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【抜毛症の経過、予後、治療】

【抜毛症とは】

抜毛症は繰り返し毛髪を抜き、その結果、他人からも分かるような様々な程度の脱毛状態に至る慢性疾患です。

抜毛症はフランスの皮膚科医が1889年に報告したものが最初と言われています。抜毛症は稀な病気と考えられていたため、記述もあまりありませんでした。

現在では、抜毛症それほど珍しくないと考えられています。

強迫症や衝動制御の障害と類似しており、抜毛を抜くまでの緊張感の高まりと、抜毛後の開放感と満足感が特徴です。

【抜毛症の疫学】

抜毛症の有病率は、患者さんが隠したがることもあり、実際より少なく評価されている可能性があると言われています。

抜毛症の診断は発生率、重症度、発症年齢、男女比によって大きく2つのカテゴリーに分けられますが、その他のカテゴリーも存在します。

  • 青年期の抜毛症

最も重症化、慢性化しやすいタイプは、青年期初期から中期に発症する型です。

生涯有病率は一般人口の0.6〜3.4%で、男女比は1:10で女性の割合が多いといわれています。しかし、男性は女性より抜毛を隠すことが多く、実際は男性ももっと多い可能性があります。

抜毛症一人っ子や、長子(兄弟、姉妹で1番上)に多いとされています。

  • 小児期の抜毛症

小児期の抜毛症は男女ともに同じ割合で見られます。また、青年期や成人期にみられる抜毛症に比べ発生率は高いですが、心理学的にも皮膚科学的にも軽症が多いといわれています。

  • 飲み込む抜毛症

抜毛症の35〜40%の人が引き抜いた抜毛を噛んだり、飲み込んだりします。このような行為が見られる約3分の1の方は、胃や腸などの消化管に毛玉が蓄積して危険な結石になります。

【抜毛症の併存症】

抜毛症の併存症としては強迫症、不安症、トゥレット症、うつ病、摂食障害、パーソナリティ障害があります。

物質依存との併存は少なく、病的賭博、窃盗症や他の衝動制御症との併存に比べても少ないといわれています。

【抜毛症の原因】

抜毛症には様々な要因が関わっていると考えられ、4分の1以上はストレス状況と関係しています。

  • 母子関係の障害
  • 1人で残される恐怖
  • 対象の喪失

などが発症のきっかけになる事が多いです。

抜毛症の家族にはしばしばチック、衝動制御障害、強迫症状が認められ、遺伝的素因を存在する可能性が示唆されています。

抜毛症と神経生物学的、遺伝学的研究】

抜毛症では左側被殻と左側レンズ核領域体積減少が指摘されています。

遺伝学的研究では抜毛症とセロトニン2A受容体遺伝子多型との関連が指摘されています。

【抜毛症の臨床像】

抜毛症の臨床像には2つの型があります。

  • 1つは、衝動や身体の感覚、あるいは思考を制御するために意図的に行われる無意識の脱毛です。
  • もう1つは、上記とは対照的に、座って何かをしている時などに行われる無意識の抜毛です。

抜毛症の方のほとんどは、この2つが組み合わさっています。

抜毛症の経過と予後】

抜毛症の平均発症年齢は10代前半で、しばしば17歳以前ですが、より年長での発症も報告されています。

慢性化するタイプと寛解するタイプがあります。

6歳以前の早期の発症例は指示や援助、行動療法に反応しやすく、寛解に至ることが多いといわれています。

13歳以降の遅い発症では慢性化の経過をとりやすく、早期発症例に比べて予後は良くないといわれています。

【抜毛症の治療】

実は医学的に抜毛症の最も良い治療法に関しての意見は一致していません。治療に関しては、精神科医と皮膚科医の連携が必要となる事も多いです。

精神薬理学的治療法としては、局所のステロイド、水酸化塩酸塩、抗ヒスタミン特性をもつ抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬があります。

抜毛症の初期の症例報告では、選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)が有効であったとの報告があります。

SSSRIに反応が乏しい場合にはピモジド(オーラップ)などのドパミン受容体拮抗薬の追加で改善する可能性があります。

有効性が報告されている薬物は、フルボキサミン(ルボックス)、シタロプラム(Celexa)、ベンラファキシン(イフェクサーSR)、リチウム(リーマス)、クロナゼパム(リボトリール)、トラゾドン(デジレル)などがあります。

【SSRI】パキシル®(パロキセチン)で太るのか?【体重増加】

抗うつ薬を飲み始めて太ったと言われる方がいます。

では果たしてパキシル®(パロキセチン)を開始して体重増加が生じるのでしょうか?

