睡眠薬のやめ方。ベンゾジアゼピン系薬剤の副作用

睡眠薬の中止の仕方。ベンゾジアゼピン系薬剤の副作用について

不眠症になり、受診し睡眠薬を内服し、不眠症が改善したのであれば、次は必要最低用量にまで睡眠薬を減薬し、最終的には中止していくことも必要です。

急激な減薬は退薬症候や反跳性不眠を引き起こす原因となります。

減薬に際しては、徐々に減らしてやめていく漸減が原則です。

睡眠薬のやめ方

具体的には2~4週間かけて、内服している量の1/4量ずつ減量し、最終的に中止します。

ただし、不眠症が難治性である一定量以下にできないときは無理な減量は試みず、維持療法を選択することもあります。

ベンゾジアゼピン系薬剤の高齢者への使用

高齢者ではベンゾジアゼピン受容体の感受性が亢進し、肝クリアランスが低下することから、最高血中濃度の上昇と消失半減期の延長がみられます。

そのため、作用、副作用とも強く出て、ふらつきなどの運動失調等がみられやすく、転倒や骨折の原因となります。

したがって、少量から開始するなど慎重に始める必要があります。

ベンゾジアゼピン系薬剤の睡眠時の副作用

服薬後に、もうろう状態、夢遊症状(睡眠随伴症状)が現れることがあります。

また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがある「健忘」が出現することがあるので注意が必要です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、最高血中濃度付近で起きていると、その時のことを健忘していることがあるので、服薬したらすぐに就寝すること、睡眠途中で一時的に覚醒して仕事等を行う可能性がある時は服薬しないことが大切です。

ベンゾジアゼピン系薬剤と妊娠、授乳

ベンゾジアゼピン系薬剤は、妊娠している可能性がある場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にだけ使用します。

新生児に、哺乳困難、筋緊張低下、嗜眠、黄疸の増強等の症状を起こすことが報告されています。

母乳中への移行がみられ、新生児に嗜眠、体重減少等を起こす可能性があり、授乳されている方が内服する場合は、授乳を避ける方が望ましいでしょう。

その他副作用

薬物依存、離脱症状

大量連用により薬物依存を生じることがあります。

また、大量内服または連用中における内服量の急激な減少ないし中止により、けいれん発作、せん妄、振戦、不眠、不安、その他幻覚や妄想などの離脱症状が現れることもあります。

急に中止したり、内服量を自分の判断で減らしたり、増やしたりせずに、定期通院しながら主治医と相談して調整する必要があります。

精神症状

興奮や攻撃性、刺激に反応しやすくなる、酔ったような脱抑制した言動、もうろうとした夢遊状態などの精神症状が出現することがあります。

使用に際しては注意深い経過観察が必要です。

まとめ

ベンゾジアゼピン系薬剤は使い方を間違えなければ、困っている不安や不眠を中心に非常に効果の高い薬剤です。

しかし、使い方を間違えば、依存や耐性をはじめ様々な副作用の出現の危険性がでてきます。

主治医にしっかり相談しながら、自分に合った薬剤の必要最低限の用量を調整してもらうことが大切です。

コメントを残す