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【ベンゾジアゼピン】授乳とお薬について【心療内科・精神科編】

妊産婦は精神状態が不安定となることが多く、安定剤や睡眠薬を内服せざるをえない場合があります。

安定剤・睡眠薬の中でも代表的なベンゾジアゼピン系の薬剤を内服する場合、新生児に授乳をしている母親は、薬物及び代謝物の母乳中への移行と新生児への影響に注意が必要です。

ベンゾジアゼピン系薬剤の母乳中移行と新生児への影響についてはセルシン®、ホリゾン®(ジアゼパム)に関しての研究がみられます。

帝王切開で出産後、強い不安、抑うつ状態が出現した母親に、ジアゼパムを1日30㎎を3日間(計90㎎)投与された場合、乳児がが昏睡状態となり、体重減少(-170g/日)がみられたと報告されました。

ジアゼパムないしはその代謝物が母乳を通して乳児に移行したと考えられます。

別の研究では、ジアゼパム10㎎を毎食後に3回、合計30㎎/日を3人の産婦に内服してもらい、4日後と6日後にジアゼパムとN-デスメチルジアゼパム(代謝物)の母親の血中濃度、、母乳中濃度および乳児の血中濃度を測定した研究があります。

結果は6日後の母親の血中濃度と母乳濃度の比は10:1でした。

また乳児の血中濃度はジアゼパム、N-デスメチルジアゼパム共に母乳中濃度に近い値でしたが、乳児に眠気や呼吸抑制などの所見は見られませんでした。

ただし、この研究は6日間であり、薬物代謝機能が不十分な乳児に長期間授乳を続ければ蓄積する可能性があり、ジアゼパム服用中には授乳を中止するのが望ましいとされています。

また、別の研究では母親のジアゼパム血中濃度と母乳中濃度の比は約4.6:1~0.4:1であり、平均2:1という結果ですが、約10倍近い個体差があったことが指摘されています。

これらの報告から判断すると、いずれにせよ母乳中への移行は高値ではなく、1日にジアゼパム10㎎程度を内服した場合、新生児が1日500mlの母乳を飲んだとしても、新生児が摂取するジアゼパムと、N-デスメチルジアゼパムの量はせいぜい45μg程度となり、有意な障害は与えないと考えられます。

しかし、産婦の内服量が多くなり、高用量となる場合には新生児の代謝能力が低いため、蓄積し予期せぬ症状が出現することがありえるので、授乳は中止するべきでしょう。

ジアゼパム以外のベンゾジアゼピン系薬剤においては、ロラゼパム(ワイパックス®)、ニトラゼパム(ベンザリン®、ネルボン®)、クロナゼパム(リボトリール®、ランドセン®)等でも母乳中移行への報告があります。

まとめ

安定剤や睡眠薬として使用されるベンゾジアゼピン系薬剤は母乳中へ移行するため、一般的には授乳は避けた方がいいでしょう。

特にベンゾジアゼピン系薬剤を反復して、あるいは高用量で使用する場合は、新生児への蓄積の危険性が大きく、授乳は中止すべきでしょう。

一方で授乳中に数回安定剤や睡眠薬を内服したとしても、少量の内服であれば、移行する量も少なく過度に心配する必要はないようです。

安定剤や睡眠薬など、ベンゾジアゼピン系薬剤を内服する際には、治療効果による利点と授乳によって生じる危険性について主治医としっかり相談することが大切です。

【安定剤】ベンゾジアゼピン系薬剤を内服していて、授乳していいの?【睡眠薬】

ベンゾジアゼピン系薬剤を内服していて、授乳していいのか

安定剤や睡眠薬などのベンゾピアゼピン系の薬剤を服用している場合、授乳はしてもいいのでしょうか。

結論から言うと、ベンゾジアゼピン系の薬剤は母乳中へ移行するので、授乳は避けた方が良いです。

ベンゾジアゼピン系薬剤と授乳について

ベンゾジアゼピン系の薬剤を服用している母親が新生児に授乳する場合には、薬物及び代謝物の母乳中への移行と新生児への影響に注意する必要があります。

ベンゾジアゼピン系の薬剤の母乳中移行と新生児への影響については、セルシン®(ジアゼパム)での研究報告があります。

ある研究では薬剤の母親の血中濃度と母乳濃度との比は1~10対1と約10倍もの個体差が大きいようです。

乳児の血中濃度は母乳濃度と近いもしくはそれより低い値になるようです。

ベンゾジアゼピン系の薬物による乳児への影響で多いのは、眠気や呼吸抑制、哺乳力低下による体重減少などが考えられます。

また、乳児は薬物代謝機能が不十分であるため、薬物は蓄積しやすく、長時間の授乳により影響が大きくなると考えられます。

母乳中への移行はありますが、高用量を使用しなければ、母乳中濃度は高値にならず、不安時などの頓服使用であれば、主治医と十分に相談したうえで、治療選択肢になる可能性があるでしょう。