パキシル®(パロキセチン)内服開始後の体重増加に関してはいくつかの報告があります。

SSRIであるパキシル®(パロキセチン)と三環系抗うつ薬であるトフラニール®(イミプラミン)を内服中のうつ病の方で効果と副作用を検討した研究があります。

その研究ではパキシル®(パロキセチン)内服中の方のうち約30%で1~4㎏の体重増加がみられたとの報告があります。

その他にもいくつか体重増加が見られたとの報告が散見されます。

300名近くの大うつ病の方にSSRIであるパキシル®(パロキセチン)とジェイゾロフト®(セルトラリン)とフルオキセチン(日本未承認薬)を投与して体重変化を比較した研究があります。

その結果パキシル®は投与前と投与終了後の平均体重変化率が+3.6%と有意な増加が見られました。

ちなみにジェイゾロフト®は+1.0%、フルオキセチンは-0.2%という結果です。

また、平均体重の変化率が+7%以上の極端な体重増加率を示した方の割合は、パキシル®で約26%、ジェイゾロフト®で約4%、フルオキセチンで約6.8%でした。

このような極端な体重増加は男性(約13%)より女性(約39%)に多かったようです。

さらに、極端な体重増加を示したパキシル®を内服した方のうち約92%の方が内服前のBMI(body mass index)が20(kg/m2)以上でした。

一方で、体重変化が認められなかった、特定の群で体重が減少したとする報告もみられます。

SSRIによる体重増加が生じる機序の可能性

1)うつ状態の改善によるもの

うつ状態では症状による食思不振、食欲低下、体重減少が多くみられます。

よって、うつ状態の改善に伴い、食欲が回復することで、体重が元の体重に戻る時に、増える場合があります。

しかし、それは太ったのではなく、元の体重に戻ったということであり、薬剤性の体重増加ととらえる必要はないでしょう。

2)食欲増加あるいは炭水化物摂取の増加

SSRI内服開始後に食欲が増える場合があり、食事摂取量が増え体重が増えることがあります。

また、うつ状態で休職したり、療養する過程で食事をゆっくりとる場面が増えたり、いろいろなストレスに対し「食べる」という行為でストレスを解消しようとする場合は体重が増えます。

そういう場合は、ご飯、パン、麺、お菓子などの炭水化物の摂取が増えていることが多いです。

3)セロトニン5-HT2c受容体活性化による影響

薬理学的な作用としてセロトニン5-HT2c受容体活性化が体重増加に影響しているとの指摘があります。

 

但し、SSRIを内服している人がみな体重増加しているわけではなく、また、SSRIの中でも体重が増えやすいお薬とそうでないお薬があるというのが実際の印象です。

まとめ

パキシル®(パロキセチン)による体重変化の報告は、依然として一致した見解には至っていませんが、体重が増加するという報告が比較的多くみられ、臨床現場でも実際体重が増える方がいるのは事実です。

特に女性の方や、内服前からBMIが高めの方は注意が必要です。

しかし、病気の改善による食欲の回復が影響している場合や、生活、食事、運動の変化等が影響している部分も大きく、一概に体重増加を薬物が原因と考え有用な薬物陽法の機会を逃すことも注意が必要だと思います。

【SSRI】抗うつ薬をやめられない【離脱症状】

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)としては日本初のお薬であるルボックス®、デプロメール®(フルボキサミンマレイン酸)が1999年に承認され、それ以降、パキシル®(パロキセチン)、ジェイゾロフト®(セルトラリン)、レクサプロ®(エスシタロプラム)と使用できるSSRIの選択肢が増えています。

現在SSRIはうつ病、パニック障害、社交不安障害、強迫性障害などの疾患に対して幅広く用いられています。

SSRIを他の薬に切り替える場合や、漸減中止をしようとした際に、睡眠障害やふらつきなどの離脱症状が出現することがあります。

抗うつ薬の離脱症状について

SSRIよりも以前から使用されていた三環系抗うつ薬においては離脱症状が出現することが知られており、問題とされてきましたが、SSRIの減量・中止の際にも離脱症状が出現することがあります。

離脱症状の主な症状

主な症状には、ふらふらする感じ、めまいや失神するような感じ、感覚異常、不安、下痢、倦怠感、運動失調、頭痛、不眠、イライラ、嘔気、振戦などがあります。

離脱症状はSSRIを1ヶ月またはそれ以上内服した方において、SSRIの中止あるいは減量後3日以内に出現することが多く、場合によっては数週間持続することがあります。

