妊婦とその家族が知っておくべきRSウイルス感染症

ある調査によれば妊婦のRSウイルス(RSV)の認知度はわずか2.4%と言われています。

インフルエンザや百日咳などは知っていると思いますが、「RSウイルス感染症」あなたはご存知でしょうか。

実は、妊婦の7割は名前を聞いたこともなく、3割の人は名前は聞いたことあるけれどどのような病気知らないようです。

ではなぜRSウイルスを知っておいたほうがいいのでしょうか。

RSV感染症が子供の命に関わる病気であり、その後長く影響する場合がある

ある報告によると、世界では人口10万人当たり5.3人、年間60万人の乳児がRSV感染によって命を落としているといわれています。

この数字は、百日咳と並び、生後6か月までの乳児にとって最も怖い感染症であるといえます。

にもかかわらず、百日咳は効いたことがあってもRSV感染症は聞いたことがないという人がほとんどです。

RSV感染症とは

RSV感染症とは、病原体であるRSウイルスに感染し、伝播することによって発症する呼吸器感染症です。

年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を繰り返し、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子供がRSウイルスの初感染を受けるといわれています。

RSVは通常冬に流行しますが、2011年は7月中から流行の兆しがみられており、今までインフルエンザとは流行のピークがずれることが多かったのですが、ここ数年では予測がつきにくく、流行が早まったり、インフルエンザと同時流行も考えられます。

RSV感染症の経過

まず、1歳までに約7割が感染し、初感染した乳児の3分の1が下気道感染を起こします。

急性期を超えても影響が残ってしまい、RSV細気管支炎で入院した子供は、その後2年間の入院率・死亡率が高いことが報告されています。

また、喘息のリスクが高くなることも報告されています。

3歳までにRSVウイルス感染症を起こした場合、反復性喘鳴などの影響が11歳ころまで残るという報告もあり、感染後の影響が長引く場合があるのです。

RSV感染症のリスク因子は、在胎週数38週未満で3.4倍といわれており、また、入院のリスクに関しては兄弟がいる場合は4倍、家庭内に喫煙する人がいれば5倍と言われています。

また、早産児や慢性呼吸器疾患、心疾患をもつ子供では重症しやすいといわれています。

RSV感染症の重症化を抑制するパリビズマブ

抗RSVモノクローナル抗体薬のパリビズマブはRSV感染症の重症化を抑制し、繰り返す喘鳴や将来の喘息を予防する効果を持つといわれています。

ただし、投与ができるのは、在胎36週未満の早産児や慢性呼吸器疾患、先天性心疾患を有する子供とされています。

RSV感染症を避けるためには

RSV感染症を避けるためには、兄弟に手洗い、うがいをさせること、人が集まる場所を避けるなどRSVへの暴露を避けるようにすることが大切です。

また、感染しても影響を軽減するために母体からの移行抗体を期待した「母乳育児」と「妊娠中のビタンミンD摂取」が推奨されています。

なぜなら、完全母乳栄養で母乳期間の長い子供は、RSV感染症の重症化が低いという報告があり、また、ビタミンD欠乏の子供が将来の喘鳴との関連が指摘されているためです。

まとめ

誰もが感染しているRSウイルスの子供の初感染による、呼吸器症状を知っておくことが大切で、在胎36週未満の早産の子供さんや、呼吸器疾患、心疾患がある場合はパリビズマブについて主治医に相談しましょう。

【小児喘息】喘息と食事療法


以前より小児喘息の改善には食事療法が期待されるといわれています。

地中海食に加え、良質な脂肪が豊富に含まれる、イワシ、サケ、マスなどの魚を摂取することで、喘息の子供の気道炎症が改善したとするランダム化比較試験の結果が報告されています。

その報告では”健康的な食事に魚を加えることで、小児喘息の症状を軽減できる可能性がある」と発表しています。

脂肪が多い魚にはω-3脂肪酸が豊富に含まれており、そのω-3脂肪酸の抗炎症作用や免疫調節作用が小児喘息の改善に関係していると考えられています。

ギリシャでの単施設ランダム化比較試験

報告では、ギリシャの首都アテネに住む5~12歳の軽症喘息の小児64人(男児52%、女児48%)を対象に研究されています。

半数をギリシャでよく食されている地中海食と、その一部として調理した高脂肪の魚(150g以上)を週2回摂取する群(魚+地中海食群)に、残る半数を通常の食事を摂取する群(対照群)にランダムに割り付けました。

肺機能はスパイロメトリーという検査で評価し、気管支の炎症は呼気中一酸化窒素濃度の測定値に基づき評価されています。

呼気中の一酸化炭素濃度が14ppb低下

年齢、性別、BMI(ボディマスインデックス)、身体活動レベルで調整して解析した結果、6か月後の試験終了時点で、魚+地中海食群では呼気中一酸化炭素能動が約14ppb低下し、対照群と比較し有意に気管支の炎症が軽減したことが分かりました。

(国際的なガイドラインでは呼気中一酸化炭素濃度が10ppb以上低下した場合に、有意な治療効果があったと解釈することが推奨されています)

一方で、肺機能や喘息コントロール、QOLスコアに関しては有意な変化は認められませんでした。

今回の研究結果から、高脂肪の魚の摂取が、小児喘息の改善に有効である可能性があり、脂肪や糖分、塩分が多く含まれる食事は小児喘息の発症や進行に影響するといわれており、健康的な食習慣を意識することが喘息の症状を管理できる可能性が示されました。