しかし、逆に高用量を使用する場合には、新生児の代謝能は低いため、授乳は中止した方がいいでしょう。

まとめ

安定剤や睡眠薬などのベンゾジアゼピン系薬物は母乳中へ移行するため、一般的に授乳は避けた方が望ましく、特に高用量使用の場合は、新生児への蓄積の危険性が大きく授乳は中止した方がよいでしょう。

しかし、不安時などの頓服使用などについては、ミルクなどの併用も利用し、治療選択肢として主治医と相談してみてはいかがでしょうか。

【安定剤をやめたい方へ】漢方治療:柴朴湯【抗不安薬】

安定剤をやめたい方の漢方薬

心療内科やメンタルクリニックを受診した際、安定剤が処方されることがしばしばあります。

一般的に処方される安定剤は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬と言われるお薬です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、GABAの脳内作用を強め、中枢神経を抑制することで抗不安作用や催眠作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用等の効果を発揮します。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、確かな効果と速効性が期待でき、症状を速やかに改善させることができますが、その一方で依存や耐性、離脱症状がみられることがあり問題となります。

安定剤で症状が良くなった場合、いつまで内服する必要があるのか、どのように減らせばいいのかということはとても大切なことです。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用や離脱症状を知る

しばしばみられる副作用

眠気、ふらつき、めまい、脱力感、倦怠感、もうろう感

ときどきみられる副作用

食思不振、悪心、嘔吐、便秘、胃腸不快感、口渇、排尿困難、頭痛、低血圧、興奮・錯乱

まれにみられる副作用

黄疸、発疹、かゆみ、血液障害、振戦、手足のしびれ、発汗、熱感、のぼせ感、乏尿、蛋白尿、浮腫、月経異常

ベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬の長期投与後にみられうる離脱症状

睡眠障害、不安、不眠、被刺激性、筋肉痛、筋攣縮、振戦、ふるえ、頭痛、嘔気、食思不振、発汗、霧視

音・光・臭い・触覚などへの感覚過敏、味・臭いなどへの感覚鈍麻

めまい、耳なり、いらいら感、離人感、現実感の喪失

ベンゾジアゼピン系抗不安薬をやめるための漢方治療への置換

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、日常生活に支障をきたすほどの不安感や焦燥感に対して、短期間使用することが多いでずが、漫然と長期使用することはおすすめしません。

しかし、実際の診療場面では「内服して安定しているから減薬したくない」という訴えから、長期的に服用する状態が持続し、依存、耐性が形成されることもしばしばみられます。

減薬については、総量の25%くらいの量で、1~2週間以上毎にゆっくり減量することが推奨されています。

日常生活には様々なストレスがあり、ライフイベントに伴いストレス因が増えて、症状が増悪することもあり、減薬自体への不安も伴い、なかなか減薬に踏みこめない方も多くいます。

内服がなくなることに対して不安が出やすい、離脱症状が出現しやすく減薬しにくい、ベンゾジアゼピン系の副作用が出現しやすいが不安感等の症状が残存する、そういう方は漢方への置換を検討してみてはいかがでしょうか。

不安に対しておすすめな漢方:柴朴湯(サイボクトウ)とは

柴朴湯は、小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方で、内科領域ではアレルギー疾患に良く用いられています。

柴胡、半夏、人参、生姜等の中枢神経作用、厚朴、甘草、蘇葉等の鎮静作用が不安を改善させてくれます。

柴朴湯(サイボクトウ)の構成生薬

柴胡(サイコ)

セリ科ミシマサイコの根です。

中枢抑制作用(鎮静、鎮咳、鎮痛、解熱など)、抗消化性潰瘍、肝障害改善、抗炎症・抗アレルギー、ステロイド剤副作用防止、脂質代謝改善、抗ストレス、インターフェロン誘起作用などがあります。

大棗(タイソウ)

クロウメモドキ科ナツメの果実です。

抗アレルギー、抗消化性潰瘍、抗ストレス、血液凝固抑制、鎮静、腎障害改善作用などがあります。

半夏(ハンゲ)

サトイモ科カラスビシャクのコルク層を除いた塊茎です。

抗ストレス、鎮静、鎮痛、鎮吐、唾液分泌亢進、抗アレルギー、抗消化性潰瘍、腸管内輸送促進、抗ウイルス、血圧降下、免疫賦活作用等があります。

茯苓(ブクリョウ)

サルノコシカケ科マツホドの菌核です。

利尿、抗腫瘍、免疫賦活、抗炎症、腎障害改善、抗潰瘍、血液凝固抑制作用等があります。

人参(ニンジン)

ウコギ科オタネニンジンの根です。

中枢興奮、中枢抑制、抗ストレス、抗疲労、強壮、男性ホルモン増強、脳血流量増加、抗炎症、血圧降下、血糖降下、脂質代謝改善、抗腫瘍、抗潰瘍、抗老化、免疫賦活、肝障害抑制、向精神作用等があります。