SSRIの中でも離脱の出やすさに差があり、パキシル(パロキセチン)は他のSSRIよりも離脱症状の頻度が多いという報告があります。

パキシル(パロキセチン)が離脱症状が出やすい理由

1)薬物動態的特徴によるもの

パキシルの薬物動態学的特徴が関係しています。

パキシルは他のSSRIと違い活性代謝物をもたず、また、血中濃度が内服用量増加に伴い非線形の上昇を示します。

そのため、中断や減量の際に、他のSSRIよりも血中濃度が急激に低下することが推測されます。

2)セロトニン選択制の高さによるもの

パキシルのセロトニン選択性の高さが関係しています。

長期間のSSRI内服により、後シナプスにおけるセロトニン受容体の脱感作が生じるため、SSRIの急激な中断や減量によりシナプス間隙でのセロトニン欠乏をきたした際に離脱症状が出現しやすいと推測されます。

また、前シナプスにおける自己受容体であるセロトニン1A受容体の脱感作が生じているために、セロトニン神経の活動亢進が起きにくいという報告もあります。

離脱症状の判断

実際の臨床では、離脱症状であることが正確に判断されることが重要です。

SSRIを中止した際に、抑うつ症状や不安症状の再燃なのか、薬剤切り替えを行った場合は新しい薬剤の副作用なのか、離脱症状なのかを判断する必要があります。

SSRI離脱症候群の診断基準

A)少なくとも1ヶ月間の使用期間後におけるSSRIの中断なるいは減量がなされている。

B)中断あるいは減量後の1~7日以内に出現する以下の症状が2つ以上

1)ふらつき、ふらふらする感じ、めまいまたは失神する感じ

2)嘔気、嘔吐

3)頭痛

4)振戦

5)倦怠感

6)不安

7)ショック様の感覚または感覚異常

8)不眠

9)焦燥感

10)下痢

11)不安定歩行

12)視覚障害

C)上記の症状が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

これらの症状が一般身体疾患によるものではなく、SSRIが処方された精神障害の再燃、もしくは同時に行った他の精神活性を持つ物質の中断あるいは減量ではうまく説明されない場合。

離脱症状への対処法

離脱症状が出現した場合、もっとも安易な対処法は中止・減量した薬剤を再開することです。

この場合速やかな症状改善がきたいできますが、再び減量を行った場合には、同様の症状が出現する可能性が高いので、減量中止の仕方に中止が必要です。

離脱症状への具体的な対策としては、減量する薬剤量と減量する間隔を長くするという方法があります。

特に少量になればなるほど離脱症状が出現しやすく、やめる時が最も出現しやすいと言われています。

そのため、パキシルを1日40㎎内服している場合は、2週間以上あけて5~10㎎/日づつ減量し、10~20㎎/日以下に減量する場合は、2.5㎎~5㎎/日で減量していくことで離脱症状を軽減できる可能性があります。

但し、それでもうまくいかない場合は離脱症状の出現しにくいレクサプロ(エスシタロプラム)に一旦置換してレクサプロで減量中止していくとうまくいくことがあります。

【抗うつ薬】本当に必要なお薬かどうか【併用療法】

うつ病の薬物療法

うつ病に対する薬物療法は単剤療法が原則です。

ただし、うつ病治療において、単剤では改善がみられない難治性の場合が20~30%ほど存在するといわれています。

その為、抗うつ薬単剤で改善が見られない場合は、次の治療選択肢に最初の抗うつ薬に、他の抗うつ薬の併用、例えば三環系抗うつ薬(TCA)などの併用をすることがあります。

抗うつ薬の併用療法

難治性のうつ病に対して抗うつ薬どうしの併用が行われることがあります。

作用機序の異なる抗うつ薬どうしの組み合わせで、セロトニン作用やノルアドレナリン、ドパミン作用などモノアミン系の相乗作用を期待することは合理的であると思われます。

しかし、抗うつ薬どうしの併用の有効に関する報告は十分ではなく、報告は限られています。

SSRIとその他抗うつ薬の併用は有効なのか

SSRIと三環系抗うつ薬(TCA)の併用

SSRIとTCAを併用した場合、各々を単剤で使用した場合よりも高い寛解率が得られたという報告があります。

一方でSSRIとTCAの併用は単に薬物相互作用でTCAの血中濃度が上がった結果にすぎないとする考え方もあります。

肝代謝酵素チトクロームP450(CYP)を介した薬物動態学的相互作用による、薬物の効果の増強作用を期待することはできますが、相互作用の出方はそれぞれの個人によって異なり予測がしにくく、有害事象、副作用の増大にもつながりリスクを伴うため、慎重になる必要があります。

SSRIと四環系抗うつ薬の併用

テトラミド®(ミアンセリン)やテシプール®(セチプチリン)などの四環系抗うつ薬は、ノルアドレナリンとセロトニンの再取り込み阻害作用に加え、α2受容体阻害作用を持ちます。

このα2遮断作用により、ノルアドレナリンとセロトニン両方の遊離が促進され、SSRIと併用するとセロトニン系の神経伝達がさらに促進され、抗うつ効果が増強するといわれています。