まとめ

植物由来の食品と脂肪を多く含む魚を組み合わせた伝統的な地中海食を日常の食事に取り入れることで、小児の喘息の症状を軽減出来る可能性があります。

【キレる】衝動制御の障害【病気?】

すぐキレる、暴れる人たち、子供たち。

些細なことで、キレてしまう、暴れてしまう人たちがいます。

その中には、すぐキレてしまう、暴れてしまうことを凄く後悔し、会社、家庭内などの人間関係がうまくいかず、そのことに苦しんでいる人たちもいます。

ではすぐキレることや暴れることに関して、精神医学的にはどのような見方をするのでしょうか。

病気としての位置づけ~間欠性爆発性障害~

攻撃的衝動に抵抗できずに、ひどい暴力行為または所有物を破壊してしまうという病態がみられます。

実際の外来診療では「ダメだと分かっているのに怒りを抑えられない。その後凄く後悔する。」ということがお困りで受診される方がいます。

攻撃性は、その病態を引き出す誘因になったであろうストレスと比較しても、はなはだしく不釣り合いに突出していることが多いのです。

間欠性爆発性障害の方が発作または突然の発症と述べる症状は、数分または数時間のうちに現れて、持続時間に関係なく自然にまたは速やかに軽減します。

それぞれの問題行動の後に、心から後悔して自責の念を示し、表面化した衝動性や攻撃性の徴候は、この間には消失します。

ただし、統合失調症や反社会性または境界性人格障害、ADHD、行為障害、物質中毒による制御不能の人たちには間欠性爆発性障害の診断はつかないことになっています。

原因

衝動制御の障害においては、精神力動的因子、心理社会的因子、そして生物学的因子のすべてが重要な役割を果たしています。

疲労や、ストレス、心的外傷は衝動制御に対する耐性を低下させます

爆発の噴出については、自己愛が傷つけられる出来事に対する防衛であるといわれています。

激怒を噴出させることで対人関係に距離ができ、それ以上に自己愛が傷つくことから守られるのです。

子供の衝動的な、または逸脱した行動は、根源的な母子関係を獲得しなおそうとする試みである場合があります。

子供の衝動行為は母親の愛情を得ようとするのをやめる行為と言うよりも、逆に母親の肯定や愛情を求める希望のようなものなのです。

衝動行為をする人は不安や罪の意識、抑うつ、他の苦痛となる感情を、行動によって抑制しようと試みますが、その行動によって一時的でも開放を得られることは難しく、うまくいきません。

心理社会的因子

衝動がコントロールできないことに因果関係のある心理社会的因子は、人生の早期の出来事と関係しています。

成長期の子供は、例えば衝動制御の困難な親のような不適切な手本に同一化することがあります。

他には、家庭内暴力、アルコールの乱用、反社会的行為にさらされることなどが指摘されています。

生物学的因子

幼少期にADHD(注意欠陥/多動性障害)と診断された人の中には、青年期になっても衝動制御の症状が続く人がいると指摘されています。その場合は衝動制御の問題はADHDの症状の一つととらえられるでしょう。

精神遅滞、てんかん、脳器質性疾患などが、衝動制御が困難な症状に関係していることがあります。

経過と予後

間欠性爆発性障害は人生のどの時期でも起こりますが、青年期後期と成人期初期の間で生じることが多いとされています。

発症は突然であることも、潜行性であることもあり、経過は一時的であることも慢性的であることもある。

多くの場合、中年になるとその激しさは減ることが多いと言われていますが、脳梗塞やてんかん、認知症などの合併で、さらに激しい状態になることがあります。

治療

薬物療法と精神療法を組み合わせた取り組みが、効果的とされています。

しかし、間欠性爆発性障害の方に対する精神療法は、怒りの爆発性を引き起こし難しくなることもあります。

特に思春期や青年期の間欠性爆発性障害の方には、集団療法や家族療法が有効である場合があります。

治療の目標は、衝動がどのようにして爆発に至るのかその思考や感情を認識させ、行動を起こす代わりに言語で表現させることです。

薬物療法としては、抗てんかん薬が長く使用されてきましたが、結果は一定しません。

リチウム(リーマス)は一般に攻撃的行動を低下させるのに有効です。

また、カルバマゼピン(テグレトール)、バルプロ酸(デパケン)、フェニトイン(アレビアチン)も有効と言われています。

ベンゾジアゼピン系(安定剤など)は時に使用されますが、制御不能の奇異反応を生じることがあります。

抗精神病薬や三環系抗うつ薬が有効な場合もありますが、そのような時は、統合失調症や気分障害を疑うことも大切です。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やトラゾドン(デジレル)なども衝動性や攻撃性を低下させるのに有効なこともあります。

プロプラノロール(インデラル)やその他βアドレナリン受容体拮抗薬、カルシウムチャネル阻害薬も時に有効な場合があります。

子供の爆発性について

子供は傷つけられることに対応する防衛反応として爆発性がみられることがあります。

子供は否定される場面が多かったり、理不尽に怒られたり、傷つけられる言葉が続くと爆発性が見られるようになる事があります。

子供へ対応する際に自分自身の自己愛の問題が隠れていないのか考えてみると良いかもしれません。

子育てという親子の相互作用において、子供を愛する「対象愛」よりもあなた自身への「自己愛」に偏重し、自分の必要や情緒的ニーズを満たすことが優先されてはいると、子供を怒鳴ったり、責める場面が増えていきます。

もし、思い当たることがあれば、カウンセリングでも良いですので、早めに受診して相談してみてはいかがでしょうか。

【うつ】うつ病と食事療法【薬を飲みたくない】

うつ病への食事療法

うつ病と栄養

うつ病は心の風邪と言われますが、実際は脳の働きが悪くなっている状態で、うつ病=脳の不調なのです。

うつ病は一般的には休養、薬物療法、精神療法、環境調整などそれぞれの人にあった治療アプローチが必要ですが、うつ病全ての人において同一に必要なのが栄養管理です。

脳の働きに関わる脳内伝達物質もさまざまな栄養素を必要とします。

そのため、うつ病を治療するためには最低限の栄養バランスの維持が必要不可欠となります。

例えば、うつ病の病態に関わるノルアドレナリンやドーパミン、セロトニンなどの脳内伝達物質も元となるチロシン、トリプトファンなどのアミノ酸から作られています。

チロシンは肉類(鶏肉、牛肉、羊肉など)、カツオ節、タケノコ、牛乳、卵黄、ピーナッツ、アーモンド、バナンなどから効率的に摂取できます。

また、トリプトファンも上記食材に加え、大豆、のり、ごま、マグロ、チーズなどから摂取できます。

それぞれの栄養素の欠乏と摂取しやすい食物

栄養素 欠乏時の症状 含まれる食物
ビタミンB1 集中困難 豚肉、玄米、のり、タラコ、未精製の植物類
ナイアシン 抑うつ気分 魚介類、未精製の植物類
パントテン酸 ストレス脆弱性 肉類、魚介類、未精製の植物類
ビタミンB6 イライラ、抑うつ気分 未加工・未精製の植物類、魚介類、バナナ、プルーン
葉酸 イライラ、抑うつ気分 ホウレンソウ、葉野菜、レバー、大豆
ビタミンB12 イライラ、抑うつ気分 肉類、魚介類、レバー、イクラ、ウニ
ビタミンC イライラ、抑うつ気分 イチゴ、柑橘類
マグネシウム 不眠、イライラ、抑うつ気分 緑色の葉野菜、ナッツ、種子
抑うつ気分、不安、意欲低下 赤身の魚・肉
亜鉛 抑うつ気分 不安、意欲低下 カキ、ナッツ類、穀物の種子

