治るの?病気の経過と予後【パニック障害】
精神科の病気の経過、治療期間と予後【適応障害、うつ病、パニック障害】
精神科、診療内科に受診をして診断がついた場合、その病気はどのくらいで治るのでしょうか。
インフルエンザや骨折などは個人差があっても数日から数週間の差で見通しがつくことが多いと思います。
しかし、高血圧症や糖尿病などの慢性疾患は、どれくらいで治るかというよりも、長期的に付き合ってコントロールしていくという治療になります。
精神科、心療内科の疾患は、風邪や骨折のように一過性の症状で、その後もとの機能に回復するような病気もありますが、多くは長期的にコントロールしていくような病気が多く、また、心理社会的要因、本人の特性、環境因子等の影響が大きいため、同じ病気でも治療期間や経過がそれぞれ個人により大きく異なります。
ただ、一般的な治療経過、予後が報告されている部分もあり、今回は一般的な予後についてまとめています。
適応障害の予後
適応障害の全体的な予後は、適切な治療が行われれば通常は良好です。
ほとんどの方は3か月以内に以前の機能水準にまで回復します。
適応障害の診断を受けた方(特に、若者)の中にはその後、気分障害もしくは物質関連障害に陥る人がいます。
青年期では通常、成人よりも回復に時間を要します。
青年期に適応障害となる方は、物質乱用とパーソナリティ障害の併存を注意深く評価する必要があります。
特にこれまで自殺企図をしたことがある方、身近な人の自殺を体験している方、不機嫌や不穏、興奮状態が出現しやすい方、精神科治療歴がある方は自殺行動の危険性がみられるという報告があります。
適応障害の予後のまとめ
適応障害は約3ヶ月以内で元の機能水準まで戻る一過性の病気です。
ただし、適応障害でも他の病気や薬物、アルコール乱用、パーソナリティ障害の合併などがあると、難治化してしまうため注意が必要です。
うつ病の予後
うつ病を初めて発症した場合、その約50%の方が発症以前に見過ごせない程度の落ち込みを経験しています。
このことから、早期発見と早期治療により、完全なうつ病の状態へ発展するのを予防できることが考えられます。
うつ病の方の約50%は、40歳以前に初回のうつ病がみられます。
発症が遅い場合は、気分障害(うつ病や躁うつ病など)の家族歴、反社会性パーソナリティ障害、アルコール乱用を伴わない場合が多いです。
うつ病の持続期間
うつ病のうつ状態は治療しないと6~13か月持続し、十分に治療されても約3か月は続くと言われています。
3か月以内に抗うつ薬を中止すると、多くの人で症状が再燃します。
症状が進行するに従い、より長時間のうつ状態が頻回に生じる傾向があります。
20年間における平均のうつ状態の出現の回数は5~6回と言われています。
うつ病の人が躁うつ病になる確率
最初の診断がうつ病であった方の約5~10%は、初めのうつ状態の6~10年後に躁状態の出現がみられます。
この転換期の平均年齢は32歳で、2~4回目のうつ病のうつ状態の後におきることが多いようです。
うつ病の予後
うつ病は慢性疾患であり、再発する傾向があります。
うつ病の初回のうつ状態で入院治療を行った場合、約50%は1年以内に回復します。
しかし、入院治療を繰り返すと、時間経過とともに回復する割合が減少します。
回復しない方の多くで気分変調症が残存します。
うつ病の方の約25%は退院後6か月以内に、約30~50%は2年以内に、約50~75%は5年以内に再発するという報告があります。
