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【安定剤をやめたい方へ】漢方治療:柴朴湯【抗不安薬】

      2018/03/29

安定剤をやめたい方の漢方薬

心療内科やメンタルクリニックを受診した際、安定剤が処方されることがしばしばあります。

一般的に処方される安定剤は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬と言われるお薬です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、GABAの脳内作用を強め、中枢神経を抑制することで抗不安作用や催眠作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用等の効果を発揮します。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、確かな効果と速効性が期待でき、症状を速やかに改善させることができますが、その一方で依存や耐性、離脱症状がみられることがあり問題となります。

安定剤で症状が良くなった場合、いつまで内服する必要があるのか、どのように減らせばいいのかということはとても大切なことです。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用や離脱症状を知る

しばしばみられる副作用

眠気、ふらつき、めまい、脱力感、倦怠感、もうろう感

ときどきみられる副作用

食思不振、悪心、嘔吐、便秘、胃腸不快感、口渇、排尿困難、頭痛、低血圧、興奮・錯乱

まれにみられる副作用

黄疸、発疹、かゆみ、血液障害、振戦、手足のしびれ、発汗、熱感、のぼせ感、乏尿、蛋白尿、浮腫、月経異常

ベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬の長期投与後にみられうる離脱症状

睡眠障害、不安、不眠、被刺激性、筋肉痛、筋攣縮、振戦、ふるえ、頭痛、嘔気、食思不振、発汗、霧視

音・光・臭い・触覚などへの感覚過敏、味・臭いなどへの感覚鈍麻

めまい、耳なり、いらいら感、離人感、現実感の喪失

ベンゾジアゼピン系抗不安薬をやめるための漢方治療への置換

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、日常生活に支障をきたすほどの不安感や焦燥感に対して、短期間使用することが多いでずが、漫然と長期使用することはおすすめしません。

しかし、実際の診療場面では「内服して安定しているから減薬したくない」という訴えから、長期的に服用する状態が持続し、依存、耐性が形成されることもしばしばみられます。

減薬については、総量の25%くらいの量で、1~2週間以上毎にゆっくり減量することが推奨されています。

日常生活には様々なストレスがあり、ライフイベントに伴いストレス因が増えて、症状が増悪することもあり、減薬自体への不安も伴い、なかなか減薬に踏みこめない方も多くいます。

内服がなくなることに対して不安が出やすい、離脱症状が出現しやすく減薬しにくい、ベンゾジアゼピン系の副作用が出現しやすいが不安感等の症状が残存する、そういう方は漢方への置換を検討してみてはいかがでしょうか。

不安に対しておすすめな漢方:柴朴湯(サイボクトウ)とは

柴朴湯は、小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方で、内科領域ではアレルギー疾患に良く用いられています。

柴胡、半夏、人参、生姜等の中枢神経作用、厚朴、甘草、蘇葉等の鎮静作用が不安を改善させてくれます。

柴朴湯(サイボクトウ)の構成生薬

柴胡(サイコ)

セリ科ミシマサイコの根です。

中枢抑制作用(鎮静、鎮咳、鎮痛、解熱など)、抗消化性潰瘍、肝障害改善、抗炎症・抗アレルギー、ステロイド剤副作用防止、脂質代謝改善、抗ストレス、インターフェロン誘起作用などがあります。

大棗(タイソウ)

クロウメモドキ科ナツメの果実です。

抗アレルギー、抗消化性潰瘍、抗ストレス、血液凝固抑制、鎮静、腎障害改善作用などがあります。

半夏(ハンゲ)

サトイモ科カラスビシャクのコルク層を除いた塊茎です。

抗ストレス、鎮静、鎮痛、鎮吐、唾液分泌亢進、抗アレルギー、抗消化性潰瘍、腸管内輸送促進、抗ウイルス、血圧降下、免疫賦活作用等があります。

茯苓(ブクリョウ)

サルノコシカケ科マツホドの菌核です。

利尿、抗腫瘍、免疫賦活、抗炎症、腎障害改善、抗潰瘍、血液凝固抑制作用等があります。

人参(ニンジン)

ウコギ科オタネニンジンの根です。

中枢興奮、中枢抑制、抗ストレス、抗疲労、強壮、男性ホルモン増強、脳血流量増加、抗炎症、血圧降下、血糖降下、脂質代謝改善、抗腫瘍、抗潰瘍、抗老化、免疫賦活、肝障害抑制、向精神作用等があります。

甘草(カンゾウ)

マメ科カンゾウなどの根です。

鎮静・鎮痙、鎮咳、抗消化性潰瘍、利胆、肝機能改善、肝保護、抗炎症、抗アレルギー、抗糖尿病、抗動脈硬化作用等があります。

黄芩(オウゴン)

シソ科コガネバネの周りの皮を除いた根です。

中枢抑制作用(鎮痛・鎮静・運動抑制)、体温調整、血圧降下、毛細血管強化、抗動脈硬化、脂質代謝改善、肝障害予防、抗消化性潰瘍、抗炎症・抗アレルギー作用などがあります。

蘇葉(ソヨウ)

シソ科シソ・チリメンジソの葉および枝先です。

鎮静、免疫賦活、抗アレルギー、TNF産生抑制、抗菌作用などがあります。

厚朴(コウボク)

モクレン科ホオノキなどの樹皮です。

筋弛緩・抗痙攣、鎮静、抗消化性潰瘍、抗炎症・抗アレルギー、血圧降下、鎮吐、抗菌、抗腫瘍作用などがあります。

生姜(ショウキョウ)

ショウガ科ショウガの根茎です。睡眠延長、解熱・鎮痛、抗けいれん、鎮咳、鎮吐、血圧降下、強心、唾液分泌亢進、抗潰瘍、肝障害予防・改善作用等があります。

証(虚実)

中間証~虚証

柴朴湯の適応

柴朴湯は定期的に内服することで、不安感や落ち込み、全身倦怠感などの精神的や症状と、喉のつまった感じである咽頭異物感、咳嗽、めまい、動悸、嘔気などの自律神経失調症状も改善してくれる効果をもっています。

パニック発作等の不安を軽減する効果もあります。

また、不安時に屯用で内服することでも抗不安作用を発揮します。

ベンゾジアゼピン系薬剤への依存・耐性、減薬の際の離脱症状、不安が残存している等で、ベンゾジアゼピン系薬剤を減らしたいけどなかなか減らせないという方は、柴朴湯を併用してゆっくり減薬を試みてはいかがでしょうか。

 

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