ギャンブル依存症、病的賭博の治療とは

ギャンブル依存症、病的賭博とは

世界保健機関(WHO)が定める国際疾病分類(ICD)において、ギャンブル依存症とは、「習慣および衝動の障害」というカテゴリーの中の、「病的賭博」という項目に当てはまる病気です。

ギャンブル依存、病的賭博の評価:SOGS

SOGS(South Oaks Gambling Screen)にて評価します。以下の質問に答えて下さい。

1)ギャンブルで負けたとき、負けた分を取り返そうとして別の日にまたギャンブルをしたか。

a)しない、b.)回に1回はする、c)たいていそうする、d)いつもそうする

(cまたはdを選択すると1点)

2)ギャンブルで負けたときも、勝っていると嘘をついたことがあるか。

a)ない、b)半分はそうする、c)たいていそうする

(bまたはcを選択すると1点)

3)ギャンブルのために何か問題が生じたことがあるか。

a)ない、b)以前はあったが今はない、c)ある

(bまたはcを選択すると1点)

4)自分がしようと思った以上にギャンブルにはまったことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

5)ギャンブルのために人から非難を受けたことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

6)自分のギャンブル癖やその結果生じた事柄に対して、悪いなと感じたことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

7)ギャンブルをやめようと思っても、不可能だと感じたことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

8)ギャンブルの証拠となる券などを、家族の目に触れぬように隠したことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

9)ギャンブルに使う金に関して、家族と口論になったことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

10)借りた金をギャンブルに使ってしまい、返せなくなったことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

11)ギャンブルのために、仕事や学業をさぼったことがあるか。

a)ある、b)ない

(aを選択すると1点)

12)ギャンブルに使う金はどのようにして作ったか。またどのようにして借金をしたか。

当てはまるものに何個でも○をつける。

a)生活費を削って、b)配偶者から、c)親類、知人から、d)銀行から、e)定期預金の解約、f)保険の解約、g)家財を売ったり質に入れて、).消費者金融から、i)ヤミ金融から

(○1個につき1点)

※5点以上を病的賭博、3~4点を問題賭博とみなします。

ギャンブル依存症、病的賭博は不治の病。だが回復は可能。

ギャンブル依存症、病的賭博は自然治癒がなく、治療しなければ限りなく進行します。

不治の病ではありますが、回復は可能です。

ギャンブル依存症、病的賭博は言い換えれば脳腫瘍のようなものです。

手術も出来ない深部に巣食う脳腫瘍だから、治療しなければ限りなく拡大し、もちろん意志の力では縮小しません。

ただし、脳腫瘍と違うのは命を落とすことはないことと、治療による回復が可能ということです。

病的賭博の二大症状は虚言と借金です。

それに加えて否認が多くみられます。自分は「依存症になんかなっていない」と思っています。

ギャンブル依存症、病的賭博の治療

本人がしぶしぶでもいいので、受診に同意した場合は専門の医療機関に受診させましょう。

精神科、心療内科、メンタルクリニック等で依存症治療を専門にしているところで自宅から通院可能な範囲の病院、クリニックを探してください。家族同伴で受診する必要があるでしょう。

本人がしぶしぶ来院した場合でも、専門外来の医師は家族に向かって話を進めて下さることが多く、最初は聞く耳を持たない本人に何を言っても無駄ですので、むしろ本人に関する重大な話を傾聞させたほうが効果的です。

しかし、つらいことかもしれませんが、家族のできる対応はほぼ皆無です。

家族ができること

①借金の尻拭いは病気を悪化させるだけなので絶対してはいけません。

②本人の収入は家族が管理し、毎日決まった金額(例えば300円から500円、もしくは毎週3000円)しか渡してはいけません。

③退社時など、こまめに家に携帯電話をいれさせて、行動予定を報告させて下さい。

借金に対しては

本人に返させて下さい。返す能力がなければ潔く自己破産を検討することもあります。

本人に収入があり、借金が巨額出ない場合は特定調停(調停委員会が仲介にはいり5年以内に分割返済)や任意整理(弁護士や司法書士に依頼して債務圧縮をはかって返済)、個人再生(再生計画によって減額させれた債務を3年間の分割払いで返済)を検討します。

家族、周りの人の心構え

病的賭博のご両親は、自分達の育て方が悪かったのではと思うかもしれませんが、先ほども述べたように脳腫瘍と同じようなもので、親の育て方は全く関係ありません。

ご両親の罪悪感は百害あって一利なしです。

配偶者の罪悪感はもっと深刻です。

関係者のうつ病の発症率が高く、本人に治療する気が全くないときは、配偶者の方の意向を汲んで離婚も検討します。

配偶者にとって、病的賭博者との生活は、苦労が徒労に終わってしまうことが多く、離婚という選択肢をとり、その後自分のために歯をくいしばって苦労する方がよっぽど実を結ぶ可能性があります。

配偶者が離婚を決意してようやく本人の尻に火がつき、治療のルートにのった例も少なくありません。

治療

週1回以上の自助グループ参加と、月1回の通院をして下さい。

専門の外来通院をしっかり開始することから全てが始まります。

保健所、精神保健福祉センター、自助グループ・リハビリ施設、家族会・家族の自助グループなどへ積極的に相談して、利用可能な支援を選択することが大切です。

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