SSRIに反応が乏しい方に、SSRIから四環系抗うつ薬に切り替えた場合と、併用した場合を比較し、切り替えた場合は約38%、併用した場合は約45%の寛解率を得られたとする報告があります。

ただし、その差は大きくなく、副作用の発現率の上昇を考えると積極的に併用を推奨できるものではないでしょう。

SSRIとレスリン®(トラゾドン)の併用

レスリン®(トラゾドン)は5-TH2A受容体拮抗作用とセロトニン再取り込み作用を持つため、SSRIと併用した場合、SSRIの5-HT2A受容体刺激による、不眠、焦燥感などの副作用を減少させ、さらにセロトニン系神経伝達作用を増強されると考えられます。

しかし、レスリン®(トラゾドン)の代謝もCYP2D6が関与しており、血中濃度の上昇から副作用が増加するリスクがあります。

SSRIとSSRIの併用

SSRIどうしの併用については、SSRI単剤で効果不十分例や、副作用のため高用量の使用が困難な場合にSSRIを併用することで副作用の増強なく、効果増強が期待できるといわれています。

しかし、その一方で、SSRIどうしの併用によりセロトニン系の副作用などの増加が指摘されます。

まとめ

抗うつ薬の併用が有効であると積極的にいえるデータは限定的でまだ不十分な状況です。

うつ病の薬物療法は単剤治療が原則であり、SSRI単剤療法にて十分な効果が得られない場合は、他のSSRIやSNRI、NaSSAなど作用の異なる抗うつ薬への切り替えが考慮されるべきでしょう。

やむを得ず併用を行う場合には各薬剤の作用機序、代謝経路、相互作用に十分に注意しながら、併用の目的を明確にして使用する必要があります。

そのことを踏まえ、主治医と相談してみて下さい。

【双極性感情障害】躁うつ病のうつ状態の治療にはどの抗うつ薬がいいのか?【抗うつ薬】

躁うつ病のうつ状態の薬物療法

躁うつ病(双極性感情障害)は気分が循環する病気であり、躁状態の時期とうつ状態の時期、躁とうつが混ざったような混合状態の時期などが出現します。

双極性うつ病(躁うつ病のうつ状態)における抗うつ薬の使用については治療に関する実証的研究が少なく、意見が分かれています。

抗うつ薬は躁状態を誘発する?!

躁うつ病において、抗うつ薬は約3分の1の頻度で躁状態を誘発し、約4分の1の頻度で急速交代化(躁状態とうつ状態を短期間で繰り返す状態)を促すという報告があります。

その為、躁うつ病への抗うつ薬の使用については慎重になるべきだという意見が一般的です。

あるアメリカの治療ガイドラインでは双極性うつ病の急性期にはリチウムまたはラミクタール®(ラモトリギン)を第一選択としており、重症の場合は抗うつ薬の併用も行われますが、限定的であるべきとされています。

もし抗うつ薬を使用するとしても、SSRIが第一選択になるであろうとの意見が多いようです。

双極性うつ病の治療選択

1)リチウムまたはラミクタール®(ラモトリギン)による治療開始。

2)SSRIの追加、状態によっては増量

3)効果不十分例では抗うつ薬の変更の検討

4)リチウムやラミクタール®、デパケン®(バルプロ酸)などの情動調整薬、抗けいれん薬の追加もしくは調整

などの治療が提案されます。

抗うつ薬の躁転率

双極性うつ病における抗うつ薬の治療において、SSRIの躁転率(約3.7%)はプラセボ(約4.2%)と差がないという報告があります。

その一方で、三環系抗うつ薬投与における躁転率(約11.2%)はSSRIやプラセボより有意に高いと報告されています。

まとめ

現在双極性うつ病における抗うつ薬の使用においては意見が分かれている現状ですが、急性の抑うつエピソードで軽症であれば、リチウムやラミクタール®などの情動調整薬、抗けいれん薬が使用され、中等症から重症の場合にはSSRIと情動調整薬の併用療法が開始されることも多いようです。

自殺の危険性や、妊娠期間中、生命を脅かすほどの食事ができないような状態では電気けいれん療法が推奨されています。

長期的には、情動調整薬を第一選択として、必要に合わせて抗うつ薬の併用を考慮し、症状が改善したら、抗うつ薬は減薬を検討するのがよさそうです。

【抗うつ薬】SSRIで乳汁分泌、生理不順は起こるのか?

SSRIで乳汁分泌は起こるか?