飲酒と栄養不足に注意

飲酒時に摂るべきビタミンB1、ビタミンC、ナイアシン

アルコールは分解するときにビタミンB1が消費されますが、さらにアルコール自体がビタミンB1の体内への吸収を妨げ、不足しがちになります。

ビタミンB1欠乏状態が続くと、脚気やウェルニッケ脳症といった深刻な状態が出現するので注意が必要です。

また、アルコールの二日酔いで頭痛や吐き気を体験されたことのある人は多いと思いますが、その不快な症状はアルコールの分解経過にみられるアセトアルデヒドという物質の影響で起こります。このアセトアルデヒドを分解するのにビタミンCやナイアシンが活躍するため、飲酒時は積極的に補充しましょう。

ビタミンCは喫煙でも消費され、タバコ1本で体内のビタミンCが25mgも消費されると言われています。

鉄分の不足に要注意

鉄はもっとも不足しやすいミネラルの一つで、月経のある女性では特に不足しがちで、日本人女性の4割が鉄不足という状態です。

鉄不足の症状

鉄の不足によって、頭痛、顔色が悪い、疲労感、イライラ、意欲低下などの症状が出現します。

鉄の最大の役割は、赤血球中のヘモグロビンというタンパク質の成分となって、酸素を全身に運ぶのを助けています。

また、肝臓は体外から入ってきた毒物を解毒する働きがあり、そのときP-450という酵素が活躍しますが、P-450も鉄を多く含んでいます。

このように鉄不足は体のエネルギー不足と解毒がすすまないことから、自律神経の乱れや体調不良を引き起こすのです。

食べ物に含まれる鉄分には、大きく分けてヘム鉄とノンヘム鉄の2種類があります。

ヘム鉄は肉や魚、卵などの動物性の食物に多く、吸収率も約30%もありいいとされています。

ノンヘム鉄のは野菜に多く含まれますが、ノンヘム鉄の吸収は一緒に食べた食べものの影響を受けやすく、吸収率は数%とかなり少なくなる場合もあります。

鉄の摂取を補う食物

ヘム鉄は赤身の肉やレバー、サンマ、カツオ、マグロといった赤身の魚や、血合いの部分に多く含まれています。赤身の肉や魚を多く食べるといいでしょう。

野菜の中では、パセリ、豆類、かぼちゃの種などに多く含まれていますが、前述した吸収されにくいノンヘム鉄です。

ただし、ノンヘム鉄はビタミンCやクエン酸と摂取することで吸収率が上がるため、オレンジジュースなどビタミンCやクエン酸を多く含む食物と一緒に食べると良いでしょう。

亜鉛不足に要注意

亜鉛は全ての細胞にあり、100種類以上の酵素の化学反応に関与しています。

それだけ重要な亜鉛ですが、不足しやすいため身体的、精神的にもっとも頻繁に影響を及ぼします。

亜鉛が不足する理由

現代の食事では、高度に精製された減量を使用して作られたインスタント食品、白パン、菓子パン、ケーキ、砂糖などを摂取する機会と摂取量がふえています。

原料を高度に精製する課程で、亜鉛などの微量栄養素が取り除かれてしまいます。

さらに、亜鉛と結合し、不溶化することで腸管からの吸収を妨げているフェチン酸という物質があります。フェチン酸はパンやインスタント食品に大量に含まれているのです。

亜鉛の重要性

神経細胞や、伝達物質や性ホルモンなどをつくる化学反応に亜鉛は欠かせません。

そのため、亜鉛が不足すると、脳の発育、性的な発達に影響がでるだけでなく、食思不振、味覚異常、嗅覚異常、イライラ、疲労感、集中困難、抑うつ気分などの症状も出現します。

亜鉛の摂取を補う食物

亜鉛はナッツ類、穀物の種子、肉類や魚介類に豊富に含まれます。特にカキには100g(約カキ1個)あたり13mgの亜鉛が含まれています。

タウリンの働き

GABA(ギャバ)と性質が似ていて、脳の興奮やイライラを抑えてくれるのがタウリンです。タウリンはアミノ酸の一つで、人の体内でも作られるため、必須アミノ酸(体内で作れないアミノ酸)には分類されていません。しかし、体内では必要としている量の10%も作ることができないため、結局食べ物から摂取しなければなりません。

タウリンはコレステロール値を低下させ、心疾患のリスクを軽減し、高血圧を抑え、脳の過剰な興奮を抑える働きがあります。

タウリンは体内ではシステインやメチオニンといった含硫アミノ酸から作られますが、この時に重要な働きをするのはビタミンB6です。そのため、ビタミンB6不足はそのままタウリン不足に繋がります。