再発率は、予防的な薬物療法を受けている方や、これまでのうつ状態の出現が1、2回の方では低くなります。
うつ状態を多く経験するほど、うつ状態とうつ状態の間隔は短縮し、うつ状態の重症度が増えるといわれています。
気分変調症とは
気分変調症(dysthmia)とは、持続性抑うつ障害とも呼ばれます。
最も典型的な特徴は、ほぼ1日中持続する抑うつ気分が、長期間続くことにあります。
うまくやれていない、何もうまくいかないといった不適応感や、自分が悪いんだというような罪責感、過敏性、怒り、社会からの引きこもり、興味の喪失、活力減退、生産性の欠如などがみられる病態です。
薬物療法だけでなく、認知行動療法等の精神療法的アプローチの併用が有効でしょう。
うつ病の予後の指標
うつ病の予後良好となる目安としては、うつ状態の症状が軽いこと、幻覚や妄想といったような精神病症状がないこと、入院期間が短いことなどが挙げられます。
青年期の充実した友人関係、安定した家族、病気になる前5年間の社会機能の健全さも予後良好の目安になります。
他の精神疾患の合併がないこと、パーソナリティ障害がないこと、発症年齢が遅いことも予後良好の目安になります。
パニック障害の予後
パニック障害は通常、青年期後期から成人早期に発症しますが、小児期や青年期早期あるいは中年期に発症することもあります。
パニック障害の発症には明らかな心理社会的ストレス因子を特定することができないことが多いです。つまり、原因がはっきりせず、勝手に発症してしまうことが多いのです。
パニック障害は一般的には慢性的に経過する病気ですが、その経過はそれぞれの人により異なります。
長期経過においては約30~40%の方は長期間無症状であることが観察されています。
また、約50%の人は症状が軽度で生活がひどく妨げられることはありません。
約10~20の方で、著明な症状の持続が観察されています。
初回から2回目くらいまでは、パニック発作があってもその発作に比較的無関心でいる方もいます。
しかし、発作が繰り返されると、この症状が重大な懸念となり、また発作が起こることへの不安、恐怖感、いわゆる予期不安が持続するようになります。
自分の発作を秘密にしようとする方が多く、家族や友人がその行動の変化を心配するようになります。
パニック発作の頻度と重症度は変動し、パニック発作が1日に数回起こることもあれば、月に1度も起こらないこともあります。
カフェインやニコチンを摂取しすぎると症状は増悪します。
すべてのパニック障害の方の40~80%で、うつ状態が出現し、症状を複雑化させるという報告があります。
うつ状態が合併することにより希死念慮が増えます。アルコールやほかの物質依存が20~40%で生じ、強迫症状を呈することもあります。
家族との交流、学業成績や仕事の能率に支障をきたすことが多いです。
病気になる前の社会的生活の適応が良く、症状の期間が短い方は予後が良好な場合が多いです。
【パニック障害】漢方治療:柴朴湯【不安発作】
パニック障害とは
日常に出現する不安とは明らかに区別される、急峻な不安発作(パニック発作)が繰り返されるのが特徴で、「頭がおかしくなる」「死んでしまう」などただならぬ状態、死への恐怖がみられます。一度発作が起きると、再び同じ恐怖を体験するのではないかという不安(予期不安)が出現し、乗り物(電車、バス、飛行機など、)や特定の場所(歯医者、映画館、トンネルなど)を避けたり、外出が困難になったりします。
