拒食症を治したい!【神経症性食思不振症】

神経症性食思不振症について

思春期やせ症あるいは拒食症とも呼ばれています。

この病気は若い女性の間で増加しています。

この病気になるといろいろな身体及び精神的な問題を生じ、日常生活に支障をきたします。そして極端な場合は死に至ります。

神経症性食思不振症は治る病気です。

治るためには、まず最初にこの病気についてよく知ることが大切です。

神経症性食思不振症とは

神経性食思不振症とは、精神的な原因より食行動の異常を生じ、極端なやせをきたす病気です。

そして病的にやせているにもかかわらず、やせていると思わず(ボディイメージの障害)、体重増加に対する強い不安、恐怖(肥満恐怖)を示します。

さらにこの状態が病気であることを認めたがらず、治療に無関心か、あるいは治療に抵抗を示します。

しかし、病気が進みますと種々の身体及び精神合併症を生じ、極端な場合は死に至ります。

またこの病気の経過中に自制困難な食べたいという欲求を生じてある一定の時間内に大量の食べ物を食べ(過食)、その後嘔吐(もどす)したり、下剤を用いたりして体重増加を防ぐこともあります。

神経症性食思不振症の原因

神経性食思不振症の原因については、いまだ十分に分かっていません。

心理的ストレス、将来の自立に対する不安(進学、就職、結婚など)、あるいは家庭内不和などにより食欲が低下して食べられなくなったり、「やせてスリムな体型になる」ために過剰なダイエットをしたりして体重が減少します。

これがさらにすすみますと、お腹が空いているにもかかわらず空腹を感じなくなり、少量の食物しか食べれず、さらに体重が減少します。

しかし心の中では何か達成したような気持ちになり、今までの悩みを一時忘れます。

そして毎日体重のこと、食物のカロリーのことで頭の中がいっぱいになり、体重を増えないようにすることが生活上最も重要なこととなります。

そして体重が減れば「成功」したと思い、少しでも増えれば「失敗」したと思うようになります。

その結果、やせや栄養障害により種々の身体的、精神的合併症を生じ、これがさらに食生活に影響を与えるといった悪循環を生じます。

神経性食思不振症の症状

1.食行動の異常(食思不振、不食、節食、かくれ食い、過食、嘔吐など)

2.著しいやせ

3.やせているにもかかわらず、やせているとは思わない。

4.やせているのに少しでも体重が増加すると不安になる。

5.やせているにもかかわらず、体重が増えないように運動する。

6.自信をなくしたり、無気力、抑うつ状態になる。

7.友達や友人から孤立していく。

8.無月経

9.脱毛

10.うぶ毛が濃くなる

11.低体温

12.脈拍が遅くなる(1分間に60回以下)

13.低血圧

拒食症によって生じる身体および精神の合併症

脳萎縮・けいれん・失神

脱毛

低身長

不眠・集中力低下・疲れやすい・ゆううつ気分・いらいら

聴覚過敏

虫歯・味覚障害

うぶ毛の密生・皮膚かんそう

低血圧・徐脈・不整脈

血液障害

肝・膵機能障害

便秘

腰痛

無月経・性欲低下

手が冷える・冷え性・寒がり

歩行困難(筋萎縮)・骨粗鬆症

むくみ(浮腫)・脱水

神経性食思不振症は治る病気です

治療法として精神療法、行動療法、身体療法(薬物、輸液など)をその人の状態により組み合わせて行われます。

治療目標はまず正常な食事パターンと体重の回復とし、これは食事教育プログラムにより、「本人が自分で適切に食事をすることを学んでもらう」ことにより達成してもらいます。

しかし、体重がある程度回復するだけでは十分でなく、次の段階では社会(家族、学校、職場)で不適応を起こした心理的問題の解決と新しく適応することを練習してもらいます。

これらの治療目標を達成するには、まず神経性食思不振症についての正しい知識と理解が必要です。

そして親の食事をめぐる叱責や脅迫めいた説得は、効果がないだけでなく親子間の関係をさらに悪化させますので、しないようにしましょう。

「患者自身が適切に食事をすることを学び実行すること」について、家族の忍耐強い協力と心の成長を温かく見守るという姿勢が必要です。

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