ビタミンB6含有量の多い、肉類、魚介類、納豆、キャベツ、バナナ、酵母などに多く含まれます。

タウリンは、サザエ、イカ、カキ、マグロ、カニ、タイ、タコ、イワシなどの魚介類に多く含まれます

タウリンは熱では壊れず、水に良く溶けるため、魚介類の鍋物の汁から効率よく摂取できます。

抗うつ作用のあるメチオニン

必須アミノ酸の1つであるメチオニンには、気分を高める効果があるといわれています。

メチオニンはビタミンB12の作用により、ATPというエネルギー物質と結合し、S-アデノシルメチオニンという物質に変化します。

アメリカではS-アデノシルメチオニンは抗うつサプリメントとして販売されており、ベストセラー商品になっています。

S-アデノシルメチオニンを内服すると脳内でのセロトニンレベルが高まることが確認されています。

メチオニンとビタミンB12の豊富な食べ物を食べることで、脳内でS-アデノシルメチオニンは作られるのです。

メチオニンを多く含んだ食べ物

大豆、ごま、ヒマワリの種、カシューナッツ、シラス干し、カツオ節、マグロ、ヒラメ、キンメダイなどの魚介類です。

ビタミンB12は、肉類(特にレバーと腎臓)、魚介類(アンコウの肝、スジコ、タラコ、カズノコ、アサリ、カキ、ハマグリ、シジミなど)、鶏卵、乳製品に多く含まれます。

特にシジミの味噌汁にはビタミンB12が多く含まれておりおすすめです。

【レキサルティ®】抗精神病薬と死亡報告【ゼプリオン®】

抗精神病薬と突然死について

2013年11月に市販開始された、持効性注射製剤で抗精神病薬であるゼプリオンですが、2016年1月までに80名を超える死亡例が報告されました。

レキサルティも新しい抗精神病薬として、平成30年4月に薬価収載され発売されました。

そして、そのレキサルティを使用された方においても死亡例が報告されました。

ではゼプリオンやレキサルティの死亡リスクとの関係はどういう見方をすればいいのでしょうか。

抗精神病薬投与後の死亡リスクへの影響と要因

お薬の副作用とは

まず、副作用とはなんでしょうか。

薬の作用の中で治療に必要な作用を主作用、それ以外の作用を副作用といいます。

薬は添付文書上に記載されている通常の用法・用量でも、避けられない副作用をもっています。薬の有効性については、主作用と副作用のバランスにおいて考えます。

風邪薬や花粉症の薬の眠気や、鎮痛剤の胃腸症状などの副作用は皆さんもご存じではないでしょうか。

時に、重度な健康被害をもたらしたり、生命に関わる副作用が出現することもあります。

抗精神病薬と統合失調症における突然死

ある研究によれば、統合失調症の方の平均寿命は一般人口と比べて10~25年程短いと言われており、その要因として心臓突然死である可能性が高いと言われています。

1950年頃より統合失調症の方の突然死が多く報告されるようになり、原因として気道閉塞や窒息、身体疾患の潜在化、抗精神病薬に関連すると思われる心臓伝達系障害、そして、冠動脈疾患、心筋梗塞などが考えられました。

ここ最近でも、抗精神病薬服用中の方における心臓突然死リスクの増加についてについての検討がされていますが、QTc延長、Torsades de Pointes等との関係への指摘はありますが、はっきりとした答えは出ていません。

統合失調症で入院中に突然死された方の解剖報告では、突然死の60~70%は心血管系疾患(全体の50~60%は心筋梗塞)、10~20%は呼吸器系疾患で、原因不明が10%という報告があります。この原因不明の一部に心臓の伝導系障害による死亡の方が含まれているのかもしれません。

統合失調症の方の突然死リスクを減らすためには適切なモニタリングと身体治療が必要ですが、喫煙、高血圧、高血糖、運動不足、肥満、脂質異常は突然死リスクを高める可能性が指摘されています。

また、多剤大量処方も突然死や死亡リスクに影響していると言われています。

・薬剤の直接的要因

心臓伝導系障害による突然死の可能性

・薬剤の間接的要因

気道閉塞、窒息、肺塞栓症、肺炎、心筋梗塞を含む心疾患、身体疾患の潜在化

それぞれの抗精神病薬の突然死との関係について

今回レキサルティの死亡報告もでていますが、薬理特性や服用開始時の血中濃度変化から考えると、仮にゼプリオンが薬剤の直接的要因である心臓伝導系障害による突然死に影響をしていたとしても、レキサルティが同様の突然死をもたらすほどの直接的な影響を与えている可能性は低く、多剤大量投与が関係していたり、他の身体的疾患の要因があったのかを注意深く観察し、実際のリスクを見極めていく必要があると思われます。

もちろん薬剤性の突然死は避けなければならないことですが、死亡例が出たことだけに注目が集まり、治療有効性の高い薬剤の選択肢が減ることは、治療する医療者も、治療される方にとっても避けたいことではないでしょうか。

ようやく日本においても、抗精神病薬の多剤大量投与を可能な限り回避するとともに、ベンゾジアゼピン系の漫然投与も控えるような配慮がなされることが重要視されるようになっており、統合失調症の方の生命予後をあげる取り組みが今後も続けられることを願います。

【手汗】自律神経失調症と漢方治療【痛み】

ストレスと痛みの関係は昔から報告があり、痛みに自律神経、特に交感神経が深く関わっていることが分かっています。

交感神経が異常に興奮する状態はさまざまな要因で起ります。

環境、気圧、気温、体長、気質、性格など人それぞれでその緊張の様相が違います。

自律神経失調症状と漢方治療

抑肝散

抑肝散を使用すると頭痛、腰痛などのいろいろな痛みが軽減するという報告があります。

抑肝散には下降性抑制系の賦活作用があり、情動安定化作用と相まって、交感神経系の緊張を緩和すると考えられています。

親や教師、いじめてくる同級生に言い返せない子供や、上司や職場の同僚に歯向かえないような弱い立場の方達の抑圧された怒りが「痛み」として表現されていることが多いのです。

怒りが交感神経を絶えず緊張させ、不眠や消化管の失調の原因となり、痛む場所の筋肉の過緊張や循環障害を生じているのです。

四逆散

四逆散は抑肝散証にみられるような「内なる怒り」というよりは、真面目な性格だからこそ、様々なストレスが、各種の臓器の失調症状として現れるような場合に適しています。

四逆散は「傷寒論」に記載されている漢方薬で、その条文でも自律神経失調症の様相が述べられています。

四逆散が良く効く人

四肢末端が冷たい人

なにかあると咳が出る人

動悸がする人

小便が出にくい人

お腹が痛くなりやすく、すぐ下痢をする人

過敏性腸症候群のような腹痛・下痢、動悸、咳、神経因性膀胱のような排尿異常、原因不明の蕁麻疹、頭痛などに効果が期待できます。

四逆散証の人のひらは冷たく湿っていることが多く、交感神経の緊張が強い影響です。

哺乳類は危険を感じたときに逃げるために、手のひらに汗を分泌させて木に登りやすくする本能的な防衛反応の1つと考えられています。

手のひらだけではなく、全身の皮膚血管も収縮し、身体の表面の血流が低下し、熱の放散が減少します。そのため、体の中に熱がこもり、舌苔が熱せられ、黄色味を帯びてきます。

中学受験に向けて日々頑張っている10代の真面目なお子さんで、頭痛や手汗、腹痛、軟便等で困っているような場合にも効果的な場合が多いです。

チックとは。家族が知っておくこと【チック症】

チック症とは

チック障害とは、本人の意志とは関係なく、突然体が動いたり、声が出たりすることが一定期間続く障害です。

多くは、児童期から青年期に発症します。自分で症状をコントロールすることは難しいものの、意識的に抑えられる場合もあります。

わざとやっている訳ではありません。しかし、いくらかコントロールできるようになる可能性があります。

チックの種類

チックには「運動性チック」と「音声チック」があります。

さらに持続時間の長さによって「単純型」と「複雑型」に分けられます。

単純運動チック

まばたや、首をふる、肩をすくめる、しかめ顔など

単純音声チック

せきばらい、吠える、鼻をすする、シューなど特殊な音を出す、寄生をあげる

複雑運動チック

自分を叩いたり、飛んだり跳ねたりする、顔の表情をかえる、触る、臭いをかぐ

複雑音声チック

状況に合わない言葉、汚言症など(わいせつな言葉、社会に受け入れらない言葉)、特定の言葉や、自分の発した音や単語を繰り返す(同語反復)