甘草(カンゾウ)

マメ科カンゾウなどの根です。

鎮静・鎮痙、鎮咳、抗消化性潰瘍、利胆、肝機能改善、肝保護、抗炎症、抗アレルギー、抗糖尿病、抗動脈硬化作用等があります。

黄芩(オウゴン)

シソ科コガネバネの周りの皮を除いた根です。

中枢抑制作用(鎮痛・鎮静・運動抑制)、体温調整、血圧降下、毛細血管強化、抗動脈硬化、脂質代謝改善、肝障害予防、抗消化性潰瘍、抗炎症・抗アレルギー作用などがあります。

蘇葉(ソヨウ)

シソ科シソ・チリメンジソの葉および枝先です。

鎮静、免疫賦活、抗アレルギー、TNF産生抑制、抗菌作用などがあります。

厚朴(コウボク)

モクレン科ホオノキなどの樹皮です。

筋弛緩・抗痙攣、鎮静、抗消化性潰瘍、抗炎症・抗アレルギー、血圧降下、鎮吐、抗菌、抗腫瘍作用などがあります。

生姜(ショウキョウ)

ショウガ科ショウガの根茎です。睡眠延長、解熱・鎮痛、抗けいれん、鎮咳、鎮吐、血圧降下、強心、唾液分泌亢進、抗潰瘍、肝障害予防・改善作用等があります。

証(虚実)

中間証~虚証

柴朴湯の適応

柴朴湯は定期的に内服することで、不安感や落ち込み、全身倦怠感などの精神的や症状と、喉のつまった感じである咽頭異物感、咳嗽、めまい、動悸、嘔気などの自律神経失調症状も改善してくれる効果をもっています。

パニック発作等の不安を軽減する効果もあります。

また、不安時に屯用で内服することでも抗不安作用を発揮します。

ベンゾジアゼピン系薬剤への依存・耐性、減薬の際の離脱症状、不安が残存している等で、ベンゾジアゼピン系薬剤を減らしたいけどなかなか減らせないという方は、柴朴湯を併用してゆっくり減薬を試みてはいかがでしょうか。

 

【睡眠薬】ドラール®/クアゼパムとはどんな薬?

ドラール®/クアゼパムを処方された方へ

一般名

ドラール quazepam

製品名

ドラール

剤型

錠剤 15mg、20mg

後発品

クアゼパム

適応

①不眠症

②麻酔前投薬

用法・用量

①不眠症:1回20㎎を就寝前に内服します。1日最高用量は30㎎です。

②麻酔前投薬:手術前夜、1回15㎎~30㎎を就寝前に内服します。1日最高用量は30㎎です。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合も原則禁忌となります。

半減期

約36時間

ドラール®/クアゼパムの特徴

ドラール®/クアゼパムは、米国シェリング・プラウ社で1971年に合成された、中・長時間作用型に分類されるベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

空腹時内服した場合、血漿血中濃度は3.4時間で最高に達し、半減期は約36時間です。

食事により吸収が増大するため、食後内服すると最高血中濃度は大きくなります。

トリフルオロエチル基を有することにより、ベンゾジアゼピン受容体中BZ1受容体に対する特異的な親和性を有しており、BZ1受容体を介して睡眠覚醒を抑制し、睡眠機構に作用します。

REM睡眠への影響が少なく、入眠が早く、熟眠効果に優れ、自然な睡眠を導いてくれます。

中・長時間作用型ですので、短時間作用型薬剤に比較し、夜間・早朝覚醒が少なく、服薬中止時の反跳性不眠の発現する可能性が少ないお薬です。

催眠作用に比べ、筋弛緩作用が少ないのも特徴です。

ドラール®/クアゼパムの薬理作用

下部脳幹を起源とする睡眠導入機構を介して作用すると考えられます。

ドラール®/クアゼパムとその活性代謝物はBZ1受容体に対する選択的な親和性を示します。

BZ1受容体は脳全体に存在し、小脳での存在比率が高い受容体で、傾眠鎮静作用や抗不安作用等に関与し、ドラール®/クアゼパムはこの受容体を介する睡眠覚醒の抑制と睡眠導入機構に作用すると考えられています。

ドラール®/クアゼパムの効果

睡眠ポリグラフを用いた終夜睡眠パターンに及ぼす影響を調べた研究では、躁睡眠時間の延長、躁覚醒時間の減少、睡眠段階1の減少、睡眠段階2の増加が見られています。

REM睡眠と睡眠段階3及び4は、減少傾向を示し、他のベンゾジアゼピン系睡眠薬同様の特徴を有していますが、REM睡眠の抑制作用は弱いようです。

ドラール®/クアゼパムの副作用

眠気・傾眠(6.1%)、ふらつき(3.6%)、頭重感(1.4%)、倦怠感(1%)などの報告があります。

まとめ

ドラール®/クアゼパムは入眠効果、熟眠効果に優れており、自然の眠り近い睡眠の維持をサポートしてくれる中・長時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

睡眠効果が強く、持続的な効果を期待できますが、依存に注意が必要であることと、翌日まで鎮静作用が続く持ち越し作用に注意する必要があります。

筋弛緩作用が弱い特徴を持ってはいますが、高齢者で使用する場合には転倒の危険性と、日中の傾眠の出現に注意が必要です。

【睡眠薬】ダルメート®/フルラゼパム塩酸塩とはどんな薬?

