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ラツーダ®錠/ルラシドン塩酸塩とはどんな薬か【統合失調症治療薬】

ラツーダ®錠(ルラシドン塩酸塩)とはどんな薬か

【商品名】ラツーダ®錠/Latuda®tablets

【一般名】ルラシドン塩酸塩

【剤型】錠剤 20mg/40mg/60mg/80mg

【適応疾患】

1)統合失調症

2)双極性障害におけるうつ症状の改善

【用法及び用量】

1)統合失調症

通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40㎎を1日1回食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は80㎎を超えないこと。

2)双極性障害におけるうつ症状の改善

通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20~60㎎を1日1回食後経口投与する。

なお、開始用量は20㎎、増量幅は1日量として20㎎とし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量60㎎を超えないこと。

【特徴】

ラツーダ®錠(ルラシドン塩酸塩)は2019年10月の時点では、統合失調症に対しては45の国と地域、また、双極性感情障害におけるうつ症状の改善に対しては6の国と地域で承認されている抗精神病薬になります。

国際双極性障害学会(ISBD:International Society for Bipolar Disorder)とCANMAT(The Canadian Network for Mood and AnxietyTretments)が2018年に出したガイドラインでは、双極性感情障害におけるうつ症状の改善のための薬物療法において第1選択の一つとして推奨されています。

【禁忌】

1)昏睡状態の患者(昏睡状態が悪化するおそれがある)

2)バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者(中枢神経抑制作用が増強される)

3)CYP3A4を強く阻害する薬剤{アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ポサコナゾール)、HIVプロテアーゼ阻害薬(リトナビル、ロピナビル、リトナビル配合剤、ネルフィナビル、ダルナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル)コビシスタットを含む製剤、クラリスロマイシン)を投与中の患者}

4)CYP3A4 を強く誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン)を投与中の患者。

5)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

6)アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)

【妊婦への投与】

ヒトでの影響が懸念される非臨床試験成績はありませんが、国内外を問わず、妊婦または妊娠している可能性のある患者を対象とした臨床試験は実施されておらず、ヒトでの影響は不明であることから、「妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状が現れたとの報告がある。」という設定にされています。妊娠後期に投与された場合の新生児の離脱症状及び錐体外路症状につきましては抗精神病薬に共通の注意喚起として設定されています。

【授乳婦への投与】

非臨床試験で乳汁への移行が認められていますが、薬理作用や暴露量等からはヒトでの哺乳中の児における影響が不明であることから、「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。と設定されています。

レキサルティ®/ブレクスピプラゾールとはどんな薬?【新しい統合失調症治療薬】

新しい統合失調症治療薬レキサルティ®(ブレクスピプラゾール)とはどんな薬?

【一般名】

ブレクスピプラゾール brexpiprazole

【製品名】

レキサルティ

【剤型】

錠剤 1mg、2mg

【適応】

統合失調症

【用法・用量】

通常、成人にはブレクスピプラゾールとして1日1回1mgから投与開始した後4日以上の間隔をあけて増量し、1日1回2mgを経口投与する。

【特徴】

レキサルティ®(ブレクスピプラゾール)はSDAM:Serotonin-Dopamine Activity Modulator(セロトニンードパミン アクティビティ モジュレーター)と呼ばれる新しい作用機序を持つ統合失調症治療薬です。

これまで発売されている統合失調症治療薬はリスパダール(リスペリドン)などのSDA(Serotonin Dopamine Antagonist)に分類される、ドパミンD2受容体のみならず、セロトニン5-HT2A受容体の遮断作用も有することで、錐体外路症状の軽減をはかるタイプのお薬や、エビリファイ(アリピプラゾール)のDPA(Dopamine Partial Agonist)に分類される、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用により、錐体外路症状の軽減、統合失調症の陽性・陰性双方の症状改善を目指したタイプのお薬が主流となっていました。

