認知の歪みを知る! 【認知療法④】

<認知の歪み10種類を知ろう>【認知療法④】

認知の歪みとして下の10種類について知りましょう。

1)全か無か思考(二分法思考)

白か黒か、0100か、ものごとを極端に考える認知の歪みです。

不完全だらけの現実に、その極端な完璧主義を求めても、現実と折り合いがつかず、あなたの過大な要求水準は満たされず、自信のない、ストレスフルな状態を作り出しているのです。

例えば、少しのミスがあった場合でも完全な失敗と考えるような状態です。また、1人でも反対する人がいれば、それが許せない、というような場合です。

2)一般化のしすぎ

1つの良くない出来事を、自分の生活、人生において、全てそうだと決めつける認知の歪みです。

たまたま、良くないこと、うまくいかないことがあった時に「どうせ私の人生は何をやってもうまくいかない。」と一つの悪い出来事をを、人生すべてに悪い方向にあてはめて考えることです。

拒絶への不安、恐怖も一般化しすぎから生じます。

例えば、内向的で人付き合いが苦手な人が、勇気を振り絞って友人を食事に誘ったとします。その時たまたま友人に用事があって断られたとします。それに対して、「誰も自分と食事になんて行きたくないんだ。分かり合える友人なんてできるはずがない。自分は生涯孤独に生きていくんだ。」という認知から悲観的で絶望的なな感情が生じるのです。

3)心のフィルター(選択的抽象化)

たった1つの良くないことにこだわって、そればかりくよくよ考え、良いことも含め現実を見る目がよどんでしまっている状態です。

良いことも悪いこともある現実の、悪い部分しか見えなくなっている状態です。ある人が電車で高齢者に席をゆずる場面で、「他の近くの人たちは何で席をゆずらないんだ。世の中自己中心的な人たちばかりで、思いやりなんて偽善だ。」というように、良い部分が全く意識できなくなり、悪い部分ばかりが目につく認知の歪みです。

4)マイナス化思考

これは一つの錯覚で、何でもないことや、良い出来事さえも悪い出来事にすり替えてしまう事です。良いことを無視するだけでなく、正反対の悪い出来事に変えてしまうのです。例えば、仕事がうまくいったとします、すると「まぐれだ。次に何か悪いことが起こるに違いない。失敗のまえぶれだ。」と考えてしまう認知の歪みです。

5)結論の飛躍

i)心の読みすぎ

自分の憶測で、ものごとを悪い方向に考えてしまう認知の歪みです。自分で自分を苦しめて、さらに周囲との関係を悪化させてしまいます。

友人が不機嫌にしていると、「自分が何か悪いことを言ったに違いない。」と考えて、気まずい反応を取ってしまうような状態です。何かに集中している同僚に挨拶をして、気付かれず挨拶が返ってこない状況で、「自分のことを無視している。嫌われているに違いない。」と考えて、避けるようになるという状態です。

ii)先読みの誤り

現実的な未来を予測して、苦しむ認知の歪みです。先ほどの「心の読みすぎ」で、「自分のことを無視している。嫌われているに違いない。」と考えたのち、「自分が挨拶しても、嫌がられるに違いないと。」とさらに未来の出来事に対して考えます。これが、「先読みの誤り」の認知の歪みが生じている状態です。

6)拡大解釈(破滅化)と過小評価

自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価します。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃します。

小さな失敗をしても「またミスをしてしまった。これで評判がガタ落ちだ。」と失敗を拡大解釈している認知の歪みです。また、自分の良い部分があっても、取るに足らないものとして過小評価します。

7)感情的決めつけ

自分の感情をが、真実を証明する証拠として考える認知の歪みです。

「こう感じるんだから、それが本当の事実である」という考えです。

感情は認知から生じているのですが、感情を認知の証拠にしているのです。

例えば「自分は価値のない人間に感じる。だから自分の生きている意味はない。」というようにマイナスの感情に基づき、ものごと決めつけているのです。

8)すべき思考

ものごとをいつも「~すべきだ」「~しなければならない」もしくは「~すべきではない」と考えてしまうことです。

その考え方が自分に向けば、常に必要以上のプレッシャーをかけている状態になり、自己嫌悪や、罪の意識を感じるようになります。その考え方が他人に向けば、怒りや、不満、不安の感情を感じるようになります。どちらにせよ、常にストレスとなる感情にさらされるようになるのです。

9)レッテル貼り

間違った認知に基づいて、完全にネガティブな自己イメージを創作してしまうことです。

一般化のしすぎが、さらに極端になったような状態で、例えば一つのミスをして、「全くのダメ人間だ」とレッテルを貼ります。ちょっと思い通りにならないことがあると「負け犬」「敗北者」等の感情的で偏見に満ちたレッテルを貼るのです。

10)個人化

良くない出来事を理由もなく自分のせいにして考えます。

部下の営業成績が悪いのを見て、「自分の指導が間違っている。自分のせいだ」と思い、子供の成績が悪いのを見て、「これは自分の責任だ、ダメ親だ」と考えます。

いかがでしたが、あなたが当てはまるものがありましたか。

では次回も、認知療法の旅を続けましょう。

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