ダルメート®/フルラゼパム塩酸塩を処方された方へ

一般名

フルラゼパム塩酸塩 flurazepam hydrochloride

製品名

ダルメート

剤型

カプセル 10㎎、15㎎

適応

①不眠症

②麻酔前投薬

用法・用量

1回10~30㎎を就寝前または手術前に服用します。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

ノービア®、カレトラ®、ヴィキラックス®/リトナビル(HIV、HCV等の治療薬)を投与中の方は、併用により本剤の血中濃度が上昇し、過度の鎮静や呼吸抑制の可能性があり注意が必要です。

半減期

約47~100時間

ダルメート®/フルラゼパムの特徴

ダルメート®/フルラゼパムは1975年に発売された、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に分類されます。

内服後、約1時間で最高血中濃度に達します。

血中半減期は約47~100時間で長時間作用型に分類されます。

半減期が長いため、持ち越し効果による翌日の眠気が出現する可能性や、日中の精神運動機能への影響は強いお薬です。

その反面、内服を急に中断しても、反跳性不眠や退薬症状が出にくいため、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、各種の不眠症に有効です。

また、連用による耐性も生じにくいといわれています。

催眠作用、抗不安作用は強く、筋弛緩作用は比較弱いと言われています。

REM睡眠を抑制しにくいといわれています。

睡眠薬のREM睡眠とnon-REM睡眠への影響

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は一般的にはREM睡眠と深い睡眠を抑え、中程度の睡眠を増加させます。

REM睡眠を抑えることで夢や悪夢が減りますが、減薬していくときに夢が多くなったりすることがあります。

非ベンゾジアゼピン系のマイスリー®、アモバン®、ルネスタ®及び、ベンゾジアゼピン系でもリスミー®やダルメート®はREM睡眠や深い睡眠への影響が少なく、自然な睡眠を取り戻しやすいといわれています。

ダルメート®/フルラゼパムの薬理作用

GABAニューロンの作用を特異的に増強して、作用を発現すると考えられています。

ダルメート®/フルラゼパムの副作用

ふらふら感、残眠感、倦怠感、頭痛・頭重感、めまいなどの報告があります。

まとめ

ダルメート®/フルラゼパムは内服後1時間前後で入眠ができ、持続効果が長く、REM睡眠への影響が少なく自然な眠りを取り戻しやすい、長時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

睡眠効果が強く、持続的な効果を期待できますが、翌日まで鎮静作用が続く持ち越し作用に注意する必要があります。

【睡眠薬】マイスリー®/ゾルピデム酒石酸塩とはどんな薬?

マイスリー®/ゾルピデムを処方された方へ

一般名

ゾルピデム酒石酸塩 zolpidem tartrate

製品名

マイスリー

剤型

錠剤 5mg、10mg

後発品

ゾルピデム酒石酸塩(錠剤、OD錠、内用液)

適応

不眠症(統合失調症・躁うつ病の不眠症は除く)

用法・用量

1回5~10㎎を就寝直前に内服します。高齢者には1回5㎎から開始します。最大10㎎まで使用できます。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

重篤な肝障害のある方は、代謝機能の低下により血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれる可能性があり、注意が必要です。

半減期

約2時間

マイスリー®/ゾルピデムの特徴、効果

マイスリー®/ゾルピデムは1988年にフランスで上市されたイミダゾピリジン類に分類される非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

日本では2000年9月に製造承認され、同年12月に発売されました。

ベンゾジアゼピン受容体

ベンゾジアゼピン受容体にはω1、ω2、ω3の3つのサブタイプがあり、中枢に分布するGABAAのサブタイプの機能と臨床効果の関連が指摘されています。

ω1受容体は脳全体に分布しますが、特に小脳、嗅球、淡蒼球などに高密度で分布し、催眠鎮静作用に関連しています。

ω2受容体は脊髄、海馬、線条体などに多く分布し筋弛緩作用に強く関連しています。

マイスリー®/ゾルピデムの特徴、薬理作用

マイスリー®/ゾルピデムはω1選択性を示す超短時間作用型(半減期1.7~2.4時間)の睡眠薬ですが、短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬で生じる反跳性不眠や反跳性不安も、推奨投与期間の4週間以内であれば生じることが少なく、代謝物が薬理活性を有さないために反復投与でも蓄積効果は見られません。