しかし、SDAでは体重増加や糖・脂質代謝異常、過鎮静、プロラクチン値上昇、DPAではドパミンD2受容体刺激作用に基づく興奮や不眠、アカシジアなどの課題も抱えていました。

今回発売されたレキサルティ(ブレクスピプラゾール)はドパミンD2受容体を過剰に遮断しない特徴に加え、セロトニン5-HT1A及び5-HT2A受容体にも高い親和性を示すことでDPA(Dopamine Partial Agonist)とSDAの特性を併せ持ちそれぞれの短所を改善し、長所を残したようなお薬になっています。

【薬理作用】

D2受容体にパーシャルアゴニストとして高い親和性を示し、エビリファイ(アリピプラゾール)に比べ固有活性が低いという特徴があります。5-HT1A受容体にもパーシャルアゴニストとして作用し、高い親和性を示します。5-HT2A受容体にはアンタゴニストとして作用し、高い親和性を示します。

側坐核、線条体、前頭皮質での上記作用で、陽性症状・陰性症状・認知機能障害を改善させるとされています。また、錐体外路症状の発現を少なくできるとされています。

【副作用】

国内臨床試験における副作用としては、アカシジア5.7%、高プロラクチン血症4.0%の報告がありました。外国の主要なプラセボ対照二重盲検試験における安全性解析の対照となった副作用としては、頭痛6.3%、不眠5.7%などが見られています。

【非定型抗精神病薬】セロクエル®/クエチアピンとはどんな薬?【MARTA】

セロクエル®/クエチアピンフマル酸塩を処方された方へ

一般名

クエチアピンフマル酸塩 quetiapine fumarate

製品名

セロクエル

剤型

錠剤 25mg、100mg、200mg

細粒 50%

適応

統合失調症

用法・用量

1回25mg、1日2~3 回より開始し、漸増します。1日150~600㎎で維持し、1日2~3回で分服します。1日最大750mgまでです。

半減期

約3.5時間

セロクエル®/クエチアピンの特徴

セロクエル®/クエチアピンは米国アストラゼネカ社で開発されたジベンゾチアゼピン系の非定型抗精神病薬です。

他の抗精神病薬では改善しない難治性統合失調症にも有効とされるクロザピンと同等の薬効をもち、かつ重篤な副作用をもたない新規抗精神病薬の開発の過程において登場しました。

各種の受容体に親和性を持ち、非定型性を規定する多くの薬理学的特徴を有しています。

統合失調症の陽性および陰性症状に効果を示めすことが確認されています。

セロクエル®/クエチアピンは忍容性が高く、錐体外路症状やてんかん発作も少なく、プロラクチン血症の副作用も出現しにくいなどの特徴が、コンプライアンスの確保につながり、統合失調症の再燃、再発を予防し、QOLを上げることが期待されています。

2000年12月に日本で承認されています。

セロクエル®/クエチアピンの薬理作用

定型抗精神病薬として代表的なハロペリドールはドパミンD2受容体の選択的拮抗薬ですが、セロクエル/クエチアピンはセロトニン5-HT1A受容体・5-HT2受容体、ドパミンD1、D2受容体、ヒスタミンH1受容体、アドレナリンα、α受容体に親和性をもち、コリン作動性ムスカリン受容体およびベンゾジアゼピン受容体には親和性をもちません。

ドパミンD2受容体のみでなくセロトニン5-HT2受容体遮断作用を併せもつことから、統合失調症の陽性症状だけでなく、陰性症状に対しても効果を示すと考えられます。

また、相対的にドパミンD2受容体よりもセロトニン5-HT2受容体に高い親和性をもつことから、錐体外路症状の副作用の出現は少ないと考えられます。

内服後、約2.6時間後に最高血中濃度に達し、半減期は約3.5時間です。

主に肝臓で代謝されます。(主にCYP3A4によります)

セロクエル®/クエチアピンの効果

セロクエル®/クエチアピンは、統合失調症について認可をうけています。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善するのみならず、情動の平板化、自閉、自発性・流暢さの欠如などの陰性症状を改善すると報告されています。

