メンタルクリニック、心療内科、精神科の受診の流れ

では、受診の流れを説明します。

メンタルクリニック、精神科、心療内科の受診の流れ

病院やクリニックを初めて受診する場合、基本的には初診としての予約が必要になります。

受診する際に”精神科”、”心療内科”、”メンタルクリニック”とありますが、精神科と、心療内科は医学的には厳密には違いますが、現在一般的にはどちらも精神科医が診察していることが多く、受診する際に特に区別しなくていいでしょう。ただし、依存症や発達障害など、診断や治療に専門性や施設設備が必要になる場合があるので、受診する前にホームページなどで、自分の症状にあいそうな病院、クリニックを探してみてもいいでしょう。

では、予約の際に受診の時に気を付けておくことを説明します。

①通院しやすさ、継続して受診できるところ。ただそれ以上に医師との相性。

家の近所であったり、通勤経路にあったり、よく利用する駅の近くであったり、心療内科、精神科は継続して通院する方がいいので、通院しやすいところを選ぶことは大切です。しかし、医師との相性はそれよりも大切で、少し遠くても自分に合った医師が見つかった場合は可能な限り同じ医師に通院する方がいいでしょう。

②病気によっては専門外来がある施設を選んだ方がいいことがある。

「人付き合いがうまくいかない」「大切なことを忘れる」「物事の順序立てができず、仕事(家事)がうまくできない」など発達障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)を調べたい、「夜寝ても日中ずっと眠い」など睡眠時無呼吸、ナルコレプシーを疑っている、「物忘れがひどい」など認知症を疑っている、「けいれん発作がある」(てんかん)を疑う、こういう場合はある程度の画像検査や心理検査も必要になりますので、対応可能な施設(多くは病院になりますが)を選んで受診する方がいいでしょう。よくわからないときは予約時に尋ねてみるといいです。また、「アルコール、ギャンブルがやめられない」などの依存症を疑う場合も、治療において薬物主体ではなく、断酒会などの利用が必要であったり、ある程度専門でやっているところの方が望ましいです。

ただ、初めの受診する段階で分からないことが多いでしょうから、まずは受診して相談するという形でも問題ありません。必要な場合は医師が紹介してくれることもあります。治療経過に疑問や不安を感じる場合はセカンドオピニオンや転院は可能ですので、相談されるといいでしょう。

※でもやっぱり一番大事なのは「信頼できる医師である」か、「相性が合う」かでしょうね。

治療においては自分自身が選手で、主治医がコーチみたいなものです。信じられるコーチのもとで自分のやるべきこと、方向性をはっきりさせていくことが大事でしょう。

具体的な受診の流れ

①原則本人が初診予約のための電話をします。

②予約の際、年齢、性別、主訴(困っていること)を聞かれることが多く答える。これまで違うところに通院している場合は紹介状が必要と言われることが多いです。主訴によっては専門にしている病院を案内させることがあります。

③予約が決定し、受診する。初回は問診票に、現在の困っていることや、これまでの経過、内科などの通院についてなど、簡単に記入します。希望する治療を書く欄があったり、書く内容はそれぞれの受診先で異なります。

④最初の診察は30分前後の場合が多いですが、クリニックの場合は、受付から診察をし、会計が終わるまではだいたい1時間~2時間くらいかかることが多いです。病院の場合は込み具合にもよりますが、だいたい半日は見ておいた方がいいでしょう。

⑤診察、検査が終わり、会計をして次回の予約をとったら終了です。

⑥料金は診察と検査と処方箋を含めて会計時に約3000~5000円、薬局でのお薬代が数百円から千円前後になることが多いです。検査の種類や薬の種類で多少変動します。

受診についての相談やその他利用できる機関

保健所、保健師への相談

自分が精神科、心療内科にはじめて受診する時や、受診中に困った時は、保健所の保健師に相談しましょう。
保健所では、そこに所属する精神科医に無料で相談できます。保健所では病状が急に悪くなった場合や自分自身や周りのひとに危害が及ぶような状態の救急対応の電話相談も可能です。

地域包括センターへの相談

認知症や高齢者の精神的な不調に関しても、市区町村が運営する地域包括センターに相談できます。

職場に勤務している場合は、勤務先の相談窓口から保健師や産業医に相談できます。保健師や産業医がいない場合は、産業保健推進センターの相談事業を利用しましょう。精神科医や心理士が相談に乗ってくれます。

法テラスへの相談

法律的な問題で困った場合は法テラス、借金問題を抱えている場合は市区町村の多重債務の相談窓口を利用しましょう。

女性支援センターへ相談する

家庭内での暴力問題などは、女性支援センターの相談窓口を利用しましょう。

保健室、保健管理センターに相談する

教育の場での問題は、担任や担当教官に加えて、保健室(大学の場合は保健管理センター)にまず相談しましょう。
また教育センターでの個別の対応もあります。長期間の不登校となっている場合、フリースクールや家庭への個別訪問学習等の利用も考慮されるでしょう。

 

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