長時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠薬では残遺効果や筋弛緩作用があるため、特に高齢者ではふらつきや転倒などの副作用が問題となりますが、マイスリー®/ゾルピデムでは筋弛緩作用が弱く安全性に優れ、高齢者の不眠にも使いやすいでしょう。

また、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬では睡眠段階2を増加させ、睡眠段階3、4の深睡眠を減少させてREM睡眠潜時の延長とREM睡眠の減少をもたらすのに対して、マイスリー/ゾルピデムでは睡眠段階2を増加させず、深睡眠を増加させる傾向にあり、REM睡眠に影響しないため、入眠障害だけでなく熟眠障害や、中途覚醒に対しても優れた効果を持っています。

マイスリー®/ゾルピデムの副作用

ふらふら感(4.0%)、眠気(3.4%)、倦怠感(2.8%)、頭痛・頭重感(2.8%)、残眠感(2.6%)、悪心(2.1%)、健忘などの報告がみられます。

まとめ

マイスリー®/ゾルピデムは寝つきを改善する効果が強く、朝に薬効が残りにくく、熟眠障害や中途覚醒への効果も期待できる、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

筋弛緩作用が少なく、依存や耐性に関しても短期間使用であれば、危険性も少なく、高齢者の不眠にも使用しやすい薬剤です。

【睡眠薬】アモバン®/ゾピクロンとはどんな薬?

アモバン®/ゾピクロンを処方された方へ

一般名

ゾピクロン zopiclone

製品名

アモバン

剤型

錠剤 7.5mg、10mg

後発品

アモバンテス、ゾピクロン、ドパリール

適応

①不眠症

②麻酔前投薬

用法・用量

1回7.5~10㎎を就寝前または手術前に内服します。最大10㎎まで使用できます。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合も原則投与しないことを原則とされていますが、特に必要とする場合には慎重に投与します。

半減期

約4時間

アモバン®/ゾピクロンの特徴、効果

アモバン®/ゾピクロンは1989年に発売された、超短時間作用型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬になります。

内服後、約1時間で最高血中濃度に達します。

消失半減期は約4時間です。

超短時間作用型ですので、機会性不眠、一過性の睡眠・覚醒スケジュール障害、身体疾患による不眠、熟眠感の乏しい不眠症などに有効です。

機会性不眠

機会性不眠とは:不安、恐怖、情緒的ショックやストレスに伴う情動の興奮、不慣れな環境によって起こる不眠や、時差、交代勤務による睡眠・覚醒リズムの障害のことです)

アモバン®/ゾピクロンを使用してなお中途覚醒、早朝覚醒がみられる場合は中間作用型や長時間作用型へ切り替えるか、併用することもあります。

アモバン®/ゾピクロンの薬理作用

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ですが、薬物作用はベンゾジアゼピン系薬剤と同じです。

ベンゾジアゼピンレセプターに結合し、GABAレセプターに影響を及ぼすことでGABA系の抑制機能を増強し薬理作用を発現します。

抗不安作用、抗痙攣作用、筋弛緩作用を有します。

アモバン®/ゾピクロンの副作用

ふらふら感、眠気、倦怠感、頭痛・頭重感、めまい、健忘などがまれにみられます。

また、他の睡眠薬には少ないのですが、口中の苦味、変な味がするような感覚が出現することがあります。

苦みの出現頻度としては約8%との報告があります。

まとめ

アモバンン®/ゾピクロンは寝つきを改善する効果が強く、朝に薬効が残りにくく、目覚めやすい非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

睡眠効果が強く、特に入眠時の睡眠効果を期待できますが、口の苦みが出現することがあるのと、依存に注意が必要であること、急に中断した際の反跳性不眠に注意する必要があります。

【依存、耐性】睡眠薬を使う人必見【どれがいいのか?】

不眠治療の現状

慢性不眠症は夜間睡眠の質が低下するだけではなく、日中の生活の質の著しい低下やさまざまな精神・身体機能の障害をもたらし、交通事故などの危険性を増大させます。

その他、うつ病、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病への影響など広範囲かつ長期的な悪影響が報告されています。

そのような中、最近では睡眠薬の有効性と安全性について、問題視されることが多くなっています。

不眠は本人にとって非常につらい症状であり、それを改善させる睡眠薬はとてもありがたいお薬です。

しかし、正しい知識で正しい使い方を身につけていないと、知らず知らずのうちに、身体依存、精神依存、持ち越し効果による認知機能や運動能力の低下、ふらつきなど、副作用の問題が出現してくることが多いのです。

睡眠薬自体に対する心理的抵抗感が強い人も多く、不眠になっても受診せず、不適切な不眠治療であったり、治療を始めてもすぐやめてしまうなど、不眠への対応が不十分である場合が多く、さらに症状を複雑化させている場合もあります。

