不眠症になる前に、不眠対策を

不眠症になる前に、不眠対策について具体的な方法をお伝えします

不眠の多くは不適切な生活習慣によって引き起こされます。

不適切な生活習慣とは

・就寝前のカフェイン摂取

・就寝前の喫煙

・アルコール摂取

・眠りを妨げる寝室環境(騒音や周囲の生活音、気温、湿度、照明器具、寝具など)

・パソコン操作などの交感神経活動を亢進させる要因や行為

・長時間の昼寝

・夕方の過眠

・眠くならないうちから床に就く

このような睡眠衛生が関係している不眠には、薬物療法だけではうまくいきません。

「不眠」と「不眠症」について

「不眠」は症状で、「不眠症」は治療すべき睡眠障害となります。

不眠と睡眠量は無関係です

長時間睡眠をとっても寝た気がしない人、短時間睡眠でも不眠を自覚しない人、睡眠ポリグラフという検査で客観的な睡眠指標の悪化がなくても不眠を訴える人、人によって様々です。

「不眠」とは

「不眠」とは主観的な症状で、眠りたいのに眠れず苦痛を感じている場合、日常の睡眠で休養できていないと感じている場合を不眠と呼びます。

頭痛や、湿疹と同じように、原因を検討せずにむやみにお薬を使い始めるのは危険です。

「不眠症」とは

不眠症とは主観的な不眠に、不眠による日中の倦怠感、意欲低下、集中困難、不安、社会的機能の低下などの生活機能障害が加わったものです。

不適切な睡眠習慣が慢性不眠症につながります。

不適切な睡眠習慣とは

長すぎる床上時間(ショウジョウジカン)

睡眠時間を上回って眠ることは不可能です。それにも関わらず、もっと寝たいという気持ちで布団の上で過ごし、それを眠れない、不眠と勘違いするのです。

必要な睡眠時間、床上時間は

10代後半から壮年期(40~65歳ころまで)の必要な床上時間は7~7.5時間です。

高齢者は6~7時間程度ですが、中途覚醒(夜中途中で起きること)が増えるため、床上時間は7~7.5時間になります。

加齢によって短縮します。また、睡眠不足によって増加します。

早すぎる入床時間・服薬時刻

一般的に、普段入眠している時間の2~4時間前は1日の中でもっとも入眠しにくい時間です。

そのため、その時間に寝付くのは困難ですが、その寝付けないことを不眠だと勘違いするのです。

床上時間が伸びたり、入床時刻・服薬時刻が早まる原因は

以下のことが原因で床上時間が伸びたり、入床時刻、服薬時刻が早まります。

・子供の独立や退職により、時間的余裕の発生

・健康のため、不眠への関心・気になりの増加

・入院や施設入所での消灯時間が早い生活リズムへの変化

睡眠衛生改善のために気を付けること

・アルコール、カフェイン、喫煙の三大嗜好品はすべて不眠の原因になります。寝酒や多量の晩酌はやめましょう。

・夕方以降のカフェイン摂取はやめましょう。

・夜遅くになってからの喫煙や、夜中途中起きた時の喫煙はやめましょう。

・寝室環境は自分が快適と思う環境にしましょう。

・冷暖房を適切に使用しましょう。

・夜遅くなってからの激しい運動や、熱いお風呂、ゲーム、インターネットなど、交感神経の亢進を刺激するようなことは控えましょう。

・不眠を自覚する場合は床上時間を最大7.5時間と設定し、これ以上長くしないようにしましょう。

・早くからお布団に入るのはやめましょう。だいたい決まった眠くなる時間に入床するようにしましょう。

・日々の適度な運動、運動習慣は不眠の改善に効果的です。

まとめ

睡眠衛生の改善をしないまま、睡眠薬に頼りすぎると、不眠に薬物乱用、薬物依存の問題まで加わる可能性があります。

正しい睡眠衛生の知識と、環境調整があって、初めて睡眠薬が適切に効果を発揮し、不眠が改善するのです。

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