パニック障害の治療
パニック障害の治療は薬物療法が中心で、安定剤や抗うつ薬のSSRIを中心に処方されます。
薬物療法で症状は改善しますが、いつまで治療すればいいのかということになります。
安定した状態が続けば減薬を目指しますが、治療の終結に向けて、認知行動療法の導入や漢方への置換が再発予防、スムーズな減薬をサポートする役割を果たしてくれます。
パニック障害におすすめな漢方:柴朴湯(サイボクトウ)とは
柴朴湯は、小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方で、内科領域ではアレルギー疾患に良く用いられています。
柴胡、半夏、人参、生姜等の中枢神経作用、厚朴、甘草、蘇葉等の鎮静作用が不安を改善させてくれます。
柴朴湯(サイボクトウ)の構成生薬
柴胡(サイコ)
セリ科ミシマサイコの根です。
中枢抑制作用(鎮静、鎮咳、鎮痛、解熱など)、抗消化性潰瘍、肝障害改善、抗炎症・抗アレルギー、ステロイド剤副作用防止、脂質代謝改善、抗ストレス、インターフェロン誘起作用などがあります。
大棗(タイソウ)
クロウメモドキ科ナツメの果実です。
抗アレルギー、抗消化性潰瘍、抗ストレス、血液凝固抑制、鎮静、腎障害改善作用などがあります。
半夏(ハンゲ)
サトイモ科カラスビシャクのコルク層を除いた塊茎です。
抗ストレス、鎮静、鎮痛、鎮吐、唾液分泌亢進、抗アレルギー、抗消化性潰瘍、腸管内輸送促進、抗ウイルス、血圧降下、免疫賦活作用等があります。
茯苓(ブクリョウ)
サルノコシカケ科マツホドの菌核です。
利尿、抗腫瘍、免疫賦活、抗炎症、腎障害改善、抗潰瘍、血液凝固抑制作用等があります。
人参(ニンジン)
ウコギ科オタネニンジンの根です。
中枢興奮、中枢抑制、抗ストレス、抗疲労、強壮、男性ホルモン増強、脳血流量増加、抗炎症、血圧降下、血糖降下、脂質代謝改善、抗腫瘍、抗潰瘍、抗老化、免疫賦活、肝障害抑制、向精神作用等があります。
甘草(カンゾウ)
マメ科カンゾウなどの根です。
鎮静・鎮痙、鎮咳、抗消化性潰瘍、利胆、肝機能改善、肝保護、抗炎症、抗アレルギー、抗糖尿病、抗動脈硬化作用等があります。
黄芩(オウゴン)
シソ科コガネバネの周りの皮を除いた根です。
中枢抑制作用(鎮痛・鎮静・運動抑制)、体温調整、血圧降下、毛細血管強化、抗動脈硬化、脂質代謝改善、肝障害予防、抗消化性潰瘍、抗炎症・抗アレルギー作用などがあります。
蘇葉(ソヨウ)
シソ科シソ・チリメンジソの葉および枝先です。
鎮静、免疫賦活、抗アレルギー、TNF産生抑制、抗菌作用などがあります。
厚朴(コウボク)
モクレン科ホオノキなどの樹皮です。
筋弛緩・抗痙攣、鎮静、抗消化性潰瘍、抗炎症・抗アレルギー、血圧降下、鎮吐、抗菌、抗腫瘍作用などがあります。
生姜(ショウキョウ)
ショウガ科ショウガの根茎です。睡眠延長、解熱・鎮痛、抗けいれん、鎮咳、鎮吐、血圧降下、強心、唾液分泌亢進、抗潰瘍、肝障害予防・改善作用等があります。
証(虚実)
中間証~虚証
柴朴湯の適応
柴朴湯はパニック発作だけでなく、不安感や落ち込み、全身倦怠感などの精神的や症状と、喉のつまった感じである咽頭異物感、咳嗽、めまい、動悸、嘔気などの自律神経失調症状も改善してくれる効果をもっています。
【不安・うつ】SSRIどれがいいのか?【抗うつ薬比較】
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)はどれがいいのか?