睡眠薬の適正な使用について

過去50年間にわたってベンゾジアゼピン系睡眠薬が不眠症治療の中心として用いられてきました。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、作用時間のバリエーションが豊富で、催眠作用、抗不安作用、筋弛緩作用を持っており、不眠に効果的な作用を持っており、内服した日から効果を実感でき、広く使用されています。

その一方で、ベンゾジアゼピン系睡眠薬による依存や乱用、転倒、骨折などの副作用に対して管理が十分なされていないとの批判が強まっています。

耐性による高用量・多剤併用となる人や、減薬、休薬時の離脱症状などの身体依存の人の報告が増えているようです。

また、一般的に不眠症の方が睡眠薬を使用した場合には報酬系刺激を介した薬物渇望は少ないと言われていますが、抗不安作用に対する心理的な依存がみられることはしばしばあります。

睡眠薬の過量服薬による自殺企図や急性中毒についても問題視されています。

このような睡眠薬の依存や乱用に関する記事が、社会問題として、メディアでもしばしば取り上げられ、問題ばかりが指摘されることが多く、必要で使用している人の不安も高まってしまっていることも少なくありません。

では、睡眠薬の適正な使用についてそれぞれの特性と問題から考えてみましょう。

睡眠薬の特性と問題

バルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬

1950~1960年代まではGABAA受容体作動薬であるバルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬が中心でした。

しかし、耐性による増量や薬を中断した際の離脱症状のリスクが非常に高いことと、安全域が狭く、大量服薬時に呼吸抑制が生じやすいことなど安全性に大きな問題がありました。

そのため、1960年代後半にベンゾジアゼピン系睡眠薬が登場し、以降はほとんど処方されなくなっています。

バルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬は、通常の不眠の治療には使用するべきではないという位置づけになっています。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

1967年にニトラゼパム(ネルボン®、ベンザリン®)が発売されて以降、50年にわたってGABAA受容体作動薬であるベンゾジアゼピン系睡眠薬が不眠症治療の中心を担ってきました。

バルビツール酸系及び非バルビツール酸系睡眠薬に比較して依存のリスクが低く、安全域が広いなど使いやすさは格段に改善されています。

しかし、そのことが安易な漫然処方の一因となっており、長期服用による依存、乱用が社会問題となっています。

以前からベンゾジアゼピン系薬剤を継続内服されている方が、現在高齢者になっている場合も多く、ベンゾジアゼピン系薬剤の場合、高齢者では薬剤に対する感受性が更新し、薬物代謝能の低下もみられるため、血中濃度が高まりやすく、眠気や認知機能低下、健忘、ふらつき、めまいなどの頻度が上昇するため、転倒や骨折などを引き起こす要因にもなり、特に注意が必要です。

そのため、60歳以上の不眠高齢者には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は推奨されなくなっています。

こういったことからベンゾジアゼピン系薬剤は、身体毒性と依存性のリスクが高い薬剤として、厳しい評価を受けるようになっています。

しかし、新しいタイプの睡眠薬がまだ少ない現状では、ベンゾジアゼピン系薬剤の不眠治療に果たす役割は依然として大きいのです。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

GABAA受容体の分子構造とサブユニットの機能解析が進み、1990年代にω1受容体(α1サブユニット)選択性の高い、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発されました。

ベンゾジアゼピン系薬剤に比べて、筋弛緩作用が小さいため、転倒の危険性が低いこと、離脱症状が出現しにくく、身体依存、耐性の危険性が低いことが示されています。

そのため、高齢者の不眠治療ではベンゾジアゼピン系薬剤ではなく、非ベンゾジアゼピン系薬剤の方が推奨されています。

その一方で、抗不安作用や筋弛緩作用が乏しいため、不安や緊張が強い中等度以上の不眠症の方では満足度が低い場合があります。

特に、長期的に服用されているベンゾジアゼピン系睡眠薬を非ベンゾジアゼピン系睡眠薬にきりかえる際には慎重な調整が必要です。

メラトニン受容体作動薬

2010年に発売されたラメルテオン(ロゼレム®)は睡眠構築をほとんど修飾せず、連用による蓄積効果がなく、依存形成や翌日の精神運動機能への影響もないことが確認されています。

高齢者でも安全に服用できる睡眠薬として期待されます。

ラメルテオン(ロゼレム®)は時差ボケ、夜勤労働者の不眠や、昼夜逆転してしまう方など、概日リズム睡眠障害に対する治療効果も確認されています。

オレキシン受容体拮抗薬

2014年9月にオレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサント(ベルソムラ®)が日本で承認されました。

スボレキサント(ベルソムラ®)は原発性不眠に対して十分な有効性を安全性を有していて、特に12ヶ月間の長期服用時の安全性と、その後の休薬時に離脱性不眠の発現がプラセボと差異がないことが示されています。

半減期と作用時間

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用時間

一般的に消失半減期による分類では、

①超短時間作用型(2~5時間)

②短時間作用型(6~10時間)