トゥレット症候群

運動チックと音声チックの両方が慢性的にみられます

チック症の疫学

チック障害は児童期から青年期の子供に多くみられますが、多くは一過性です。

トゥレット症候群の推定有病率は、学童期の子供で1000人あたり3~8人と言われています。

男性のほうが女性より多く、男性は女性の約2~4倍と言われています。

チック症の経過

チック障害は、通常4~6歳の間に発症し、10~12歳の頃に症状が重くなり、青年期になると症状が軽くなるという経過をとることが多いです。

少数ですが、大人になっても重度のまま続いたり、悪化する場合があります。

チック症の原因

気質要因

チック障害の症状は不安、興奮、疲労によって悪化しやすく、落着いているときや集中しているときは改善します。

学校や仕事では意識的に我慢していることも多く、集中している時であり、症状は少なく、放課後や帰宅後に症状が増えることは多く見られます。

生理前、テストや発表の時や、行事に参加するときなどは、しばしば悪化します。

遺伝要因

チック障害の遺伝的な要因は様々な研究から可能性を示唆されています。

出産時の合併症、父親の高年齢、低出生体重、妊娠中の母親の喫煙がチックの重症度の悪化に関連していると言われています。

チック症の予後

自然の経過として、部位、種類、頻度が変動したり、軽快や憎悪を繰り返したりします。

併発しやすい疾患

強迫性障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)、学習障害を併発することがあります。

また、吃音症、抜毛症、身体醜形障害、摂食障害、自閉症スペクトラム障害併存していることもあります。

不安やパニック症状、うつ状態、不眠もしばしば見られます。

チック症の治療

精神療法

精神療法は、チックによって二次的に引き起こされる情緒的な問題の治療に効果が期待できます。

行動療法

特に習慣反転治療が効果的とされています。

薬物療法

よほど重度で生活に支障を来していない限り、薬物療法はすすめられませんが、一般的には抗精神病薬が使用されます。

家族が知っておくこと

チックは運動を調整する脳機能の特性やなりやすさが基盤にあり、親の育て方や本人の性格に問題があって起こるのではありません。

チックの変動性や経過の特徴を理解し、些細な変化で一喜一憂しないようにしましょう。

チックを悪化させる可能性のある状況や要因があれば、その対応を整理、検討しましょう。

チック自体を本人の特性の一つとして受け入れられるといいでしょう。

チックのみにとらわれず、長所も含めた本人全体を考えて対応しましょう。

チックや併発症及びそれに伴う困難を抱えつつも本人ができそうな目標を立て、それに向かって努力することを勧め、サポートしましょう。

【あがり症】社会不安障害(SAD)とはどんな病気?【社会恐怖】

社会不安障害とはどんな病気か

社会不安障害は社会恐怖ともいわれますが、そもそも恐怖症とはどういうもでしょうか。

恐怖症という言葉は、特定の物や環境や状況に対する過度の恐怖をさします。

その中でも社会恐怖というのは、当惑させられるような状況への強い持続的な恐怖です。

例えば、大勢の人の前で話すこと、公衆トイレで小水をすること、デートで会話することなどの場面で、屈辱的なことや当惑させられるようなことが起こるのではないかという過剰な恐怖を抱きます。

社会恐怖が全般化すると、不安から意欲が低下して、何をするのも億劫になり、外出することすら避けるような状態が見られることもあります。

引きこもりの方で、実は重度の社会不安障害が見られていることもあります。

社会不安障害の疫学

社会不安障害の生涯有病率は3~13%と報告されています。

男性より女性に多く発症すると言われていますが、実際の臨床では男性の方が多く受診されています。その理由ははっきりしていませんが、状況反応性に支障を来す場面が男性の方が多いのかもしれません。

社会不安障害の発症の好発年齢は10代ですが、多くは5~35歳で発症します。

社会不安障害の病因

社会不安障害にはさまざまなタイプがあり、それらの詳細な原因はそれぞれ異なると考えられています。

生物学的要因と遺伝的要因、さらには環境における出来事相互作用によるものなどさまざまな要因が影響しあい発症の要因になります。

ある研究によれば、パニック障害の親をもつ子供において、成長とともに人前に出ることを酷く躊躇するようになる素因を持つ子供がいるという報告があります。

社会不安障害の子供の親は、他の親よりも子供に対して無頓着で拒否的で、かつ過保護になりやすいという傾向がみられますが、小児期に行動抑制をしめしやすい要因になっている可能性が指摘されます。

神経科学的要因についても指摘されており、アドレナリン仮説、ドパミン系の活動が関与した仮説が示されています。

つまり、社会不安障害の方は、刺激に対して中枢性及び末梢性にノルエピネフリンやエピネフリンが過剰に分泌されやすい傾向、アドレナリン刺激に過敏である傾向があるということです。また、ドパミン系の機能障害が起こっているということです。

遺伝的要因

社会不安障害の人の第1親族は、健常な人の第1親族の約3

、社会不安障害になりやすいとされています。

また、一卵性双生児では二卵性双生児より一致率が高いという報告もあります。

社会不安障害の診断

下記の項目に多く当てはまるようなら受診を検討してみてはいかがでしょうか。

・よく知らない人たちの前で、他人の注目を浴びるかもしれない状況がとても苦手である。

・そのような状況で、恥をかいたり、恥ずかしい思いをすることがすごく不安である。

・そのような人前や注目を浴びる状況になると、不安が誘発され、強い不安・緊張感、動悸、震え、発汗、パニック発作、泣く、かんしゃく、立ちすくむなどの症状がでる。

・そのような状況から逃げるために、ずる休みや、欠勤したり、嘘をつくことがある。

社会不安障害の経過と予後

社会不安障害は、小児期後半または青年期早期に発症することが多いとされおり、他の不安障害と同様に慢性の経過をとることが多いです。そのため、症状の特性をしり、治療しながらうまく付き合っていくことが大切です。

社会不安障害の治療

社会不安障害の治療には精神療法も薬物療法も有効であるといわれており、精神療法と薬物療法を併用するとどちらか一方だけの治療よりも良い結果がでるという報告があります。有効な薬物療法

1)選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI:selective serotonin reuptake inhibitor)

2)ベンゾジアゼピン系薬物

多くの医師はSSRIが第一選択薬であると考えています。ベンゾジアゼピン系のお薬ではアルプラゾラム(ソラナックス、コンスタン)、クロナゼパム(リボトリール)の有効性が報告されています。

状況反応性に不安が強まる場合には、人前や苦手な場面に出る前にアテノロール(テノーミン)25~50mg、やプロプラノロール(インデラル)10~20mgを1時間前に内服します。