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)としては日本初のお薬であるルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンマレイン酸が1999年に承認され、それ以降、パキシル®/パロキセチン、ジェイゾロフト®/セルトラリン、レクサプロ®/エスシタロプラムと使用できるSSRIの選択肢が増えています。
SSRIという作用機序から同じ分類になっているルボックス®、デプロメール®、パキシル®、ジェイゾロフト®、レクサプロ®ですが、では一番いいSSRIはどれなのかという疑問がでますよね。
SSRIの有効性と忍容性のランク付け
抗うつ薬の強さを比較する一つの目安となる試験に、Manga Studyというものがあります。
Manga Studyでは抗うつ薬の有効性(効果の強さ)、と忍容性(副作用が少なく内服継続しやすさ)でそれぞれの抗うつ薬が評価されています。
SSRIの有効性のランキング(日本で発売されている薬剤のみ記載)
1位 レクサプロ®
2位 ジェイゾロフト®
3位 パキシル®
4位 ルボックス®、デプロメール®
という結果でした。
SSRIの忍容性ランキング(日本で発売されている薬剤のみ記載)
1位 レクサプロ®
2位 ジェイゾロフト®
3位 パキシル®
4位 ルボックス®、デプロメール®
という結果です。
有効性と忍容性の順位がそのまま同じですね。
但し、海外で使用できる薬剤の上限は日本と異なる薬剤もあり、この結果がそのまま皆様に当てはまるかどうかは分かりません。
ではこの試験結果のように、レクサプロ®が一番いいSSRIかというと、そうとも限りません。
もちろんレクサプロ®は有効性、忍容性に優れているのは確かでしょう。
では一番いいSSRIとは。
一番いいSSRIは人それぞれ違う
「症状や相性により、一番いいSSRIは人それぞれ違う」ということです。
一番いいSSRIということをもっと医学的に表現すると、「その人にとって、症状を改善するのに最も効果的で、副作用が極力少なく、長期的に飲みやすく、適切な量で使用されているSSRI」ということになります。
あなたにとって症状を改善するのに最も効果的であること
うつ病の治療アルゴリズムにおいて第一選択の1つとして効果を発揮するSSRIですが、うつ病だけでなく、セロトニン神経系の機能異常が関係する抑うつ気分、全般的な不安、強迫性の不安、パニック症状、さらには摂食障害やアルコール依存症など様々な病態への効果が期待できます。
症状や年齢、性別、経過など様々な要素から相性のよいSSRIを選択します。
あなたにとって副作用が極力少ないこと
基本的には飲み始めの吐き気や、眠気、体重増加、性機能障害等ある程度共通した副作用が報告されていますが、それぞれのSSRIでも副作用の出現する度合いが異なり、個人差もあります。
あなたにとって長期的に飲みやすいこと
1日2回内服するタイプや、1日1回内服する違いや、口の中で溶けるタイプの錠剤があるものもあります。
長期的に飲みやすいということは、継続するうえで大切なことです。
あなたにとって適切な量であること
開始用量や維持用量、最大用量は添付文書で明記されていますが、効果が出る用量、維持する用量、副作用の目立つ用量は個人差があり、あなたにとって適切な用量を設定してもらう必要があります。
漢方でいうところの実証、虚証というものがありますが、SSRIの使用用量については虚証の人であれば、嘔気などの消化器症状や眠気が出現しやすく、初回開始容量の1/2か1/4かでいい場合もあります。
また経過によっても適切な量は変わってきます。
症状が減り、回復してきて逆に眠気や性機能障害などの副作用が目立つときは減量します。
経験と知識を持ち合わせた専門の医師は、診察によって、その人にとって最も相性の良いであろうSSRIを最も適切な時期に、最も適切な量で処方できうると思われます。
それではそれぞれのSSRIの特徴をみてみましょう。
ルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンマレイン酸塩
【剤型】
25㎎、50㎎、75㎎
【適応】
うつ病、うつ状態、強迫性障害、社会不安障害
【用法用量】
通常成人には1日50㎎を初期用量とし、1日150㎎まで増量し、1日2回に分割して経口投与します。
フルボキサミンの特徴
フルボキサミンはオランダの会社により開発され、日本では1999年SSRIとして初めて承認されたお薬です。
ノルアドレナリン再取り込み阻害作用に比較して、格段にセロトニン再取り込み阻害作用が強いのが特徴です。