乳汁分泌にはプロラクチンというホルモンが関わっています。

下垂体前葉から分泌されるプロラクチンは、視床下部漏斗核にあるドパミン神経細胞からのドパミン分泌によって抑制性に調整されています。

そのため、ドパミン遮断作用をもつ抗精神病薬を服用することによって、プロラクチンの分泌亢進をもたらします。

抗うつ薬でも、イミプラミン(トフラニール®)、アミトリプチリン(トリプタノール®)、クロミプラミン(アナフラニール®)、アモキサピン(アモキサン®)などでは頻度は低いですが、、乳汁分泌がみられることがあります。

では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)では乳汁分泌は起こるのでしょうか。

結論から言うと、「SSRIで乳汁分泌は起こることがある。」です。

オランダの副作用登録システムや論文においても、SSRIや抗うつ薬での乳汁分泌の報告はあり、抗うつ薬の中でもSRIは乳汁分泌を起こす頻度はやや高めの様です。

乳汁分泌とともに、プロラクチンが高値となる場合もあるようです。

SSRIによるプロラクチン値の亢進の機序

プロラクチン分泌はセロトニン刺激により亢進します。

SSRIによるプロラクチン値の亢進機序としていくつかの可能性が示唆されています。

セロトニンが視床下部のドパミン神経細胞を抑制し、その結果間接的に下垂体からのプロラクチン分泌を刺激すると考えられています。

また、SSRIを慢性的に内服していると、シナプス後部の5-HT2A受容体の感受性が高まり、結果的に刺激に対するプロラクチン分泌が亢進すると考えられてます。

まとめ

抗うつ薬の中でも三環系抗うつ薬などの従来の抗うつ薬に比べ、SSRIは乳汁分泌をきたしやすいようです。

作用機序としては、セロトニン作用を介し視床下部ドパミン神経細胞を抑制し、プロラクチン分泌を亢進するためと考えられています。

SSRIを内服中に、生理不順や乳汁分泌が出現した場合にはすみやかに主治医に相談するのがいいでしょう。

【抗うつ薬】SSRIは耐性ができるのか?

SSRIは内服し続ければ耐性ができるのか

安定剤や睡眠薬などのベンゾジアゼピン系のお薬について、依存・耐性の問題が取りざたされています。

では抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を長期間内服し続けた場合、耐性が生じるのでしょうか。

薬物耐性とは

まず、ここでいう薬物耐性とは、同じ量の薬物を継続して内服した場合に、経過に伴い徐々にそのお薬の作用が弱くなっていく現象のことです。

お薬の作用には効果(主作用)と副作用があります。

SSRIの副作用として、内服開始時の吐き気がありますが、これは1週間もすれば軽減されることが多く、副作用に関して耐性ができたと表現できます。

では、SSRIの作用である、抗うつ効果、抗不安効果などに耐性は生じるのでしょうか。

SSRIの耐性について

結論から言うと、SSRIの耐性を評価できうる条件がそろいにくいため、十分な検討に至っていません。

SSRIに限らず、抗うつ薬の耐性を証明するためには最低でも以下の条件がそろう必要があります。

1)適切な量の抗うつ薬で、十分な期間維持療法を行い、完全寛解状態にある方が、薬物継続しているにもかかわらず再燃した状態で

2)抗うつ薬の用量を増やす、もしくは他の抗うつ薬に変更することで、再燃したうつ状態が消失し、

3)その寛解状態が長期的に持続する。

しかし、これらの条件がそろうことは難しく、十分な検討がなされておりません。

また、再発が生じやすいうつ病の特性上、お薬への耐性から再燃したのか、耐性とは異なる様々な要因からの再燃、病態の悪化が混在している可能性があり、評価が困難となるのです。

ただし、抗うつ薬の処方継続によって、脳内において、樹状突起にある5-HT1A受容体の感受性低下が推測される研究があり、一部耐性の可能性は示唆されています。

まとめ

SSRIの耐性については、可能性を示唆する研究はありますが、うつ病の再発によるうつ状態の出現と、耐性が生じたことによるうつ状態の出現との区別がつきにくいため、十分な検討が困難なので結論がでていません。

ただし、はっきりしない耐性について不安になるより、安定した状態の維持を優先し、再発予防のための十分量の薬物療法と、精神療法や心理療法、環境調整をしっかり継続することが大切です。

【抗うつ薬】ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンとはどんな薬【SSRI】

ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンを処方された方へ

一般名

塩酸セルトラリン sertraline hydrochloride

製品名

ジェイゾロフト

剤型

錠剤/OD錠 25mg、50mg、100mg

適応

うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害

用法・用量

1日25㎎を初期用量とし、1日100㎎まで漸増でき、1日1回内服します

後発品

セルトラリン

半減期

約22~24時間

ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンの特徴

セルトラリンはアメリカで開発され、1990年にイギリスで、1991年にアメリカでうつ病の治療薬として承認されました。

世界110か国以上で、うつ病、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、月経全不快気分障害の適応症で承認されています。