また、錐体外路症状の出現が少ないことも示されており、満足度は高いという報告があります。

セロクエル®/クエチアピンの副作用

錐体外路症状(約21.2%)、不眠(約19.3%)、神経過敏(約17.8%)、傾眠(約14.2%)、倦怠感(約10.8%)、不安(約10.6%)等の副作用の報告があります。

まとめ

セロクエル®/クエチアピンは第二世代(非定型)抗精神病薬に分類される、様々な受容体に作用をもつお薬です。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善させる効果や、意欲低下や感情鈍麻などの陰性症状への効果が認められており、錐体外路症状などの副作用が少なく、有効性と安全性の両立を求めたお薬です。

【非定型抗精神病薬】ルーラン®/ペロスピロンとはどんな薬?【SDA】

ルーラン®/ペロスピロン塩酸塩水和物を処方された方へ

一般名

ペロスピロン塩酸塩水和物 perospirone hydrochloride hydrate

製品名

ルーラン

剤型

錠剤 4mg、8mg、16mg

適応

統合失調症

用法・用量

1回4㎎、1日3 回より開始し、漸増します。1日12~48㎎で維持し、1日3回で分服します。1日最大48㎎までです。

半減期

約2~8時間

ルーラン®/ペロスピロンの特徴

ルーラン®/ペロスピロンは、住友製薬によって1985年に合成されたベンゾイソチアゾール骨格を有する化合物です。

国内初のSDA(serotonin-dopamine antagonist)として2000年12月に承認されました。

セロトニン5-HT2A受容体及びドパミンD2受容体に強い結合親和性を持ちます。

抗セロトニン、抗ドパミンの両方の作用を介して、抗精神病作用をもち、統合失調症の幻覚、妄想などの陽性症状および、意欲低下、感情鈍麻などの陰性症状の双方にも奏功することが確認されています。

ルーラン®/ペロスピロンの薬理作用

定型抗精神病薬として代表的なハロペリドールはドパミンD2受容体の選択的拮抗薬ですが、ルーラン®/ペロスピロンはドパミンD2受容体のみでなくセロトニン5-HT2A受容体遮断作用も併せ持つため、陽性症状だけでなく陰性症状に対して効果を示すと考えられています。

ルーラン®/ペロスピロンは5-HT2A受容体及びドパミンD2受容体に強い結合親和性をもつ一方で、コリン作動性ムスカリン受容体及ベンゾジアゼピン受容体には親和性を示しません。

主要代謝物の一つの抗セロトニン作用が強く、抗ドパミン作用をほとんどもたないため、脳内でのセロトニン5-HT2A受容体への作用が強まることで、錐体外路症状の発現が少ないと考えられています。

内服後、約1.4~1.7時間後に最高血中濃度に達し、半減期は約2~8時間と比較的短く、血中濃度の減少も速やかです。

反復投与による蓄積性は認められていません。

主に肝臓(主にCYP3A4)で代謝されます。

ルーラン®/ペロスピロンの効果

ルーラン®/ペロスピロンは、統合失調症について厚生労働省より認可をうけています。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善するのみならず、情動の平板化、自閉、自発性・流暢さの欠如などの陰性症状を改善すると報告されています。

統合失調症の抑うつ気分、不安にも効果があると認められています。

ルーラン®/ペロスピロンの副作用

アカシジア(約25%)、振戦(約15%)、筋強剛(約12%)、構音障害(約10%)等の錐体外路症状、不眠(約22%)、眠気(約14%)等の副作用の報告があります。

まとめ

ルーラン®/ペロスピロンは第二世代(非定型)抗精神病薬に分類される、セロトニンとドパミンをブロックする作用に優れたお薬です。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善させる効果や、意欲低下や感情鈍麻などの陰性症状への効果が認められており、統合失調症の抑うつ気分や不安への効果もみられており、比較的安全性は高いと考えられているお薬です。

