【抗うつ薬】SSRIは耐性ができるのか?

SSRIは内服し続ければ耐性ができるのか

安定剤や睡眠薬などのベンゾジアゼピン系のお薬について、依存・耐性の問題が取りざたされています。

では抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を長期間内服し続けた場合、耐性が生じるのでしょうか。

薬物耐性とは

まず、ここでいう薬物耐性とは、同じ量の薬物を継続して内服した場合に、経過に伴い徐々にそのお薬の作用が弱くなっていく現象のことです。

お薬の作用には効果(主作用)と副作用があります。

SSRIの副作用として、内服開始時の吐き気がありますが、これは1週間もすれば軽減されることが多く、副作用に関して耐性ができたと表現できます。

では、SSRIの作用である、抗うつ効果、抗不安効果などに耐性は生じるのでしょうか。

SSRIの耐性について

結論から言うと、SSRIの耐性を評価できうる条件がそろいにくいため、十分な検討に至っていません。

SSRIに限らず、抗うつ薬の耐性を証明するためには最低でも以下の条件がそろう必要があります。

1)適切な量の抗うつ薬で、十分な期間維持療法を行い、完全寛解状態にある方が、薬物継続しているにもかかわらず再燃した状態で

2)抗うつ薬の用量を増やす、もしくは他の抗うつ薬に変更することで、再燃したうつ状態が消失し、

3)その寛解状態が長期的に持続する。

しかし、これらの条件がそろうことは難しく、十分な検討がなされておりません。

また、再発が生じやすいうつ病の特性上、お薬への耐性から再燃したのか、耐性とは異なる様々な要因からの再燃、病態の悪化が混在している可能性があり、評価が困難となるのです。

ただし、抗うつ薬の処方継続によって、脳内において、樹状突起にある5-HT1A受容体の感受性低下が推測される研究があり、一部耐性の可能性は示唆されています。

まとめ

SSRIの耐性については、可能性を示唆する研究はありますが、うつ病の再発によるうつ状態の出現と、耐性が生じたことによるうつ状態の出現との区別がつきにくいため、十分な検討が困難なので結論がでていません。

ただし、はっきりしない耐性について不安になるより、安定した状態の維持を優先し、再発予防のための十分量の薬物療法と、精神療法や心理療法、環境調整をしっかり継続することが大切です。

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