外傷後ストレス障害については、海外において90以上の国と地域で承認されており、国際的に外傷後ストレス障害の標準的な治療薬となっています。

本邦では、2006年、うつ病・うつ状態ならびにパニック障害として適応を取得し、2015年に外傷後ストレス障害の適応を取得してます。

セルトラリンは、日本初めて、プラセボを対照とした比較試験によりうつ病・うつ状態の再燃抑制効果が示されたSSRIなのです。

ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンの薬理作用、薬物動態

Tmax(最高血中濃度到達時間)は6~8時間で、半減期は22~24時間です。約5日でほぼ定常状態に達します。

神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。

セルトラリンはセロトニンの再取り込みを選択的に阻害する作用をもちますが、各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さず、モノアミン酸化酵素阻害作用も示しません。

アドレナリン、ヒスタミン、アセチルコリン等の受容体に対する親和性も低く、従来の抗うつ薬に劣らない抗うつ効果を持ちながら、問題となるような有害な副作用が極めて弱いお薬ということです。

セロトニン取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際の臨床場面においてはセルトラリンの治療効果の発現にはおおむね10日から2週間ほど必要になります。

セルトラリンは肝代謝酵素CYP2C19、CYP2C9、CYP2B6、CYP3A4等で代謝されます。

高度の肝障害のある方は血中濃度が上昇することがあるので、増量が必要な場合は、慎重な調整が必要です。

ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンの適応症に対する効果

セルトラリンの適応症として厚生労働省が正式に認可しているのは、うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害です。

諸外国では、強迫性障害、社会不安障害、月経全不快気分障害の適応症で認可されています。

また、摂食障害、アルコール依存症の抑うつ状態などのセロトニン神経系機能不全が想定される疾患にも効果が期待できます。

うつ病・うつ状態

海外における大うつ病の人に対するプラセボを対照としたいくつかの二重盲検比較試験において、セルトラリンはすべての試験でプラセボに比べてHAM-D合計点(うつ状態を評価する検査、点数が高いほど重度)の減少幅が大きく、統計的に優位な差が認められています。

また、最高用量を増量して実施したランダム化治療中止試験においては、主要評価項目であるセルトラリンの再燃率は8.5%であり、プラセボの19.5%に比べ、統計的に優位に低いことが検証され、再燃抑制効果を含むセルトラリンの抗うつ効果が認められています。

IPAP(International Psychopharmacology Algorithm Project)のうつ病治療アルゴリズムでは、大うつ病(中等度以上)の治療において、SSRIが第一に選択されるべき薬物として挙げられています。

海外におけるパニック障害に対するプラセボを対照とした複数の二重盲検比較試験において、セルトラリンは全ての試験でプラセボに比べて改善が認められ、発作回数や全般改善度でもプラセボに比べて統計的に有意な差が認められました。

国内でのプラセボを対照とした二重盲検比較試験においても、パニック発作の出現頻度の有意な減少が認められています。

ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンの注意点、副作用

投与開始後に不安の頻度の増加することがあるため、抗不安薬等の併用が必要な場合があります。

急性有害作用や退薬症状の出現を抑えるために、漸減、漸増することが基本になります。

急激な中止により、めまい、知覚障害、睡眠障害、不安、嘔気、発汗等がみられることがあり、中止する場合は、徐々に減量することが必要です。

内服中の自動車等危険を伴う機会を操作する際には充分注意する必要があり、従事しないようにしましょう。

母乳中への移行のため、授乳婦は内服を避けることが望ましいですが、やむを得ず内服するばあいは授乳をやめ、ミルクにしましょう。

主な副作用として、嘔気、傾眠、口渇、めまい等の報告が多いです。

衝動性を増悪させる可能性があるので、衝動性が高い併存障害を有する場合だけでなく、開始初期は注意深い観察が必要です。

頻度は少ないのですが、不安感、焦燥感、興奮、パニック症状、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、躁状態が出現することがありますので、主治医と相談しながら調整する必要があります。

ジェイゾロフト®/塩酸セルトラリンの薬物相互作用

セルトラリンは肝代謝酵素(チトクロムP450)に対する影響が比較的少ない薬剤ではあります。

併用してはいけない薬物としては、モノアミン酸化酵素阻害薬があります。モノアミン酸化酵素阻害薬との併用により、セロトニン症候群(錯乱、発熱、見送ろヌス、振戦、協調異常、発汗等がみられる)が現れることがあります。