フルボキサミンは他の神経伝達物質受容体に対する親和性が低く、そのため、有害副作用が少なく安全性の比較的高い薬物です。
薬理作用、薬理動態
神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。
フルボキサミンはセロトニンの再取り込みを選択的に阻害する作用をもちますが、各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さず、モノアミン酸化酵素阻害作用も示しません。
再取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際の臨床での治療効果発現には10日前後必要です。
Tmax(最高血中濃度到達時間)は約4~5時間、半減期約9~14時間、約3日でほぼ定常状態となります。
肝臓で酸化的に脱メチル化されて薬理活性を持たない代謝物となり、尿中に排泄されます。
効果
実験動物を用いた薬効薬理試験では抗うつ作用や強迫行動の抑制が確認されています。
うつ病及びうつ状態における臨床症状改善率は約60%といわれています。
うつ病だけでなく、社会不安障害、強迫性障害、摂食障害、月経前不快気分障害、アルコール依存症の抑うつ状態等への効果が期待できます。
注意点、副作用
服用開始後に効果の出現に先行して、様々な副作用がでることがあります。副作用の出現が、内服への抵抗感や拒否感につながり、症状を遷延させてしまうことにつながる可能性があります。
そのために、治療効果発現までの見通しや服薬開始後に出現することが予測される副作用について、知識を持っておくことが大切です。
投与量の急激な減少や内服中止により、頭痛、嘔気、めまい、不安感、不眠、集中困難等がみられる離脱症状がみられることがありますので、投与を中止する場合には徐々に減量する慎重な調整が必要です。
フルボキサミンはかみ砕くと苦みがあり、舌のしびれが出現することがありますので、水とともに服用し、噛まないようにしましょう。
自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないこと、飲酒を避けることが必要です。
高齢者では肝機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続する可能性がありますので、増量に際しては、用量等に注意する必要があります。
妊娠の可能性がある場合には主治医と相談し、可能であれば中止することが望ましいでしょう。
母乳中への移行のため、授乳婦は内服を避けることが望ましいですが、やむを得ず内服する場合は授乳をやめ、ミルクにしましょう。
嘔気、悪心、口渇、便秘等の消化管の症状が出現することがありますが、服用の中止または減量を必要とせずに、副作用が消失することが多く、吐き気止めを併用することで、副作用症状を軽減できる可能性があります。
フルボキサミンを過量内服した場合の急性中毒症状は、悪心、嘔吐、下痢等の胃腸症状、眠気及びめまいが多く、時に不整脈や低血圧等の循環器症状、肝機能障害、けいれんや意識障害が出現することがあります。
また、投与初期には抑うつ症状や不安焦燥感、不眠が増えることがあるので、安定剤などを少量併用することが助けになることがあります。
フルボキサミンは動物試験で身体依存性及び精神依存性は認められなかったようです。
薬物相互作用
フルボキサミンは、主に肝薬物代謝酵素CYP3A4阻害作用を有し、他にもCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6の阻害作用も有するので、抗てんかん薬や、三環系抗うつ薬、ベンゾピアゼピン系薬物、βー遮断薬、キサンチン系気管支拡張薬、クマリン系抗血液凝固薬の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させ、血中半減期を延長させます。
他にお薬を飲んでいる場合は主治医に相談しておくといいでしょう。
炭酸リチウムとフルボキサミンの併用で、両薬剤の作用増強の報告があります。
パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物
【剤型】
パキシル® 5mg、10mg、20mg
パキシル®CR 12.5mg、25mg
【適応】
①うつ病・うつ状態、②パニック障害、③強迫性障害、④社会不安障害、⑤外傷後ストレス障害
【用法用量】
①1日1回10~20㎎夕食後で開始し、1日40㎎まで。
②1日1回30㎎夕食後から開始し、1日30㎎まで。
