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【睡眠薬】ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムとはどんな薬

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムを処方された方へ

一般名

ニトラゼパム nitrazepam

製品名

ネルボン®、ベンザリン®

剤型

ネルボン® 散 1%、錠剤 5mg、10mg

ベンザリン® 細粒1% 錠剤 2mg、5mg、10mg

後発品

ニトラゼパム

散 1%、細粒1%、錠剤2mg、5mg、10mg

適応

①不眠症

②麻酔前投薬

③異型小発作群(点頭てんかん、ミオクロヌス発作、失立発作等)、焦点性発作(焦点性痙攣発作、精神運動発作、自律神経発作等)

用法・用量

①不眠症:1日1回5㎎~10㎎就寝前

②麻酔前投薬:1回5~10㎎を手術前

③異型小発作群および焦点性発作:1日5~15㎎を適宜分けて内服

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合も原則禁忌となります。

半減期

約18~38時間

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムの特徴

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムは1967年に臨床に導入され使用されるようになり、診療内科だけでなく、様々な科で使用されてきた睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類されます。

内服後、約2時間で最高血中濃度に達します。

血中半減期は約18~38時間、平均25時間で、中間作用型睡眠薬です。

内服後、通常15~45分程度で入眠し、持続も約6~8時間と自然睡眠のサイクルに類似しています。

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムの薬理作用

大脳辺縁系(特に扁桃核、海馬)ならびに視床下部にその作用点があり、情動障害を取り除き覚醒賦活系への余剰刺激伝達を遮断して、睡眠状態に導くと考えられています。

自然睡眠に近い睡眠が得られます。

痙攣の抑制作用、静穏作用、筋弛緩作用も認められています。

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムの有効率

①不眠症

情動障害における睡眠障害に対して、入眠時間、睡眠持続時間、睡眠状態等への総合的な有効率は約73%との報告があります。

②麻酔前投薬

手術前後、手術への不安等からくる不眠、手術前緊張等に対しての有効率は約88%との報告があります。

③てんかん

異型小発作群、焦点性発作等のてんかんに対し、発作の減少、抑制に効果を認められています。

脳波所見ではhypsarrhythmiaの改善が認められています。

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムの副作用

ふらふら感約5.1%、残眠感約4.2%、倦怠感約3.6%、頭痛・頭重感約1.6%、めまい約0.3%などの報告があります。

まとめ

ネルボン®、ベンザリン®/ニトラゼパムは内服後20~30分前後で入眠ができ、自然の眠り近い6~8時間の睡眠の維持をサポートしてくれる睡眠薬です。

睡眠効果が強く、持続的な効果を期待できますが、依存に注意が必要であることと、翌日まで鎮静作用が残る持ち越し効果に注意する必要があります。

高齢者で使用する場合には転倒の危険性と、日中の傾眠の出現に注意が必要です。