認知行動療法、暴露的技法も有効であるとされています。

治療することで随分生活が楽になる方が多く、苦しみ続けている方は早めに受診されることをお勧めします。

【統合失調症】発達障害や精神疾患は遺伝するのか?【躁うつ病】

統合失調症の疫学、遺伝要因

統合失調症の疫学

統合失調症の生涯有病率は約1%と言われています。これは一生のうちに約100人に1人が統合失調症に罹患するということです。

また、統合失調症の年間発生率は、人口1万人に対して0.5~5人と言われています。

工業国の都市地域に生まれた人に発症しやすいなどの報告はありますが、統合失調症はあらゆる社会と地域でみられ、発生率および有病率は、世界中でほぼ同様です。

また、統合失調症の半数の方は治療を受けていないという報告もあります。

統合失調症と遺伝要因

多くの遺伝研究によると、統合失調症の遺伝性の可能性はあると示唆しています。

染色体の部位では5・11・8番染色体の長腕、19番染色体の短腕、そしてX染色体の関係が指摘されています。

その他、6,8番染色体および22番染色体の遺伝子座の報告もあります。

但し、遺伝だけで発症するわけではなく、ストレス-素因モデルという考え方が一般的に広く受け入れられています。

つまり、遺伝素因に基づく発症しやすさに、ストレス負荷が加わると発症するという仮説モデルです。

このように、現時点では統合失調症はさまざまな遺伝素因に基づくというのが妥当な考え方といえます。

特定人口における統合失調症の有病率

一般人口 約1%

統合失調症患者の兄弟、姉妹(双子ではない) 約8%

両親のどちらかが統合失調症の子供  約12%

統合失調症患者の二卵性双生児 約12%

両親がどちらも統合失調症の子供 約40%

統合失調症患者の一卵性双生児 約47%

気分障害(うつ病、躁うつ病)の疫学、遺伝要因

気分障害(うつ病、躁うつ病)の疫学

うつ病はありふれた疾患であり、生涯有病率は約15%で、男性で約10%、女性では約25%にものぼるといわれています。

躁うつ病(双極I型障害)は、うつ病ほど多くなく、生涯有病率は約1%と言われています。

うつ病は心理社会的影響が大きく関わっており、遺伝以外の要因の影響が大きいと考えられています。

うつ病よりも躁うつ病の方が遺伝要因のが関与が大きいと考えられています。

躁うつ病と遺伝要因

双極I型障害の患者の第1度親族者が双極I型障害である割合は、対照群と比べて8~18

であり、うつ病である割合は、2~10倍になるとも言われています。

また、うつ病の患者の第1度親族者は、対照群と比べて、1.5~2.5倍双極I型障害に罹患しやすく、2~3倍うつ病に罹患しやすいとの報告があります。

一卵性双生児における双極I型障害の一致率は33~90%といわれています。

一卵性双生児におけるうつ病の一致率は約50%といわれています。

二卵性双生児における双極I型障害の一致率は約5~25%といわれています。

二卵性双生児におけるうつ病の一致率は約10~25%といわれています。

パニック障害の疫学、遺伝要因

パニック障害の疫学

パニック障害の生涯有病率は1.5~5%と言われています。

女性の方が男性より2~3倍パニック障害になりやすいと言われています。

パニック障害と遺伝要因

パニック障害と広場恐怖の遺伝的基盤についての対象研究の数は少ないですが、遺伝要素を有するという結論が支持されています。

パニック障害の患者の第1度親族ではパニック障害の発生率が4~8倍になるという報告があります。

また、一卵性双生児の方が二卵性双生児よりもパニック障害の一致率が高いと報告されていますが、現時点で特定の染色体の位置や遺伝様式との関連を示唆する情報は乏しいようです。

強迫性障害の疫学、遺伝要因

強迫性障害の疫学

強迫性障害の障害有病率は約2~3%と言われています。

青年期では男子は女子よりも強迫性障害になりやすいと言われていますが、成人では性差は認められないようです。

強迫性障害と遺伝要因

強迫性障害について、遺伝的要素を有するという結論が支持されています。

一卵性双生児の方が二卵性双生児よりも強迫性障害の一致率が高いと報告されており、強迫性障害の患者の第1度親族の約35%が強迫性障害との報告があります。

自閉症の疫学、遺伝要因

自閉症の疫学、遺伝要因

自閉症は約1万人に5人の頻度(0.05%)で発症するといわれています。

自閉症は女児よりも男児の方が4~5倍多いと言われています。

自閉症児の同胞の2~4%に自閉症がみられたとうい報告があり、これは一般人口の50倍の割合とされています。

注意欠陥/多動性障害(ADHD)の疫学、遺伝要因

注意欠陥/多動性障害(ADHD)の疫学、遺伝要因

米国の報告では、ADHDの発生率は2~20%とばらつきが大きく、控えめな報告では、前思春期の小学生の約3~7%であるといわれています。

男子の発生率は女子に比べて高く、2~9倍と報告されています。

ADHDに遺伝的な基盤があることは、二卵性双生児よりも一卵性双生児において障害の一致率が高いことによって支持されています。

ADHDに寄与する要因として、胎児期に中毒性薬物にさらされること、早産、胎児期における胎児の神経系の損傷などが示唆されています。

食品添加物や着色料、保存料、差等も多動の原因であるとの報告もあるが、科学的に証明されたものはないようです。

【更年期】女性の体調不良と漢方治療【PMS】

女性の体調不良と漢方治療

女性は毎月の月経周期によって、女性ホルモンの分泌の変化に常に影響されてるため、むくみがでたり、イライラしたり、体温調整がうまくいかなかったり、肌荒れがでたり、体調が乱れがちです。

漢方はそのような、体の不調、自律神経の乱れを改善し、自然治癒力を高める効果を期待できます。

具体的にどのような症状にどのような漢方が効くのかみてみましょう。

漢方薬とは

漢方薬は、自然界にある植物を中心に、動物由来のものや鉱物などを原料にした複数の生薬を組み合わせたお薬です。

日本における漢方医学は、中国から伝わった伝統医学がルーツですが、長い年月をかけ、日本人の体質に合うように改良され、効果や安全性が確かめられています。

”なんとなく体調が悪いところ”に効果がある

西洋医学では有効な治療法が少ない病気や、検査では異常なしといわれる症状や不調にも効果があります。

生理周期に伴って起こる体調不良や、アレルギー体質、精神的な不調、皮膚症状などにも効果が期待できます。

具体的には、冷え症や肩こり、吹き出物、月経痛、便秘、頭痛、むくみ、不眠、イライラなどに効果的です。

漢方と健康保険

基本的には医師の処方による医療用漢方製剤は健康保険が適用されます。

日本では148種類の医療用漢方製剤に健康保険が適応されています。

ただし、医療機関によって様々ですので、健康保険が使えるかどうか受診前に問い合わせておくといいでしょう。

漢方の内服期間

漢方は風邪などの急性の病気に対して、速効性を求めた内服が可能です。

また、慢性の症状や病気でも2週間から1か月ほどで効果が出てくる場合があり、その場合は2~3か月継続して、効果を評価するといいでしょう。

冷え症と漢方

手足の冷え、体の寒さなど、冷えの感じ方も個人差があります。成人女性の半数は冷え症とも言われます。冷えから肩こり、倦怠感、むくみ、下痢、不眠などがみられることもあります。

