【抗うつ薬】トレドミン®/ミルナシプラン塩酸塩とはどんな薬?【SNRI】

トレドミン®/ミルナシプラン塩酸塩を処方された方へ

一般名

ミルナシプラン塩酸塩 milnacipran hydrochloride

製品名

トレドミン

剤型

錠剤 12.5mg、15mg、25mg、50mg

後発品

ミルナシプラン塩酸塩

適応

①うつ病・うつ状態

用法・用量

1日25mgを初期用量とし、1日100㎎まで漸増し、1日2~3回に分けて内服します。

ただし、高齢者には1日25mgを初期用量とし、1日60㎎までとします。

半減期

約8時間

トレドミン®/ミルナシプラン塩酸塩の特徴

ミルナシプランは、フランスのピエール・ファーブル・メディカメン社で合成され、日本では、本邦初のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)として、1999年に承認され、2000年より薬価収載、発売されました。

SNRIはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と同様に、各種神経伝達物質受容体に対する親和性がほとんどないため、有害副作用が少なく、安全性の比較的高い薬剤です。

SSRIよりもSNRIの方が治療スペクトラムがより広く治療学的に有用であることを期待されていました。

しかし、実際の臨床場面では、他のSNRIに比べミルナシプランは治療効果が乏しい印象があるようです。

トレドミン®/ミルナシプランの薬理作用、薬物動態

Tmax(最高血中濃度到達時間)は約2~3時間で、半減期は約8時間です。

神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは、主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。

同様に、神経終末からシナプス間隙へ放出されたノルアドレナリンは主として神経終末に存在するノルアドレナリントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。

ミルナシプランは、イミプラミンなどの三環系抗うつ薬と同様に、セロトニンおよびノルアドレナリン両方の再取り込みを阻害することにより、シナプス間隙におけるこれらのモノアミン濃度を増加させます。

一方で、ミルナシプランは各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さず、モノアミン酸化酵素阻害作用も示しません。

そのため、従来の抗うつ薬に劣らない抗うつ効果を有しますが、日常生活で問題となるような有害な副作用は極めて弱いのです。

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際はミルナシプランの治療効果の発現にはおおむね10日から2週間が必要です。

トレドミン®/ミルナシプランのの適応症に対する効果

ミルナシプランの適応症として認可されているのはうつ病・うつ状態です。

メタアナライシスを用いた抗うつ薬臨床効果の比較では、ミルナシプランは三環系抗うつ薬とは有意な差は認めないものの、SSRIには優位に勝る抗うつ効果を有するという報告もあります。

しかし、ミルナシプランの充分量による治療にも低反応の方は存在し、ミルナシプランが必ずしも難治例に対して有効であるというわけではありません。

具体的にはSSRIやSNRIを充分量・充分な期間用いても、充分な抗うつ効果が得られなかった場合には、他のクラスの薬物への変更や、少量の抗精神病薬や情動調整薬を追加するという対策を検討する必要があります。

トレドミン®/ミルナシプランの注意点、副作用

高齢者の方は、血中濃度が上昇し、薬物の消失が遅延する傾向が認められており、使用する際は注意が必要です。

空腹時に服用すると、嘔気、嘔吐が強く出現する可能性があるので、空腹時の服用は避けた方がいいでしょう。

コントロ―ル不良の閉塞隅角緑内障の方には禁忌となっています。

ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、前立腺肥大症等で排尿困難のある方は、慎重に調整する必要があります。

肝障害や腎機能障害のある方では、高い血中濃度が維持する可能性がありますので、増量は慎重に注意が必要です。

小児等(低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児または15歳以上18歳未満の若年者に対する安全性は確立されていません。

一般的な副作用としては、口渇・悪心・嘔吐、便秘、眠気等が見られます。

また、不安、焦燥感、興奮、パニック症状、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、軽躁状態の出現等の報告もあります。

内服時は状態の変化を注意深く観察する必要があります。

トレドミン®/ミルナシプランの薬物相互作用

モミルナシプランは、フルボキサミンやパロキセチンなどのSSRIに比較して、肝薬物代謝酵素への影響は少ない薬剤です。

モノアミン酸化酵素阻害薬との併用により発汗、不穏、全身けいれん、異常高熱、昏睡等の症状が現れることが報告されており、併用禁忌となっています。

アルコールは中枢神経抑制作用を有しており、また他の抗うつ薬との併用にて相互に作用を増強する報告がされています。

バルビツール酸誘導体との併用にて相互に作用を増強する可能性も報告されています。

ミルナシプランのノルアドレナリン再取り込み阻害作用により、降圧薬クロニジン等の降圧薬の作用を減弱する可能性があり、観察が必要です。

まとめ

ミルナシプランはSSRIよりも治療スペクトラムがより広く治療学的に有用であることを期待されているSNRIに分類されるお薬で、うつ病、うつ状態への改善効果がみられます。

副作用も少なく、継続しやすいお薬ですが、ミルナシプランの充分量による治療にも低反応の方は存在し、ミルナシプランが必ずしも難治例に対して有効であるというわけではなく、治療効果が乏しい時には薬剤調整について主治医に相談しましょう。

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