③1日1回20㎎より開始し、1日50㎎まで。
④1日1回10㎎より開始し、1日40㎎まで。
⑤1日1回10~20mgより開始し、1日40㎎まで。
(*パキシルCRの場合、パキシル®10㎎=パキシル®CR12.5㎎と換算して計算します)
パロキセチンの特徴
パロキセチンはデンマークの会社により1975年に開発され、1990年に抗うつ薬として初めてイギリスで承認され、抗うつ薬として世界110か国以上、、パニック障害および強迫性障害の治療薬として80か国以上で承認されています。
外傷後ストレス障害の治療薬としては60か国以上で承認されています。
パロキセチンは、日本においてうつ病及びうつ状態、パニック障害への適応で、2000年に承認されたお薬です。
日本においてはパニック障害への適応が認められた最初のSSRIでした。
2006年に強迫性障害、2009年に社会不安障害、2013年に外傷後ストレス障害の適応を取得しています。
薬理作用・薬理動態
神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。
パロキセチンはセロトニンの再取り込みを選択的に阻害する作用をもちます。
抗コリン作用は三環系抗うつ薬に比較してきわめて弱いものですが、SSRIの中では一番強く、口渇感や便秘が出現する可能性があります。
セロトニン再取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際の臨床場面においてはパロキセチンの治療効果の発現に概ね10日から2週間が必要となります。
主に肝薬物代謝酵素CYP2D6で代謝され、尿中に排泄されます。
高度の腎・肝障害のある人では血中濃度が上昇することがあります。
Tmax(最高血中濃度到達時間)は約5時間、半減期は約15時間、約7日でほぼ定常状態となります。
効果
パロキセチンの適応症として厚生労働省が正式に認可しているのは、うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害及び外傷後ストレス障害です。
パニック障害、強迫性障害、摂食障害、月経全不快気分障害、アルコール依存症に伴う抑うつ状態などの病態にはノルアドレナリン神経系に作用する薬物より、SSRIが有効でしょう。
IPAP(International Psychopharmacology Algorithm Project)のうつ病治療アルゴリズムでは、大うつ病(中等度以上)の治療において、SSRIが第一に選択されるべき薬物として挙げられています。
パニック障害に対するSSRIの有効性がメタアナライシスにより確かめられています。
日本での臨床試験成績ではパロキセチン投与8週後の最終全般改善度における改善率(中等度改善以上)は約50%であり、プラセボ群の約30%と比べても優位に優れていました。
パロキセチンを強迫性障害の方へ12週間投与し、強迫症状改善度における改善率(著効以上)は、61.1%であり、プラセボ群の24.7%に比べて、優位に優れていました。
注意点、副作用
SSRI投与開始後2週間程度に不安の頻度が増加することがあるため、抗不安薬等の併用が必要な場合があります。
急性有害作用や退薬症状の出現を抑えるために、漸減、漸増することが基本になります。
急激な中止により、めまい、知覚障害、睡眠障害、不安、嘔気、発汗等がみられることがあり、中止する場合は、徐々に減量することが必要です。
内服中の自動車等危険を伴う機会を操作する際には充分注意する必要があり、従事しないようにしましょう。
妊娠の可能性がある場合には主治医と相談し、可能であれば中止することが望ましいでしょう。
母乳中への移行のため、授乳婦は内服を避けることが望ましいですが、やむを得ず内服する場合は授乳をやめ、ミルクにしましょう。
主な副作用として、嘔気、傾眠、口渇、めまい等の報告があります。
衝動性を増悪させる可能性があるので、衝動性が高い併存障害を有する場合だけでなく、開始初期は注意深い観察が必要です。
頻度は少ないのですが、不安感、焦燥感、興奮、パニック症状、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、躁状態が出現することがありますので、主治医と相談しながら調整する必要があります。
薬物相互作用
パロキセチンは肝薬物代謝酵素CYP2D6の阻害作用を有することから、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、抗不整脈薬、β遮断薬等の血中濃度が上昇し、これらの薬剤の作用が増強することがります。