冷えの原因

冷えの原因として、貧血や低血圧、女性ホルモンの低下、自律神経の乱れ、甲状腺機能の異常などが考えられます。まずは、内科で血液検査を受け、治療できる原因があるか診てもらうことをお勧めします。

検査でもはっきりとした原因が分からないときに、漢方での対処を考えます。

漢方治療においては、全身の気、血、水のバランスの改善を目指します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)

足の冷えが強く、下腹部痛、月経痛がある場合に効果が期待できます。

温経湯(オンケイトウ)

手足のほてり、足腰の冷え、月経不順がある場合に効果が期待できます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

のぼせ、足の冷え、肩こり、月経痛がある場合に効果が期待できます。

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

疲れやすさ、イライラ、月経不順がある場合に効果が期待できます。

にきびと漢方

毛穴が詰まると白にきびになり、酸化して黒ずむと黒にきびになり、炎症を起こると赤にきびになります。

思春期のにきびは肌の脂っぽさが原因であることが多いのですが、20大以降にできるにきびは、女性ホルモンや生活の乱れ、ストレスなど原因が複雑に絡み合っています。

漢方での対処

生活のサイクルを整えたり、食生活を見直すことで、体の状態を改善されることでにきびが治ることもあります。

漢方では、炎症を抑えたり、原因になる体質を改善することで、にきびのできにくい体にすることを目的とします。

西洋薬の抗菌薬クリームや内服薬などと組み合わせることもあります。

桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)

生理周期に伴う月経前と月経時のにきび、手足のあれに効果が期待出来ます。

清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)

赤みや炎症が強く、脂性肌のにきび、顔面の湿疹に効果が期待できます。

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

発赤や、化膿する急性で初期のにきび、湿疹に効果が期待出来ます。

荊芥連翹湯(ケイガンレンギョウトウ)

肌が浅黒い人で、炎症反応が慢性化し、化膿傾向を伴ったにきびや副鼻腔炎に効果が期待出来ます。

月経前症候群(PMS)と漢方

月経前症候群ではイライラ、落ち込み、むくみ、めまい、易疲労感、下腹部痛、肩こり、嘔気、腰痛、耳鳴り、便秘、不眠、過眠など様々な症状がみられます。

月経1週間程前から、このような症状が見られます。

月経周期に伴うホルモンバランスの変化が原因で、ストレスによって症状の悪化が見られます。

治療・対処法

西洋薬では低用量ピルで治療することもあります。月経前不快気分障害(PMDD)といった落ち込み、情動不安定さなどの精神的な不調が強い場合はSSRIといった抗うつ薬で治療することもあります。

漢方治療

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

イライラ、情動不安定さ不眠、肩こり等への効果が期待出来ます

抑肝散(ヨクカンサン)

不安、情動不安定さ、イライラ等への効果が期待出来ます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

頭痛、腹痛などが目立つ場合に効果が期待出来ます。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

のぼせ、便秘、腰痛、肩こりが目立つ場合に効果が期待出来ます。

月経困難症と漢方

鎮痛剤を利用しないと、月経痛のせいで日常生活や仕事に支障が出る場合は月経困難症の可能性があります。

月経痛がひどい場合は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因となっていることもあるので、産婦人科で一度診てもらうことをお勧めします。

治療法

産婦人科で原因となる病気がなく、月経痛がひどい月経困難症には、低用量ピルなどのホルモン剤が有効です。

漢方治療

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

冷え症で疲れやすく、むくみ等の症状に効果が期待出来ます。

芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

強い下腹部痛、こむら返りがある場合に効果が期待出来ます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

肩こり、のぼせ等の症状に効果が期待出来ます。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

便秘、のぼせ、肩こり等の症状に効果が期待出来ます。

更年期障害

更年期とは、閉経前後の時期で、一般的に40代後半から50代半ばまでを言います。

更年期は卵巣機能の低下によって女性ホルモンの分泌が急激に減少します。

ホルモン変化の影響を受け、ほてり、発汗、動悸、頭痛、便秘、イライラ、落ち込み、不眠などの症状等が見られます。更年期の少し前の40代前半からも似たような症状が起こることもあります。

治療法

更年期障害ではホルモン補充療法で治療しますが、まだ40代前半で卵巣機能が働いている状態ではホルモン補充は使えないため、漢方治療が主体となります。

漢方治療

女性ホルモンのバランスを整える漢方が使われます。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

貧血気味で、冷え症、めまい、頭重感などの症状に効果が期待出来ます。

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

イライラ、情緒不安定さ、不眠、不安などの症状に効果が期待出来ます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

多汗、肩凝りなどの症状に効果が期待出来ます。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

のぼせ、イライラ、興奮、便秘等の症状に効果が期待できます。

月経不順と漢方

正常な月経周期は25~38日です。毎月の月経日が乱れても6日以内なら正常範囲です。

月経期間は3~7日です。これから多少ずれるのは問題ありません。

しかし、月経が月に2回あったり、数か月以上こない、月経期間が1日しかない、もしくはダラダラ続く、量が多すぎたり、少なすぎたりする等が見られた場合は婦人科を受診しましょう。

月経不順の対処法

基礎体温をつけることで、排卵の有無や、女性ホルモンのバランスをある程度評価することが出来ます。婦人科受診する際も有用な資料になります。

婦人科では基礎体温を参考にして、その他検査で、子宮や卵巣の状態を評価します。

ストレスや生活リズムの乱れからくるものから、多嚢胞性卵巣、加齢に伴う卵巣機能低下、高プロラクチン血症など原因が様々あるので検査をします。

検査結果から治療を選択していくことになります。

月経不順と漢方治療

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

冷え症で、貧血、むくみ、腹痛などがある場合に効果が期待できます。

温経湯(ウンケイトウ)