【非定型抗精神病薬】ロナセン®/ブロナンセリンとはどんな薬?【SDA】

ロナセン®/ブロナンセリンを処方された方へ

一般名

ブロナンセリン blonanserin

製品名

ロナセン

剤型

錠剤 2mg、4mg、8mg

散剤 2%(20mg/g)

適応

統合失調症

用法・用量

1回4㎎、1日2回より開始し、漸増します。1日8~16㎎で維持し、1日2回で分服します。1日最大24㎎までです。

半減期

約11時間

ロナセン®/ブロナンセリンの特徴

ロナセン®/ブロナンセリンは、大日本住友製薬株式会社で2008年1月に承認を受けた新しい構造の第二世代(非定型)抗精神病薬です。

ドパミンD2およびセロトニン5-HT2A受容体に対する遮断作用により、統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状、情動的引きこもり、感情鈍麻などの陰性症状に対して効果を発揮します。

リスペリドンおよびハロペリドールを対照薬とした二重盲検比較試験でも非劣性が示されています。

特に陰性症状の改善効果はハロペリドールより高いという報告があります。

ロナセン®/ブロナンセリンの薬理作用

ロナセン®/ブロナンセリンはセロトニン-ドパミンアンタゴニスト(SDA:serotonin dopamine antagonist)に分類される薬物です。

その受容体親和性の特徴として、リスペリドンやオランザピンと異なり、ドパミンD2受容体結合親和性がセロトニン5-HT2A受容体よりも高いことがあげられます。

また、抗精神病薬の副作用発現に関連するとされているアドレナリンα、ヒスタミンH1、ムスカリン性アセチルコリンM1などの受容体への結合親和性は低く、ドパミンD2およびセロトニン5-HT2A受容体に高い受容体選択性を有します。

薬物動態は食事の影響を受けることが報告されています。

最高血漿中濃度の到達が、空腹時に比べ食後投与時の方が延長するようです。

ロナセン®/ブロナンセリンは主に胃からではなく腸から吸収されるため、食後の胃内容物排泄時間の延長が吸収の遅延をもたらすこと、食事による血流量の増加による初回通過効果の低下が関与すると考えられています。

主として、薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されます。

CYP3A4を強く阻害する薬物の併用により、ロナセン®/ブロナンセリンの作用が増強する可能性があります。

ロナセン®/ブロナンセリンの効果

ロナセン®/ブロナンセリンは、第一世代抗精神病薬や第二世代抗精神病薬を代表するハロペリドール、リスペリドンと匹敵する陽性症状改善作用と、ハロペリドールよりも優れた陰性症状改善効果を示すという報告があります。

統合失調症の方は、注意、記憶、実行機能などにおける認知機能の低下が出現することがありますが、ロナセン®/ブロナンセリンには、言語性記憶の即時および遅発再生の改善効果、注意、処理速度の改善効果といった認知機能障害に対する有効性も報告されています。

また、セロトニン5-HT2A受容体遮断作用と高い受容体選択性は、ハロペリドールに比べ錐体外路系症状や過鎮静が少ないこと、またリスペリドンと比較し、高プロラクチン血症、体重増加、食欲亢進、起立性低血圧等の副作用が少ないことに関係しています。

ロナセン®/ブロナンセリンの副作用

主な副作用には、振戦、動作緩慢、流涎過多、パーキンソン症候群、アカシジア、不眠、プロラクチンの上昇、ジスキネジア、眠気などの報告があります。

まとめ

ロナセン®/ブロナンセリンは第二世代(非定型)抗精神病薬に分類される、セロトニンとドパミンをブロックする作用に優れたお薬です。

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善させる効果や、意欲低下や感情鈍麻などの陰性症状への効果、特に認知機能の改善効果も報告されています。

ただし、パーキンソン症候群などの錐体外路症状や、高プロラクチン血症(乳汁分泌、生理不順等)などの副作用に注意が必要です。

【非定型抗精神病薬】エビリファイ®/アリピプラゾールとはどんな薬?