また、フェニトインやフェノバルビタール等は肝薬物代謝酵素誘導作用を有するため、パロキセチンとの併用によりパロキセチン血中濃度が低下するおそれがあります。
ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリン
【剤型】
錠剤/OD錠 25mg、50mg、100mg
【適応】
うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害
【用法用量】
1日25㎎を初期用量とし、1日100㎎まで漸増でき、1日1回内服します
セルトラリンの特徴
セルトラリンはアメリカで開発され、1990年にイギリスで、1991年にアメリカでうつ病の治療薬として承認されました。
世界110か国以上で、うつ病、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、月経全不快気分障害の適応症で承認されています。
外傷後ストレス障害については、海外において90以上の国と地域で承認されており、国際的に外傷後ストレス障害の標準的な治療薬となっています。
本邦では、2006年、うつ病・うつ状態ならびにパニック障害として適応を取得し、2015年に外傷後ストレス障害の適応を取得してます。
セルトラリンは、日本初めて、プラセボを対照とした比較試験によりうつ病・うつ状態の再燃抑制効果が示されたSSRIです。
薬理作用、薬物動態
神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。
セルトラリンはセロトニンの再取り込みを選択的に阻害する作用をもちますが、各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さず、モノアミン酸化酵素阻害作用も示しません。
アドレナリン、ヒスタミン、アセチルコリン等の受容体に対する親和性も低く、従来の抗うつ薬に劣らない抗うつ効果を持ちながら、問題となるような有害な副作用が極めて弱いお薬です。
セロトニン取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際の臨床場面においてはセルトラリンの治療効果の発現にはおおむね10日から2週間ほど必要になります。
セルトラリンは肝代謝酵素CYP2C19、CYP2C9、CYP2B6、CYP3A4等で代謝されます。
高度の肝障害のある方は血中濃度が上昇することがあるので、増量が必要な場合は、慎重な調整が必要です。
Tmax(最高血中濃度到達時間)は約6~8時間で、半減期は約22~24時間です。約5日でほぼ定常状態に達します。
効果
セルトラリンの適応症として厚生労働省が正式に認可しているのは、うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害です。
諸外国では、強迫性障害、社会不安障害、月経全不快気分障害の適応症で認可されています。
また、摂食障害、アルコール依存症の抑うつ状態などのセロトニン神経系機能不全が想定される疾患にも効果が期待できます。
海外における大うつ病の人に対するプラセボを対照としたいくつかの二重盲検比較試験において、セルトラリンはすべての試験でプラセボに比べてHAM-D合計点(うつ状態を評価する検査、点数が高いほど重度)の減少幅が大きく、統計的に優位な差が認められています。
また、最高用量を増量して実施したランダム化治療中止試験においては、主要評価項目であるセルトラリンの再燃率は8.5%であり、プラセボの19.5%に比べ、統計的に優位に低いことが検証され、再燃抑制効果を含むセルトラリンの抗うつ効果が認められています。
IPAP(International Psychopharmacology Algorithm Project)のうつ病治療アルゴリズムでは、大うつ病(中等度以上)の治療において、SSRIが第一に選択されるべき薬物として挙げられています。
海外におけるパニック障害に対するプラセボを対照とした複数の二重盲検比較試験において、セルトラリンは全ての試験でプラセボに比べて改善が認められ、発作回数や全般改善度でもプラセボに比べて統計的に有意な差が認められました。
国内でのプラセボを対照とした二重盲検比較試験においても、パニック発作の出現頻度の有意な減少が認められています。
注意点、副作用
投与開始後に不安の頻度の増加することがあるため、抗不安薬等の併用が必要な場合があります。
急性有害作用や退薬症状の出現を抑えるために、漸減、漸増することが基本になります。
