摂食障害の治療【認知行動療法⑤】

摂食障害の治療【認知行動療法⑤】

第2段階の治療

第1段階の治療をしながら第2段階の治療を挿入していきます。

第2段階の治療には具体的には以下のような治療を行います。

①問題解決訓練法

過食は不愉快な出来事や抑うつ気分が引き金になることが多いため、過食になるような状況や契機を明らかにし、これに対処する技能を高める必要があります。

これには問題解決訓練法が有用です。この技能を用いて問題が解決されるようになると、以前過食に導いた出来事が過食しないですむことになります。

問題解決訓練法

1.過食に導いた出来事を取り出してください

例えば、母親と口論したとか

2.解決方法をできるだけ多く列挙してください

例えば、なぜ口論したのか。母親が悪いからか

何が悪かったのか、自分の考えを主張できたのか

そこに居合わせなかったほうがよかったのか

話題をかえられなかったのか

他のことをすればよかったのか

3.それぞれの問題について、その実行可能性、現実性という点で検討してください

4.最上の方法を選んでください

5.具体的な各段階を検討してください

6.これを実行してください

7.実行した全経過を10点満点で評価してください

過食になる時のきっかけになるような出来事や不快な感情を列挙してください

その1つを取り上げて、問題解決を検討していきましょう

そしてこの問題解決法をできるだけ多く使うようにしましょう

②認知再構成法

異常な摂食行動に導いている体型や体重に関する歪んだ信念や価値観(肥満恐怖、やせ願望、やせていることは美しいなど)や摂食障害を持続させている思考、信念、信条(完全主義的傾向、二分割思考など)を明らかにし、これを変えていくことです。

1)歪んだ自動思考について

日常生活で過食したい衝動に駆られた時、食事を抜こうとしたとき、食事した時、体重測定の時、容姿について何か言われたときに生じた考えを記録してください。(認知療法トリプルカラム法でも良いです:トリプルカラム法

このようにして患者の歪んだ自動思考を意識化します。

例えば「私は食べ物に対する自制心を失っている。一度食べ出すと止まらない。もうどうでもよいとあきらめる。すぐに吐いてしまわないと太る。」などは摂食障害患者によくみられる自動思考です。

その他「私は太っている。体重を減らさねばならない。ダイエットしなければならない。また同じことをしてしまった。明日から過食を止めよう」なども多く認められます。

1-a)自動思考の意味の明確化

例えば「私が太っている」というのは、体重が重いことなのか、他人の目からみて太っているということなのか、などについて明らかにします。

1-b)その自動思考の妥当性を支持している根拠

例えば体重が少し増加して肥満したと考える場合、過去に体重増加により肥満したことがあることなどが支持する根拠となります。

1-c)その自動思考の妥当性を疑わせる根拠

体重が少し増加したのを太っていると思う場合、実際は少し増えただけで、肥満ではないことが反証となります。

この中で患者の二分割思考、選択的抽出、過度の一般化など、認知の歪みが明らかとなります。

1-d)自動思考に代わる現実的で妥当な結論を得る

現実場面で、今までの経過により得られた結論が、有効に機能することを確認すします。

2)歪んだ信念や価値観について

「やせは美しい、成功を意味する」「太ることは醜い、失敗を意味する」などに対してその意味を明確化して、その妥当性を支持する場合、疑わせる場合の真実と論拠を整理し、その信念や価値観を有している時の利害得失を考えさせ、妥当な結論を引き出します。

これらはスリムを礼賛する社会的風潮下ではなかなか変わり難いものがあります。

しかし繰り返して少しでも和らげることが肝要です。

事項はこちらです。→摂食障害の治療【認知行動療法⑥】

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