機序は不明ですが、炭酸リチウムとの併用によってもセロトニン症候群が現れることがあり、注意が必要です。

ワーファリンとの間に薬物相互作用が報告されており、ワーファリン内服中の方は内科の主治医にも伝えて相談してください。

【抗うつ薬】パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物とはどんな薬か【SSRI】

パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和を処方された方へ

一般名

パロキセチン塩酸塩水和物 paroxetine hydrchloride

製品名

パキシル、パキシルCR

剤型

パキシル:5mg、10mg、20mg

パキシルCR:12.5mg、25mg

適応

①うつ病・うつ状態、②パニック障害、③強迫性障害、④社会不安障害、⑤外傷後ストレス障害

用法・容量

①1日1回10~20㎎夕食後で開始し、1日40㎎まで

②1日1回30㎎夕食後から開始し、1日30㎎まで

③1日1回20㎎より開始し、1日50㎎まで

④1日1回10㎎より開始し、1日40㎎まで

⑤1日1回10~20mgより開始し1日40㎎まで

(*パキシルCRの場合、パキシル10=パキシル12.5㎎と換算して計算します)

後発品

パロキセチン

半減期

約15時間

パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物の特徴

パロキセチンはデンマークの会社により1975年に開発され、1990年に抗うつ薬として初めてイギリスで承認され、抗うつ薬として世界110か国以上、、パニック障害および強迫性障害の治療薬として80か国以上で承認されています。

外傷後ストレス障害の治療薬としては60か国以上で承認されています。

2000年に承認されたお薬です。日本ではパニック障害への適応が認められた最初のSSRIでした。

2006年に強迫性障害、2009年に社会不安障害、2013年に外傷後ストレス障害の適応を取得しています。

パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物の薬理作用・薬理動態

Tmax(最高血中濃度到達時間)は 約5時間、半減期は約15時間、約7日でほぼ定常状態となります。

神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用されます。

パロキセチンはセロトニンの再取り込みを選択的に阻害する作用をもちます。抗コリン作用は三環系抗うつ薬に比較してきわめて弱いものですが、SSRIの中では一番強く、口渇感や便秘が出現する可能性があります。

セロトニン再取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際の臨床場面においてはパロキセチンの治療効果の発現に概ね10日から2週間が必要となります。

主に肝薬物代謝酵素CYP2D6で代謝され、尿中に排泄されます。

高度の腎・肝障害のある人では血中濃度が上昇することがあります。

パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物の適応症に対する効果

パロキセチンの適応症として厚生労働省が正式に認可しているのは、うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害及び外傷後ストレス障害です。

パニック障害、強迫性障害、摂食障害、月経全不快気分障害、アルコール依存症に伴う抑うつ状態などの病態にはノルアドレナリン神経系に作用する薬物より、SSRIが有効であるようです。

IPAP(International Psychopharmacology Algorithm Project)のうつ病治療アルゴリズムでは、大うつ病(中等度以上)の治療において、SSRIが第一に選択されるべき薬物として挙げられています。

パニック障害に対するSSRIの有効性がメタアナライシスにより確かめられています。

本邦での臨床試験成績ではパロキセチン投与8週後の最終全般改善度における改善率(中等度改善以上)は約50%であり、プラセボ群の約30%と比べても優位に優れていました。

ただし、SSRI投与開始後2週間程度、不安発作の頻度が増えることも報告されているので、抗不安薬の併用などの調整が有効であることも多いです。

パロキセチンを強迫性障害の方へ12週間投与し、強迫症状改善度における改善率(著効以上)は、61.1%であり、プラセボ群の24.7%に比べて、優位に優れていました。

パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物の注意点、副作用

投与開始後に不安の頻度の増加することがあるため、抗不安薬等の併用が必要な場合があります。

急性有害作用や退薬症状の出現を抑えるために、漸減、漸増することが基本になります。

急激な中止により、めまい、知覚障害、睡眠障害、不安、嘔気、発汗等がみられることがあり、中止する場合は、徐々に減量することが必要です。内服中の自動車等危険を伴う機会を操作する際には充分注意する必要があり、従事しないようにしましょう。

妊娠の可能性がある場合には主治医と相談し、可能であれば中止することが望ましいでしょう。

母乳中への移行のため、授乳婦は内服を避けることが望ましいですが、やむを得ず内服するばあいは授乳をやめ、ミルクにしましょう。

主な副作用として、嘔気、傾眠、口渇、めまい等の報告が多いです。

衝動性を増悪させる可能性があるので、衝動性が高い併存障害を有する場合だけでなく、開始初期は注意深い観察が必要です。

頻度は少ないのですが、不安感、焦燥感、興奮、パニック症状、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、躁状態が出現することがあります。主治医と相談しながら調整する必要があります。

パキシル®、パキシル®CR/パロキセチン塩酸塩水和物の薬物相互作用

パロキセチンは肝薬物代謝酵素CYP2D6の阻害作用を有することから、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、抗不整脈薬、β遮断薬等の血中濃度が上昇し、これらの薬剤の作用が増強することがります。