急激な中止により、めまい、知覚障害、睡眠障害、不安、嘔気、発汗等がみられることがあり、中止する場合は、徐々に減量することが必要です。
内服中の自動車等危険を伴う機会を操作する際には充分注意する必要があり、従事しないようにしましょう。
母乳中への移行のため、授乳婦は内服を避けることが望ましいですが、やむを得ず内服する場合は授乳をやめ、ミルクにしましょう。
主な副作用として、嘔気、傾眠、口渇、めまい等の報告があります。
衝動性を増悪させる可能性があるので、衝動性が高い併存障害を有する場合だけでなく、開始初期は注意深い観察が必要です。
頻度は少ないのですが、不安感、焦燥感、興奮、パニック症状、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、躁状態が出現することがありますので、主治医と相談しながら調整する必要があります。
薬物相互作用
セルトラリンは肝代謝酵素(チトクロムP450)に対する影響が比較的少ない薬剤ではあります。
併用してはいけない薬物としては、モノアミン酸化酵素阻害薬があります。モノアミン酸化酵素阻害薬との併用により、セロトニン症候群(錯乱、発熱、見送ろヌス、振戦、協調異常、発汗等がみられる)が現れることがあります。
機序は不明ですが、炭酸リチウムとの併用によってもセロトニン症候群が現れることがあり、注意が必要です。
ワーファリンとの間に薬物相互作用が報告されており、ワーファリン内服中の方は内科の主治医にも伝えて相談してください。
レクサプロ®/エスシタロプラム
【剤型】
10mg
【適応】
うつ病、うつ状態、社会不安障害
【用法用量】
1日1回10㎎、夕食後より開始し、1日20㎎まで増量できます。
下記ご参照下さい。
【パニック発作】薬以外の対処法【ツボ】
パニック発作への薬以外の対処法
パニック発作、不安発作とは
パニック発作、発作性不安は、いかなる特別な特別な状況あるいは環境的背景にも限定されず、したがって予知できない反復性な重篤な不安(パニック)発作と定義されます。
主要症状
主要症状は動悸、胸痛、窒息感、めまい、現実喪失感(離人感)が多くみられます。また、死ぬのではないか、発狂してしまうのではないか等の二次的な恐怖がみられます。
時に長引くことはありますが、個々の発作は通常数分間しか続きません。
しかし、パニック発作という恐怖と自律神経症状の乱れを体験をしたあとは、電車や飛行機やバスなど逃げられない場所を避けるようになります。また、発作がまた起こるのではないかという不安が持続し、一人でいる状況や外出を避けることもみられます。
対策
交感神経が優位になっていたり、自律神経が乱れやすい状態は発作が起きやすくなります。
そのため、睡眠不足の改善、アルコールの断酒、カフェイン摂取の中止をお勧めします。食事もしっかりとしましょう。
そして、発作が起こりそうなときにお薬以外で対処できることを紹介します。
眼球圧迫法(動悸に効果的)
やや上級者用なので自信のない人は下の項目からやってみてください。
コンタクトレンズを使用している人、緑内障や眼の病気がある人は行わないでください。
両方の眼球をちょっと痛いかなぐらいの強さで一定の力で押します。加圧時間は 10~15秒の範囲内とし,数回反復しますが、2,3回でいいと思います。決して 1 分以上行なわないでください。
眼球圧迫により,三叉神経の鼻毛様体神経の毛様体神経節との交通枝が刺激され,刺激は 延髄に伝達されます。その結果,反射的に迷走神経が興奮し徐脈になります。左右の眼球圧迫により左右別々に迷走神経が興奮します。
耳をひっぱる
耳には100以上のツボがあるといわれており、両手で両方の耳を上、横、下に5秒ずつくらい引っ張って繰り返します。
そもそもツボとは
専門的には経穴(けいけつ)と言います。
東洋医学において、身体をめぐる無形のエネルギーを「気」といいます。その「気」を流れる道を「経絡(けいらく)」と呼びます。経絡という道に主要な場所がありますが、その主要ポイントを経穴、ツボと呼んでいるのです。
各々のツボには気が集まりやすく、悪い気の停滞(邪気)も集まるのです。流派や時代によっても違いますが、身体には365か所のツボがあるとされています。
手のひらをグルグルおす。
片方の手のひらを、反対の手の親指で渦巻き状にグルグル押していきます。
手のひらにも無数のツボがあり、とっさ的に簡単に対処する方法として重宝します。
それでもコントロールできない時は早めに心療内科、メンタルクリニック、精神科を受診してください。繰り返す発作、持続する不安はさらに症状を悪化させ、発作を起こしやすくしてしまいます。