③中間作用型(20~30時間)

④長時間作用型(50~100時間)

に分類されます。

ベンゾジアゼピン系及び非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の選択基準

寝つきの悪い入眠困難型には消失半減期の短い睡眠薬が使用されます。

途中起きたり、朝方早くに目が覚める睡眠維持障害型には消失半減期がより長い睡眠薬が使用されます。

また、翌日まで眠気の残る持ち越し効果も、作用時間の長短で調整しています。

メラトニン受容体作動薬

ラメルテオン(ロゼレム®)の消失半減期は約1時間と極めて短いのですが、催眠作用についてはそれより長く翌朝の持ち越し効果を訴える方もいます。

おそらく、血中濃度が低下した後も、ラメルテオンの脳内メラトニン1型受容体占有率が高い状態が維持されている可能性があります。

したがって、ラメルテオンを消失半減期だけを指標に超短時間型には分類するのは少し難しいようです。

また、ラメルテオンはメラトニン2型受容体を介した概日リズムの位相変位作用を有しており、寝る前より早めの内服で効果を発揮します。

オレキシン受容体拮抗薬

GABAA受容体作動薬が催眠作用を発揮する脳内受容体占有率は、脳幹部や新皮質を中心として約26~29%と言われています。

一方で、オレキシン受容体拮抗薬は脳内受容体占有率が約65~80%以上で催眠作用を発揮します。

スボレキサント(ベルソムラ®)の消失半減期は12.5時間ですが、催眠作用を維持するためにはGABAA受容体作動薬よりも高い脳内受容体占有率を有します。

そのため、同レベルの消失半減期を有するGABAA受容体作動薬と単純に比較ができず、また、覚醒時刻付近で髄液中の内因性オレキシン濃度が上昇するため、スボレキサント(ベルソムラ®)におる占有率は競合的に低下します。

睡眠薬一覧

分類 一般名 商品名 作用時間 依存

リスク

半減期

(時間)

用量

(mg)

バルビツール酸系 pentobarbital ラボナ 15~50 50~100
amobarbital イソミタール 20 100~300
非バルビツール酸系 bromovalerylurea ブロバリン 2.5 500~800
オレキシン受容体拮抗薬 suvorexant ベルソムラ ほぼ無し 9~10 15~20
メラトニン受容体作動薬 ramelteon ロゼレム ほぼ無し 1 8
GABAA受容体作動薬

(非ベンゾジアゼピン系)

zolpidem マイスリー 超短時間作用型 2 5~10
zopiclone アモバン 4 7.5~10
eszopiclone ルネスタ 5~6 1~3
ベンゾジアゼピン系 triazolam ハルシオン 中~高 2~4 0.125~0.5
etizolam デパス 短時間作用型 6 1~3
brotizolam レンドルミン 7 0.25~0.5
rilmazofone リスミー 10 1~2
lormetazepam ロラメット

エバミール

10 1~2
nimetazepam エリミン* 中間作用型 中~高 21 3~5
flunitrazepam サイレース

ロヒプノール

24 0.5~2
estazolam ユーロジン 24 1~4
nitrazepam ネルボン

ベンザリン

28 5~10
quazepam ドラール 長時間作用型 中~高 36 15~30
flurazepam ダルメート

ベノジール

65 10~30
haloxazolam ソメリン 85 5~10

(*エリミンは2015年11月で販売中止されています)

不眠症のタイプ

過覚醒型

過覚醒型では不眠・抑うつ気分による緊張感が強く、抗不安作用のあるベンゾジアゼピン系睡眠薬が有効であることが少なくありません。

しかし、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の長期使用は推奨されず、不安症状や抑うつ状態が持続する場合には不安障害や、気分障害などを疑い、その治療を行う必要があります。

一旦長期使用したベンゾジアゼピン系睡眠薬を中止するのは簡単ではありません。

減薬・休薬時には離脱性の不眠や不安、焦燥感に加えて、薬剤が無いことや変更したことに対する心理的不安が混在して出現します。

不眠症が寛解していれば、離脱性不眠は徐々に落ち着いて良くなるのが一般的です。

リズム異常型

リズム異常型では、睡眠時間帯が社会的に望ましい時間帯よりもずれていることが多いです。

寝付けない入眠困難が主体となりますが、いったん眠れると睡眠の持続性は良いことが多いです。

このような方は、強い夜型による不眠、概日リズム睡眠障害、睡眠相後退型や交代勤務型による不眠なども含まれます。

リズム異常を有する不眠症に対しては、睡眠習慣指導とともにラメルテオン(ロゼレム®)が第一選択になるでしょう。

睡眠恒常性異常

不眠症の方の中には、一般的に睡眠時間が短くても日中の眠気や翌日の睡眠時間の延長をきたさない方もいます。

それを睡眠恒常性の異常と呼びます。

また、中高年の不眠の方によくみられる午後の昼寝の増加や活動量低下による睡眠ニーズの減少も睡眠恒常性異常に含まれ、夜中途中起きる中途覚醒や、朝方早くに目が覚める早朝覚醒の症状が主体となります。