足腰の冷え、不眠などがある場合に効果が期待できます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

肩こり、のぼせがある場合に効果が期待できます。

不妊症と漢方

不妊症とは通常の夫婦生活を送っているにもかかわらず、1年以上妊娠していない状態を指します。不妊症の原因は、男性因子と女性因子が同じくらいの割合であるといわれています。

女性因子の原因は排卵障害、着床障害、卵管障害の3つに大きく分けられます。

不妊症の治療法

不妊治療の専門病院できちんと診断、相談することが重要です。

原因は複数重なっていることも多く、原因をはっきりさせることから始まります。

女性だけでなく、男性の検査も必須になります。

漢方治療

基本的には検査で原因を特定し、その原因に対する西洋医学的な治療に補助的に漢方を使うことになります。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)温経湯(ウンケイトウ)などが使われます。

便秘・下痢と漢方

毎日お通じがないのを便秘という訳ではなく、2~3日に1回でも便の状態がよく、つらくなければ大丈夫です。

しかし、お腹が張る、痛む、硬くて強くいきまないと出ない場合や、コロコロした便が少量だけしかでず、つらい場合は治療が必要です。

便秘や下痢が長期的に続く場合はまず、内科で大腸ポリープや大腸癌、過敏性腸症候群などがないか精査することをお勧めします。

原因となる病気がないのに、便秘と下痢が続く場合は漢方が効果的でしょう。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

がっちりタイプの人の便秘に使われやすく、のぼせ、肩こりにも効果が期待できます。

桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)

お腹の張りがあり、腹痛を伴う便秘に効果が期待できます。

潤腸湯(ジュンチョウトウ)

肌の乾燥が目立つ便秘の人に効果が期待できます。

抑うつ気分、不眠と漢方

加味帰脾湯(カミキヒトウ)

疲れて血色が悪く、不安が目立つ人に効果が期待できます。

柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

不安やイライラなどの症状に効果が期待できます。

酸棗仁湯(サンソウニントウ)

神経が過敏になり、疲れて眠れない症状に効果が期待できます。

抑肝散(ヨクカンサン)

神経が過敏で、落ち込み、イライラなどの症状に効果が期待できます。

頭痛と漢方

頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、月経に伴う頭痛などがあります。

片頭痛は、視野のゆがみや見えにくさ、チカチカと光が走る、まぶしいなどの前兆があり、習慣性、反復性があります。

緊張型頭痛は、頭全体やこめかみをしめつけるような痛みがあり、首や肩のこりを伴います。

月経前や月経中に起こる頭痛はズキズキと脈を打つような痛み方をします。

治療法

一過性の頭痛ではなく、何度も繰り返したり、痛みが増強したりする頭痛は脳神経外科などの頭痛外来を受診することをお勧めします。

慢性の頭痛を市販の鎮痛薬などで長い間対応していると、薬物乱用型頭痛、薬物誘発性頭痛といった、治療の難しい頭痛になることがあります。

頭痛は放っておかずに受診してお薬を合わせてもらいましょう。

漢方治療

緊張型頭痛の場合は、鎮痛剤や末梢循環改善薬などに加えて、漢方が効果的な場合もあります。

過度なストレスを減らし、睡眠を十分確保することも大切です。

呉茱萸湯(ゴシュユトウ)

手足の冷え、肩こり、吐き気などがみられる頭痛に効果が期待できます。

葛根湯(カッコントウ)

肩こり、緊張型の頭痛に効果が期待できます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

のぼせ、肩こりのある頭痛に効果が期待できます。

五苓散(ゴレイサン)

めまい、むくみのある人の頭痛に効果が期待できます。

だるさ、疲れやすさ

だるさや疲れやすさは、不調のサインです。

貧血や胃腸機能の低下、甲状腺の病気、肝機能障害など病気が隠れていることもあるので、内科に受診して詳しく調べることも大切です。

治療法

内科を受診しても原因が特になければ、漢方薬が効果的な場合があります。

疲労は生命エネルギーの流れの乱れであり、疲労感が強い場合は、気が足りない「気虚

の状態です。これが進み、血が足りない「血虚

の状態になります。

漢方は気の巡りを良くし、血を補うことで疲労を改善します。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

元気がなく、胃腸の働きが衰えている、疲労に対して効果が期待できます。

十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)

疲れて、貧血ぎみ、食欲がない疲労に効果が期待できます。

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

精神的なストレス、不眠、疲労に

むくみと漢方

夕方の足のむくみ、朝の顔のむくみなど、むくみは様々な所に出現します。

一般にむくみの出やすい人は冷え症の人だと考えられます。

むくみの出やすい人は頭痛、めまい、肩こり、多汗などの症状もでやすいと言われています。

治療法

むくみが長く続く場合は腎臓や甲状腺の病気が隠れている場合があるので、一度内科で精査する必要があります。特に原因となる病気がない場合には漢方や生活習慣の調整で改善する可能性があります。

むくみと漢方治療

体の冷えにより体内の水が滞ってしまう状態を「水毒」「水滞」といい、これがむくみの原因になります。

適度な運動と入浴、タンパク質とビタミンをバランス良く摂取することが大切です。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

下半身の冷え、疲労感を伴うむくみに効果が期待できます。

五苓散(ゴレイサン)

口が渇き、トイレの回数が少ない人のむくみに効果が期待できます。

防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)

疲れやすく汗をかきやすい人のむくみや関節痛に効果が期待できます。

鼻炎、花粉症と漢方

鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど花粉症をはじめ、アレルギー性の症状は生活、仕事をする上で大きな支障になります。

治療

アレルギー性鼻炎は、免疫の過剰反応によって起こります。(免疫は、本来体を病原体などから守る役割をしています。)花粉を侵入物としてとらえ、排出しようと鼻水や涙がでますが、その働きが過剰になっているのです。

西洋医学においては、抗アレルギー剤を中心に薬が処方されます。

最近はアレルギーの原因となるアレルゲン(花粉やハウスダストなど)を少しずつ体内に入れて、アレルギー反応をなくしていく、減感作療法という治療法も行われます。

鼻炎と漢方治療

抗アレルギー剤は眠気が出やすいですが、漢方は眠気はでにくく、運転や危険な作業をする場合でも服用しやすいでしょう。

小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

水っぽい鼻水やたんを伴う咳に効果が期待できます。

葛根湯加川きゅう辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)

熱熱がこもり、鼻水か詰まるタイプに効果が期待でいます。

葛根湯(カッコントウ)

風邪の引き始め、鼻かぜ、鼻炎に効果が期待できます。

麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)

手足の冷え、悪寒がある人の風邪、アレルギー性鼻炎に効果が期待できます。

メンタルヘルスに関する内容をはじめ、皆様のお役に立つ、いろいろな情報をお届けします。