【チックの拮抗反応トレーニング】

チックを治療するにあたり、まず本人が気付いて認識する必要があります。

チックに気付き、記述して、先行する感覚や行動を認識して、チックの出現を認識出来るようにします。

拮抗反応は、チックの前駆衝動が出現するか、または、チックが始まった直後に患者さんが取り入れる一つの動作です。チックや前駆衝動が起きたらすぐに実施します。

【拮抗反応のトレーニングの効果仮説】

  • チックと大脳基底核の回路における顕在化の競合
  • 拮抗反応による患者さんの前駆衝動への慣れの発生

【拮抗反応のトレーニング】

拮抗反応はそれぞれのチックの前駆症状に基づいて行い、最低1分か、前駆症状が消えるまでか、いずれか長い方の時間保持します。

拮抗反応を選択し、拮抗反応と正しい実施をデモンストレーションし、練習します。

拮抗反応として使用する動作は下記を目安に選択します。

  • 標的とするチックと物理的に両立できないもの
  • もとのチックよりリラックスした、自然で品があるもの
  • 最低1分間、または前駆症状が明らかに減少するまで、保持できる最適化されたもの
  • 社会的に目立たないもの

【運動チックの拮抗反応の例】

  • [瞬き]意識して瞬きする。真っ直ぐ前を見る。物体に焦点をあてる。
  • [顔をしかめる]優しく唇を結ぶ。
  • [眉の動き]ゆっくりコントロールした瞬きをする。
  • [首を回す]顎を軽く下に引きながら首の筋肉を緊張させる。
  • [唾を吐く]唇を強く閉じ、腹式呼吸をする。
  • [舌打ち]舌を口の中で上顎に押し付け、口を閉じて、息をする。

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【摂食障害の治療〜心理的アプローチ〜】

「私は吐くということが恐ろしいから、食べることも恐怖なのです。それはもう保育園の頃からです。でも弱音は吐けません。誰にも心配させたくないからです」

「体重は40kgですが、このお腹の贅肉を手術してでもとりたい」

「食べ出したら止まらなくなり、あるもの全部食べても満足しません」

「毎日下剤を60錠くらい飲まないと気が済みません」

「一日中食べ吐きのことばかり考えてます。食べる前から吐くことを考えてます」

摂食障害の方は、それぞれ症状も違います。

【摂食障害には幼少期の体験が影響している事が多い】

摂食障害の治療においては、まず生育歴が重要になることが多いと考えます。実際、親子の関係が改善して良くなる方がいますし、患者さんが中壮年になって直接親子関係に介入できない場合は、過去の、特に幼少期の傷ついたインナーチャイルド、現在まで続いている子供の頃の思考パターンや習慣を癒し、克服することで改善することが多いのです。

【摂食障害の人に吐くなと言っても意味がない?】

「食事を制限して運動しましょう」

「吐いてはいけない」「下剤は使ってはいけない」

「もっと食べましょう」

摂食障害の方に、こういう事はあまり話しません。摂食障害の方は、食べること、吐くこと、体形、容姿、体重のことにとらわれて、それらの事は熱心に話をしますが、「大事なこと」は、話しません。話しませんというより、本人も気づいていないこともよくあります。これまでの不安感、恐怖心や羞恥心を隠しておることが多いのです。

【摂食障害の治療】

摂食障害の治療とは、患者さんの拒食、過食の原因となっているイライラや不安、恐怖、不満、寂しさ、羞恥心を改善することが大切になります。その心理的な葛藤は過去に隠されています。

【摂食障害を防ぐ子育ての大切さ】

子育てが非常に難しいことは、我が身をもって実感しています。自立の強調、強制や処罰のしつけが全て悪いとは思いませんが、もっと自由に愛して、ほめて育てることを大切にしてほしいと思います。

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