作用時間の比較的長い睡眠薬が使用されていることが多く、お薬を弱くしたくて、半減期の短い睡眠薬にして症状が増悪する場合がありますので注意が必要です。

依存、耐性形成の極めて少ないスボレキサント(ベルソムラ®)に置換していくような減薬調整が期待されます。

まとめ

睡眠薬はそれぞれの消失半減期のみならず、抗不安作用の有無、リズム調整効果の有無など作用特性が異なります。

そのため、不眠症状のタイプだけではなく、過覚醒、リズム異常、睡眠恒常性異常など、不眠症の方の病態、原因を正確にとらえ、薬剤選択に反映させることが大切です。

【睡眠薬】レンドルミン®/ブロチゾラムとはどんな薬?

レンドルミン®/ブロチゾラムを処方された方へ

一般名

ブロチゾラム brotizolam

製品名

レンドルミン

剤型

錠剤 0.25mg

後発品

グッドミン、ソレントミン、ノクスタール、ブロチゾラム

適応

①不眠症

②麻酔前投薬

用法・用量

①不眠症:1日1回0.25㎎を就寝前に内服します。

②麻酔前投薬:手術前前夜1回0.25mgを就寝前に、麻酔前1回0.5mg内服します。

禁忌

急性狭隅角緑内障(眼圧が上昇し、症状が悪化する可能性があります)

重症筋無力症(受賞筋無力症を悪化させる可能性があります)

半減期

約7時間

レンドルミン®/ブロチゾラムの特徴

レンドルミン®/ブロチゾラムはドイツのベーリンガー・インゲルハイム社で開発され、日本では1988年から発売されたベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

内服後、約1.5時間で最高血中濃度に達します。

血中半減期は約7時間であり、短時間作用型に分類されます。

短時間作用型は、素早く血中濃度が上昇することで入眠障害に対して催眠効果を発揮します。

翌朝には残眠感を残しにくく、目覚めのよさを自覚させます。

機会性不眠、一過性の睡眠・覚醒スケジュール障害、身体疾患による不眠、熟眠感の乏しい不眠症などに有効です。

機会性不眠

機会性不眠とは:不安、恐怖、情緒的ショックやストレスに伴う情動の興奮、不慣れな環境によって起こる不眠や、時差、交代勤務による睡眠・覚醒リズムの障害のことです。

レンドルミン®/ブロチゾラムの副作用

ふらふら感、眠気、倦怠感、頭痛・頭重感、めまいなどの報告があります。

まとめ

レンドルミン®/ブロチゾラムは内服数約20~30分前後で入眠ができ、睡眠の維持をサポートしてくれるベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

短時間作用型に分類され、催眠効果及び、睡眠中の持続的な効果を期待でき、朝にも眠気が残りにくいタイプのお薬です。

【睡眠薬】エバミール®、ロラメット®/ロルメタゼパムとはどんな薬?

エバミール®、ロラメット®/ロルメタゼパムを処方された方へ

一般名

ロルメタゼパム lormetazepam

製品名

エバミール、ロラメット

剤型

錠剤 1mg

適応

不眠症

用法・用量

1回1~2㎎を就寝前に内服します。高齢者には1日2mgを超えないように使用します。

禁忌

急性狭隅角緑内障、重症筋無力症

半減期

約10時間

エバミール®、ロラメット®/ロルメタゼパムの特徴

エバミール®、ロラメット®/ロルメタゼパムはアメリカのワイス社とドイツのシェーリング社の共同開発によって作られたベンゾジアゼピン系の短時間作用型の睡眠薬です。

内服後、最高血中濃度到達時間は約1~2時間で、消失半減期が約10時間です。

そのほとんどがグルクロン酸抱合体に代謝され速やかに排泄されるため、身体に蓄積しにくい睡眠薬です。

このような短時間作用型は、消失半減期が比較的短いため、すばやく血中濃度が上昇することで、睡眠障害の中でも寝付きにくいタイプの入眠障害に効果を発揮しやすいお薬です。

また、翌朝には残薬感、眠気を残しにくく、目覚めの良さを自覚させるでしょう。

機会性不眠、一過性の睡眠・覚醒スケジュール障害、身体疾患による不眠、熟眠感の乏しい不眠症などに有効です。

まとめ

エバミール®、ロラメット®/ロルメタゼパムは、内服後約1時間前後で入眠ができ、自然の眠りに近い睡眠の維持をサポートしてくれるベンゾジアゼピン系の短時間作用型の睡眠薬です。

寝付きにくさ、入眠困難の改善に効果を期待できますが、長期使用での依存に注意が必要であることと、高齢者で使用する場合には転倒の危険性と、日中の傾眠の出現に注意が必要です。