また、フェニトインやフェノバルビタール等は肝薬物代謝酵素誘導作用を有するため、パロキセチンとの併用によりパロキセチン血中濃度が低下するおそれがあります。

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ルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンマレイン酸塩を処方された方へ

一般名

フルボキサミンマレイン酸塩 fluvoxamine maleate

製品名

ルボックス、デプロメール

剤型

25㎎、50㎎、75㎎

後発品

フルボキサミンマレイン酸塩

適応

うつ病、うつ状態、強迫性障害、社会不安障害

用法用量

通常成人には1日50㎎を初期用量とし、1日150㎎まで増量し、1日2回に分割して内服します。

ルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンマレイン酸塩の特徴

Tmax(最高血中濃度到達時間) 約4~5時間、半減期約9~14時間、約3日でほぼ定常状態となります。

肝臓で酸化的に脱メチル化されて薬理活性を持たない代謝物となり、尿中に排泄されます。

フルボキサミンはオランダの会社により開発され、日本では1999年SSRIとして初めて承認されたお薬です。

ノルアドレナリン再取り込み阻害作用に比較して、格段にセロトニン再取り込み阻害作用が強い。フルボキサミンは他の神経伝達物質受容体に対する親和性が低く、そのため、有害副作用が少なく安全性の比較的高い薬物です。

ルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンンマレイン酸塩の薬理作用、薬理動態

神経終末からシナプス間隙へ放出されたセロトニンは主として神経終末に存在するセロトニントランスポーターを介して速やかに取り込まれ再利用される。

フルボキサミンはセロトニンの再取り込みを選択的に阻害する作用をもちますが、各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さず、モノアミン酸化酵素阻害作用も示しません。再取り込み阻害作用は投与後に比較的短時間に引き起こされますが、実際の臨床での治療効果発現には10日前後必要です。

実験動物を用いた薬効薬理試験では抗うつ作用や強迫行動の抑制が確認されています。

うつ病及びうつ状態における臨床症状改善率は約60%といわれています。

うつ病だけでなく、強迫性障害、摂食障害、月経前不快気分障害、アルコール依存症の抑うつ状態等への効果も期待できるかもしれません。

ルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンマレイン酸塩の注意点、副作用

服用開始後に効果の出現に先行して、様々な副作用がでることがあります。そのことが、内服への抵抗感や拒否感につながり、症状を遷延させてしまうことにつながる可能性があります。

そのために、治療効果発現までの見通しや服薬開始後に出現することが予測される副作用について、知識を持っておくことが大切です。

投与量の急激な減少や内服中止により、頭痛、嘔気、めまい、不安感、不眠、集中困難等がみられる離脱症状がみられることがありますので、投与を中止する場合には徐々に減量する慎重な調整が必要です。

フルボキサミンはかみ砕くと苦みがあり、下のしびれが出現することがありますので、水とともに服用し、噛まないようにしましょう。

自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないこと、飲酒を避けることが必要です。

高齢者では肝機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続する可能性がありますので、増量に際しては、用量等に注意する必要があります。

妊娠の可能性がある場合には主治医と相談し、可能であれば中止することが望ましいでしょう。

母乳中への移行のため、授乳婦は内服を避けることが望ましいですが、やむを得ず内服するばあいは授乳をやめ、ミルクにしましょう。

嘔気、悪心、口渇、便秘等の消化管の症状が出現することがありますが、服用の中止または減量を必要とせずに、副作用が消失することが多いです。吐き気止めを併用することで、副作用症状を軽減できる可能性があります。

フルボキサミンを過量内服した場合の急性中毒症状は、悪心、嘔吐、下痢等の胃腸症状、眠気及びめまいが多く、時に不整脈や低血圧等の循環器症状、肝機能障害、けいれんや意識障害が出現することもあります。

また、投与初期には抑うつ症状や不安焦燥感、不眠が増えることがあるので、安定剤などを少量併用することが助けになることがあります。

フルボキサミンは動物試験で身体依存性及び精神依存性は認められなかったようです。

ルボックス®、デプロメール®/フルボキサミンマレイン酸塩の薬物相互作用

フルボキサミンは、主に肝薬物代謝酵素CYP3A4阻害作用を有し、他にもCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6の阻害作用も有するので、抗てんかん薬や、三環系抗うつ薬、ベンゾピアゼピン系薬物、βー遮断薬、キサンチン系気管支拡張薬、クマリン系抗血液凝固薬の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させ、血中半減期を延長させます。

他にお薬を飲んでいる場合は主治医に相談しておくといいでしょう。

また、炭酸リチウムとフルボキサミンの併用で、両薬剤の作用増強の報告もあります。