自己評価を確立する! 【認知療法⑤】

 自己評価を確立しましょう。 【認知療法⑤】

不愉快な気分は、単にあなたがものごとを不愉快に考えているという事実を示しているにすぎないのです。

もちろん、悲しみや苦しみが生じる場面はあって当然ですし、それが悪いわけではありません。そのような感情を純粋に経験することは大切なことです。

あなたにとっての不合理で、歪んだ認知を正すことで、基本的な価値観が変化し、生産的に人生を送る能力が高まるのです。

抑うつな心の動きは、自己評価が低いところから起こるものです。

抑うつ的な人の8割以上は自己嫌悪を訴えます。

また、抑うつ的な人は知性、業績、人気、魅力、健康、などに関して周囲と比較して、自分が価値のなさを訴えます。

まずは自分の自己愛と自己評価を見直しましょう。

自己評価の見直し、自己価値観の獲得

では、どうしたら自己の価値観をえられるのでしょうか。

「自分は失敗ばかりして、何事もうまくいかないし、顔や容姿だって嫌いだ。」

認知療法の基本の一つは、自分は価値がないという感情に巻き込まれることを、阻止することです。

マイナスは自己イメージを系統的に再評価し、自己価値観が低くなる自動思考を修正していくのです。

ただ、うつ状態の時は、物事を理解、判断する力が低下しているので、ものごとをマイナスに認知していることで、自分自身が作り上げた幻想の地獄が、非常に強い説得力を持ってしまいます。場合によっては、薬物療法など通院を先に行ったり、併用した方がいい場合があります。

ある女性の精神科医が、うつ病になりました。彼女の完全主義的な傾向は、医師としての優秀な業績のみならず、私生活をも支配していたのです。出産し、仕事と育児・家事を両立させようと、週5日の精神科医としての勤務、子供の手造りのキャラ弁当、食事の準備、掃除、洗濯、習い事、地域・学校への行事参加を完璧にこなしていました。朝突然起きれなくなり、お弁当箱や、食器をみると吐き気がでるようになり、「自分の体調管理もできない私は医師として失格であり、妻として、母親としてもダメな人間だ。」と述べました。

完璧主義なすべき思考に支配され、全か無かの思考がもたらした不合理で自己破壊的な思考が彼女のうつ病を悪化させました。

トレーニングを積んだ優秀な精神科でさえ、思考の歪みに支配されるとうつ病まで陥ってしまうのです。

まずは自分の自動思考を知るためには、自分の思考、感情を言葉、文章にして表現するところからはじまります。

では先ほどの女性の精神科医の先生の訴えを聞いてみましょう。

自分の言葉を話すことや書くことで吐き出すことで、一時的に楽になることがあります。カタルシスの発散といいますが、一過性に気分の高揚をもたらすことがあります。

ただし、そこに認知の歪みがあった場合、治療者に指摘してもらわないと、あなた自身はその認知の歪みに気付かず、むしろ治療者もその考えに同意したと判断するでしょう。その結果、あなたは認知の歪みをさらに強化してしまうでしょう。

あなたの自己破壊的な考え方や行動パターンを実質上変えなければ、あなたはまたすぐに抑うつ状態へ戻ってしまうでしょう。

ただ、問題の本質を正しく指摘することは、反省を促すでしょうが、行動パターンまで変えることはできません。

「私は今まで多くのカウンセラーに会って、問題は私の完全主義と、不可能な理想の自分自身への強要だと言われました。また、この性格は強迫的で完全主義である母親から受け継いだことにも気づきました。母はきれいな部屋から、いくらでも汚いことを指摘できました。私はいつも母親を喜ばせようとしても、うまくいかず、一生懸命やればやるほどつらくなりました。カウンセラーはみんな「お母さんのように完全主義になるのをやめなさい」といいます。でも私だってやめたいのに、どうやってやめればいいんでしょうか?誰もその方法は教えてくれません。」

診療場面では、感情を吐き出して、その原因を考えて教えてもらえるでしょう。感情のカタルシスと洞察といいますが、それだけでは解決にならないのです。日常的にできる、単純で具体的な方法が必要なのです。それには練習が必要になりますが、努力は報われます。

では具体的な方法についてみていきましょう。

コメントを残す