<自分の落ち込み度合いを評価する。>【認知療法②】
まずは認知療法の第一歩として、自分の落ち込みの評価を行いましょう。
とその前に、ここで大切なことですが、認知療法が適している場合と、そうでない場合があります。
認知療法はある程度、思考する力が保てている必要があります。
強い思い込みやそれに近い思考がある場合は、適していない状態があります。
まずはあなたの今の落ち込み度を点数化しましょう。
落ち込みを簡易的に評価するテストとしてCES-Dというものがあります。CES-Dの項目で、落ち込みを点数化してみましょう。
右の固定ページのCES-Dからも行けますが、下のリンクからも行けます。
http://lala-mentalclinic.com/ces-d/
お疲れ様でした。いかがでしたか。
CES-Dの結果が30点以下の方は、すぐに認知療法を開始されるのがいいでしょう。しかし、31点以上である場合はまずは心療内科、精神科、メンタルクリニックに受診される方がいいです。31点以上だと、症状のため、認知療法に取り組むことが困難な状態が予想されるからです。
ここで、うつ状態、うつ病の症状について、ごく簡単な説明をさせていただきます。
うつ状態、うつ病の症状
憂うつな気分、「今後何の楽しみもない」「何をやってもうまくいかない」というような悲観的な考えしか浮かばず、今までは楽しめていたものが楽しめなくなります。
自分が悪いような、周囲に迷惑をかけているような、申し訳なく、自分を責めたり、恨む気持ち。何か罰を受けているような気持ちがでてきます。
他の人より、自分が劣っている、存在している意味がないように感じ、
死にたくなる気持ちや、なぜか涙がでてくる、イライラすることが多くなる等もみられます。人と会いたくなく、笑えない、集中できず、ものごとを決められない、すぐに疲れる、眠れない、食欲がなく、体重が減ってきた、性的関心がなくなったといったような症状が、いくつかもしくは多くみられることがあります。
これらはうつ状態、うつ病で出てくる症状です。
また、うつ状態がひどくなると、貯金があるのに「明日食べるお金もない」、検査で何の異常もないのに、「重大な病気にかかっているに違いない、もうすぐ死ぬ」、何の犯罪も犯していないのに「重罪を犯しており、逮捕され、罰せられるに違いない」、職場で評価されているのに「俺は何の価値もない、生きている意味がない、迷惑をかけている」というような、事実とは異なる思い込みが、修正不可能な思考がでてくることもあります。
修正不可能となった事実と異なる認知を「妄想」といいます。妄想というと統合失調症のような病気を考えられるかもしれませんが、うつ状態、うつ病で、妄想が出現することはあります。
他に、動悸、ふるえ、発汗、吐き気、頭痛、胸の締め付けられる感じが続く、喉が詰まっているような感じが続く、過呼吸になる等の体の、症状も同時に見られることがあります。
このようにうつ状態がひどい状態では、妄想が出現したり、思考力、集中力が保てず、認知療法は困難となることが多いため、すぐに受診されることをお勧めします。
では次回は自分の感情の把握、理解についてです。