エビリファイ®/アリピプラゾールを処方された方へ

一般名

アリピプラゾール aripiprazole

製品名

エビリファイ

剤型

錠剤 1mg、3mg、6mg、12mg

OD錠 3mg、6mg、12mg、24mg

散剤 1%

内用液 0.1%

持続性水懸筋注 300mg、400mg

適応

①統合失調症

②双極性障害における躁症状の改善

③うつ病、うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合)

④小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

用法・用量

①1日6~12mgから開始し、6~24mgで維持します。1日1~2回に分けて内服します。1日最大30㎎までです。

②1日1回24㎎で開始し、1日12~24mgで維持します。1日最大30㎎までです。

③抗うつ薬と併用し、1日1回3㎎から開始します。増量幅は1日3㎎、1日量は最大で15㎎までとなります。

④開始量1日1回1㎎、維持量として1日1回1~15㎎内服します。増量幅は1日量として3㎎、1日量は15㎎を超えない量で使用します。

半減期

約65時間

エビリファイ®/アリピプラゾールの特徴

エビリファイ®/アリピプラゾールは大塚製薬によって1987年に作られました。キノリノンを骨格とする新しいタイプの抗精神病薬です。

ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を持っており、ドパミン作動性神経伝達が過剰活動状態の場合には、ドパミンD2受容体のアンタゴニストとして作用し、ドパミン作動性神経伝達が低下している場合には、ドパミンD2受容体のアゴニストとして作用します。

簡潔にいうと、ドパミンが多すぎる時は作用を減らす働きをして、ドパミンが少ない時は作用を助ける働きをするという感じです。

このような作用からドパミンシステムスタビライザー(DSS:dopamine system stablilizer)という分類にされています。

また、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用および、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用を併せもっており、統合失調症の陽性症状や陰性症状に対する有効性があり、錐体外路系の副作用が少ないのです。

他の抗精神病薬でみられる高プロラクチン血症がプロラクチン値が上昇しないという特徴もあります。

エビリファイ®/アリピプラゾールの薬理作用

エビリファイ®/アリピプラゾールはドパミンD2受容体部分アゴニスト作用に加えて、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用およびセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用を併せ持っています。

まだ、作用機序の解明は完全には、なされてはいませんが、これらの作用が症状を改善させていると考えられます。

Tmax(最高血中濃度到達時間)は1~6時間で、半減期は約65時間で、約2週間以内で定常状態に達します。

主に肝臓で代謝され、CYP3A4とCYP2D6によって脱水素化と水酸化され、CYP3A4によってN-脱アルキル化されます。

エビリファイ®/アリピプラゾールの効果

統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状を改善し、情動の平板化、受動的引きこもり、自閉、会話の自発性と流暢さの欠如、疎通性の障害などの陰性症状も改善させます。

また抑うつ気分や不安の改善効果も認められています。

他の抗精神病で出現しやすい高プロラクチン血症(乳汁分泌や生理不順がみられます)がみられないという特徴もあります。

また、躁うつ病の躁状態への効果、うつ病・うつ状態への追加使用による改善効果、小児期の自閉症スペクトラム症に伴う易刺激性への改善効果等、幅広い有効性と安全性が認められているお薬です。

エビリファイ®/アリピプラゾールの副作用

不眠、神経過敏、アカシジア(じっとしれいられないような感覚の副作用)、振戦、不安、食指不振、体重減少、筋強剛などの報告があります。

まとめ

エビリファイ®/アリピプラゾールはドパミンシステムスタビライザーというこれまでにない作用機序で効果を発揮する、抗精神病薬に分類される新しいタイプのお薬です。

統合失調症だけではなく、躁うつ病の躁状態、うつ病・うつ状態、小児自閉スペクトラム症の易怒性などさまざまな病態に幅広く効果が認められ、安全性が高いお薬として世界的にも多く使用されているお薬です。