摂食障害の治療【認知行動療法④】
毎回、摂食行動と毎日の課題の達成具合を食生活日誌で吟味します。
できないことが生じれば、それについて議論し、新しい戦略を明らかにしていき、時間単位で改めていきます。
日々の成功については小さなことでも自分自身で誉めましょう。
そして失敗から学び更なる前進をするように激励します。
過食や嘔吐の意味の吟味をする
過食の回数が減り間歇的になれば、過食を持続させる要因について明らかにしていきます。
過食が必ずしも悪い面ばかりもっているのではないのです。
それは嫌な考え方の中断、抑うつ気分の一時的解消、時間つぶし、睡眠導入、激しい摂食制限の一時中断、または自分を罰するためにとか、助けようとする人たちを困らせるために役立っています。
これらが過食のプラス面で過食を持続させてしまいます。
一方、嘔吐は過食後の腹部膨満を解消したり、食物の吸収を減らすために行われます。
また少数の人にとっては緊張やストレスの緩和になることがあります。
なぜ過食や嘔吐をするのか、自ら分かるように努めましょう。
またこれらをうまく妨げた時、その方法を食生活日誌に書きましょう。
家族の協力を得る
家族(親や配偶者)に本人の摂食行動という秘密を家族に明らかにさせ、治療内容をオープンにしましょう。
これは秘密にしているとか、欺いていることに伴う罪の意識を減少させてくれます。
家族の協力は本人自身が食生活の改善に向かって努力できる環境を作ることですが、家族を過度に巻き込まないように注意しましょう。あくまでも本人自らが変わらなければならないのです。
以上第1段階の治療になります。
第1段階の治療でうまくいかない場合、例えば過食の頻度は減少しているが、1日1回はしているなどの状態であっても、治療開始時より過食と嘔吐の回数の減少が持続している場合は第2段階の治療も導入します。
第2段階の体型や体重に対する認知の歪みを改める治療を適宜挿入し、第1段階の治療も継続します。
そして本人の日常生活に支障をきたさない程度に減少するまで継続します。
この関わりは数か月~数年に及ぶことも少なくありません。
この間、本人の試行錯誤を許容し、心の発達と成長を温かく見守ってもらえる環境が必要です。
事項はこちらです。→摂食障害の治療【認知行動療法⑤】