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【安定剤】ワイパックス®/ロラゼパムとはどんな薬【抗不安薬】

ワイパックス/ロラゼパム を処方された方へ

一般名

ロラゼパム lorazepam

製品名

ワイパックス

剤型

錠剤 0.5mg、1mg

後発品

ロラゼパム 錠剤 0.5mg、1mg

適応

①神経症における不安・緊張・抑うつ

②心身症(高血圧症、消化器疾患、自律神経失調症)における身体症候・不安・緊張・抑うつ

用法・用量

1日1~3mg(1日2回~3回に分けて)

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

半減期

10~20時間

ワイパックス®/ロラゼパムの特徴

ベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類される、いわゆる安定剤です。

最高血中濃度は約2時間後であり、作用発現速度は中等度です。

血中半減期は10~20時間で、作用時間は短時間(中間型)に分類されます。

抗不安作用の力としては強い方の高力価に分類され、高力価短時間作用型です。

排泄半減期は約10時間と短めですが、分布蓄積量が少ないため、1回の投与で長く作用します。

緊急時、例えば不安時や不穏時の屯用での内服利用でも長めに効果が持続します。

反復投与をしても高濃度に達しないという特徴を持っています。

肝臓ミクロソーム酵素での代謝がなく、グルクロン酸抱合されるので、活性代謝物はないため、加齢や肝障害の影響をあまり受けません。

強力な抗不安作用をもち、鎮静作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用も中等度有しています、

そのため、躁病や精神病による興奮状態に対する鎮静にも効果的です。

ワイパックス®/ロラゼパムの薬理作用

作用機序は、抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜のベンゾジアゼピン受容体に、作動薬として高い親和性で結合し、GABA親和性増大によりGABAニューロンの作用を特異的に増強するものと考えられます。

ワイパックス®/ロラゼパムの有効率

神経症、自律神経失調症、心臓神経症に約50~60%の有効率が報告されています。

ワイパックス®/ロラゼパムの副作用

副作用は約11%で、眠気、めまい、ふらつき、頭重感、口渇、悪心・嘔吐が出現するとの報告がありますが少なめです。

まとめ

ワイパックス®/ロラゼパムは安定剤としての効果は強く、不安症状によく効きます。

鎮静効果も期待できます。

また、加齢や肝障害の影響を受けにくいため、高齢者や肝機能障害がある方にも調整しやすいお薬です。

その反面、依存に注意が必要であることと、お薬が切れる時にでる反跳性の不安の出現に注意する必要があります。